fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「英国王のスピーチ」(2011)


英国王のスピーチ」(The King's Speech) 予告編
 

アカデミー賞の大本命と目されていた「英国王の
スピーチ」が予想通り「作品賞」「主演男優賞」のほか、「監督賞」「脚本賞」と主要4部門を制覇。
 
これは、早く見なければと、きょう見てきました。
1日は、ご存じのとおり「映画デー」ということで、だれでも1,000円。劇場は長蛇の列で、席は前列3列しかあいていなかった(笑)。
 
感想:今年一番の感動作品でした。(まだ、3月1日ですが・・・)
 
この映画のチラシは見ていたので、ストーリーとともに俳優に期待していた。映画の最初のほうは、内容から、見ていてやや苦しいなと思ったが、見ているうちにだんだんと、面白さが増していき、ラストは感動的だった。
 
 
「スピーチ」も音楽と同じで、リズミカルさが要求されるようだ。ライオネルが、スピーチに立ちあい、(オーケストラの)指揮をするようなパフォーマンスを見せていた。引き込まれる映画とは、こんな映画かも。
  
アカデミー賞の賞レースで、対抗馬だった「ソーシャル・ネットワーク」は、現代が舞台で、最新のIT関連(FaceBook)がテーマ。主人公の若者は、機関銃のようにまくしたてる、言ってみれば饒舌(じょうぜつ)家、おしゃべり。
 

片や英国王は、内気で、人前で話すのが苦手で吃音(きつおん)に悩む王。アカデミー会員は、雄弁家よりも、どもったり、噛んでしまったり、人前で特定の言葉が発しにくい疾病の英国王を選んだとどこかの新聞に書いてあった(笑)。
 
詳しい内容には触れない方がいいでしょう。
 
現在のエリザベス女王の父君に当たる国王ジョージ6世の、英国民ですら知らなかったという史実に基づいた映画。国王になりたくなかったジョージ6世だったが、予期せぬ事態で、国王になってしまったわけだが、公務と言えば、「スピーチに始まり、スピーチに終わる」といわれるほどで、果たして、ジョージ6世は、どのように対応していくのか・・・。
 
英国王を演じたコリン・ファースは、アカデミー賞の受賞スピーチで「今がピークでしょう」と笑わせていたが、映画のスピーチは、はるかに上を行く感動だった。
 
ジョージ6世の生涯の友となるライオネル(セラピスト:吃音矯正師)を演じたジェフリー・ラッシュという俳優がすばらしい!気骨・信念・平等などを持ち合わせていて、感動を与える!街のセラピストだが、患者が誰であろうと(国王であろうと)、1対1で誇りと揺るがぬ自分流のやり方で、治療に当たる姿がすごい。「こんな奴の世話にはなれぬ」と威厳を損なわれたことで、いったんは、もう終わりだと決めた国王だったが・・・。
 
 
一方のライオネルも「失敗したか」と反省するようなセリフも・・・。
とにかく、この二人の、渾身の演技対決(相手を怒らせ、卑猥用語で悪態をつかせて、発声を促す手法には度肝を抜かれる!)。ありとあらゆる下ネタ用語が飛び出す(笑)。真剣勝負だ。言葉に表せない醍醐味が。
 
映画全体を貫くセリフなどが見事で、今回のアカデミー賞脚本賞」に輝いたのは当然かとも思った。映画化を30年前に打診されていた皇太后は「自分の生きている間の映画化は控えてほしい」と言っていたようだ(2002年に101歳で亡くなった。)
 
ジョージ6世の妻役、つまりはエリザベス女王の母(皇太后)を演じたヘレナ・ボナム=カーターが、「アリス・イン・ワンダーランド」では、素顔でなく(CGで、赤の女王を演じた)、どんな女優なのかわからなかったが、「英国王のスピーチ」では、これまた、いい役で、すばらしい。落ち込むジョージ6世を献身的に支えるが、「国王にはならないと思ったから2度も断ったのに、結婚した」「吃音も、いいかなと思って」という言葉に、優しさと愛情がにじみでる。
 
王位よりも愛を取るといって、弟に王位を譲った兄エドワードには、あの「L.A.コンフィデンシャル」の上昇志向警察官を演じたガイ・ピアース
 
映画の時代背景は1930年代。
 
ヒットラーが台頭してきた時代で、当時の映写フイルムが劇中に流れるが、ヒットラーの演説シーンを眺めるジョージ6世は「内容はわからないが、演説はうまいもんだな」というのが、印象に残る。やがて、対独戦争に進む英国の姿勢について、英国王が全国民に向けスピーチの時を迎えるのだが・・・。
 
映画を観終わって、しばらく反芻して、思い出して、余韻に浸れる映画ですね。
 
☆☆☆☆
 
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:ついでにクリック・ポン♪。