fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「インストール(2004)</span>


Install (インストール) 予告編
 

 
インストール」(2004)の原作者は、17歳の女子高生。タイトルだけは知っていたが、原作が50万部のベストセラーだということと、無料動画Gyaoで配信していたので見た。
 
映画のオープニングは、女子高生の画一的な白いシャツを着た大勢の、学校へ向かう後ろ姿。エンディングも、時期が半年後で、秋・冬服の制服姿の女子高生の後ろ姿で終わる。
 
自分が個性もなく、大勢の中に埋没していることに嫌気がさして、登校拒否の半年間を過ごす女子高生の話。大人の世界をのぞこうとしたが、半年経っても結局何も変わらなかったという話。
 

 
インストールは、もちろん設定するなどのパソコンから来た言葉。
 
ソフトバンク」のCMなど、CMの印象が強く、映画出演を見るのは初めての上戸彩が主演(映画撮影時、17歳くらいか)。共演が、今の子役ブームの先駆けにもなった神木隆之介(10歳の設定)で、これが大人顔負けとはこのこと。
 
知識などは耳年増だが、そこは子供。四文字熟語や慣用句などを間違えて、高校生の朝子(上戸彩)に、それは「○○XX」でしょうと、言われ「あ、しまった」と、ノートに忘れないように書き込んでいるところがほほえましい。ちなみに間違った言葉は、「日常茶飯事(にちじょう・さはんじ)」を「にちじょう・ちゃ・はん・ごと」、「興味津津(きょうみ・しんしん)」を「きょうみ・つつ」(笑)など。
 

 
こんな話:
人生の目標を見出せない17歳の女子高生・朝子(上戸彩)。遂に頭の中がエラーを起こしフリーズ状態になってしまった朝子は、唯一の話し相手である妄想の中の青年・コウイチのアドバイスで学校に行くという習慣を捨て、ついでに部屋の物を全部捨ててしまう。
 
それから数日後、朝子は自分が捨てたパソコン(亡くなったおじいさんの形見)を拾い、アプリケーションをインストールし直した小学生・かずよし(神木隆之介)に、彼の部屋の押入れの中で午前10時から午後2時まで、ケータイ・サイトで知り合った風俗嬢・雅(みやび)に代わって男たちとHな会話する、エロ・チャットのバイトの誘いを受ける。
 
始めこそパソコンの操作やその内容に戸惑っていた朝子だが、様々な男たちとチャットするにつれ、エロの世界の奥深さに次第にハマっていくのであった。だが、終わりは突然やって来た。パソコンがウイルスでクラッシュし、かずよしの継母・かよりにふたりで押入れにいるところを見つかったのだ。
 
こうして、現実の世界に引き戻された朝子は、しかしバーチャルな世界ではなく直接誰かと触れ合いたいと思えるようになり、実は事故で亡くした恋人だった妄想の中の青年・コウイチとの別れも決意し、学校生活へと戻っていくのだった・・・。
 
先年亡くなった田中好子のほか、菊川怜も出演していた。
 
神木隆之介は当時11歳だが、ませた小学生を大人のようなセリフで演じていたのが印象的だ。10歳かそこいらで、大人のサラリーマンなどを相手に、20代の女性になり済まして「エロ・チャット」を実際の風俗嬢の時間が取れない昼間の間だけ身代わりになって、なり済ますというのも相手が見えないバーチャルのネット社会の「怖さ」をあらわしている。相手が仕事中のサラリーマンだったり、トラック運転手だったり、やくざまがいの男だったりと、いろいろ出てくるのが面白い。
 
2004年公開作品
監督:片岡K(初監督作品)
原作:綿矢りさ(第38回文芸賞受賞)
 
★★
 
 
「にほん映画村」に参加してます:クリック↓ポン! ♪。