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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「60歳のラブレター」(2009)</span>


「60歳のラブレター」
 
「60歳のラブレター (2009)は、60歳前後の3組の男女が、それぞれ60歳になって、相手に対する見方が変わってくるというストーリー。
 
”60歳のラブレター”というタイトルは、映画を見ると、納得させられる。
 
30年前の新婚旅行先で、「30年後の相手に宛てた」新妻の手紙であったり、
女英語翻訳家に、自分の娘が、どうしても訳してもらいたい英語があると、翻訳を申し出ると実は自分の気持ちを伝える英語の文書だったり、手術で助かるか助からないか5分5分という時に、妻が好きだったビートルズの曲をギターで弾いたりと、
それぞれ脚本がよく出来ている。
 
根っからの企業人として、重役となるまでに会社に貢献し続けた橘孝平中村雅俊)は、定年を迎えるとともにすっかり愛情のさめてしまった専業主婦のちひろ原田美恵子)と離婚し、新たに広告会社で腕を振るうことになった。
 
仕事にも手を染めず世間知らずであったちひろが、友人のアドバイスで生き甲斐を見つけてゆくのとは裏腹に、頑固者の孝平は若い仲間達との仕事上のすれ違いに困惑していた。
 
一方、ちひろと親しい魚屋の主人、正彦(イッセー尾形は主治医の佐伯に糖尿病気味だと言われ、妻の光江(綾戸智恵にウォーキングを強いられる。その姿に佐伯(井上順は今はない妻との生活を重ね合わせ、孤独を噛みしめる。
 

 
そんな佐伯に小説の医学用語翻訳で世話になっている翻訳家の麗子(戸田恵子)は、長い独身貴族の暮らしが辛くなり、彼に心を寄せてゆく。
 
三組の男女は、自分達を取り巻く状況の変化から、次第に相手に対する自分自身の愛情の変化を思い知らされるのだった。
 
原田美枝子は10代のデビュー作「恋は緑の風の中」が、fpdの生まれ故郷、埼玉県・深谷市が舞台だったことから、公開時に見たが、この「60歳のラブレター」が、出演作品では、一番よかった。

 
北海道・富良野のラベンダーのエピソードは、「幸福の黄色いハンカチ」を思わせるような、泣かせるシーンがあり、いい。
 
主人公3人の男には、若い時にそれぞれ夢があった。光平は画家。正彦は、ビートルズにあこがれて、バンドのギタリスト。佐伯は外科医。それぞれの
夢は実現できなかったが、それがこの映画では最後に生きてくる・・・。
 
☆☆☆
 
出演:
橘孝平:中村雅俊
橘(小山)ちひろ原田美枝子
佐伯静夫:井上順
長谷部麗子:戸田恵子
松山正彦:イッセー尾形
橘マキ:星野真里
八木沼等:内田朝陽
北島進:石田卓也
佐伯理花:金澤美穂
京亜建設・会長:佐藤慶
根本夏美:原沙知絵
麻生圭一郎:石黒賢
 
監督:深川栄洋