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<span itemprop="headline">映画「オルフェ」(1949)</span>


 
ジャン・コクトー監督の「オルフェ」(1949)は、ギリシャ神話のオルフェウス伝説を基に、死と生の境を彷徨する詩人の姿に、俗世を超越した夢幻の世界に憧れる、コクトーの詩的テーマを託した作品といわれる。幻想的な作品だった。
 
コクトー自身も、詩人と呼ばれることを好んだといわれる。そんなことを知ると、コクトーが「オルフェ」のような作品を撮ったことも理解できる。
 
人間の現実世界と”死の国”の両方を描いていて、不思議な感覚の映画だ。死の世界には、判事もいて、死の世界から人間の世界に行って、”命令以外”に勝手な行動をとった場合には、裁いたりしている。特別なラジオ放送で、暗号のような言葉で、地上にいる死者に命令を送るというシステムだった。
 
同じギリシャ神話の「黒いオルフェ」は見たことがあるが、「オルフェ」は初めて見た。
 
ストーリー: 
主人公のオルフェ(ジャン・マレー)の通う“詩人カフェ”に“王女”と呼ばれる女性(マリア・カザレス)がある夜現われ、オートバイにはねられた詩人セジェストの死体を、オルフェに手伝わせ自分の車に運んだ。
 
車はオルフェも乗せて、王女の館に。そこでセジェストは蘇り、王女の導きで鏡の中に消えた。後を追うオルフェは鏡にぶつかって気絶する。目覚めれば鏡は消滅している。
 
すっかり王女の美しさに囚われてしまったオルフェは、妻ユリディス(マリー・デア)の待つ自宅に戻っても虚ろであった。しかし、夜ごと彼の夢まくらに立つ王女を、彼は気づかない。
 
妻は夫の心が自分から離れてしまったことを嘆きながら、オートバイにはねられ即死。死の国へと旅立つ彼女を、不思議な手袋の力で鏡を通り抜けて追ったオルフェは、二度と妻の顔を見ないという王女の突きつける条件を呑んで現世に連れ戻す(HPより)。
 
60年以上前の映画だが、人間が浮遊する映像や、トリック映像などでCGなしに驚きの映像もある。「シックス・センス」のような、死んだ人間と生きている人間との区別に混乱しそうなところもある。1950年度ヴェニス映画祭監督賞受賞作品。
 

映画「Z」(1970)で検事総長を演じていたフランスのベテラン俳優フランソワ・ペリエが、王女の運転手役で出演していた。当時のフランスの名女優の一人、マリア・カザレスは、歴史的な名作「天井桟敷の人々」(1945)にも出演しているが、主に演劇が中心だったようだ。「オルフェ」では、高圧的で人を寄せ付けないような威厳と、立居振舞の美しさも見せていた。ジャン・マレーコクトー作品では「美女と野獣」(1946)にも出演、コクトーお気に入り俳優。       ”
王女”役のマリア・カザレス↑
 
主な出演: (役名)
ジャン・マレー (オルフェ)
マリア・カザレス (王女)
マリー・デア (ユリディス)
フランソワ・ペリエ (王女の運転手)
 
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