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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ローマの休日」(1953)・・・3度目の観賞</span>

 
 

 

 

 
 
30数年前に劇場で、立ち見で見た「ローマの休日」。
 
それでも、オードリー・ヘプバーンの息をのむような美しさ、可愛さに圧倒された。 その後1度、テレビで見たことがある。
 
きょう、3回目を見た。おぼろげだった内容もはっきりと理解できた。
 
今更ながら、この映画の見所はたくさんある。
 
ラストシーンのために物語が進行するとさえ思える。
途中の様々なエピソードは、そのおぜん立てで、最後に集約される。
 
ヨーロッパを表敬訪問中の某王国のアン王女(オードリー・ヘプバーン)は、ローマを訪れた夜、自由のない王女としての毎日に嫌気がさし、とくに「スケジュール」という言葉に、鋭く反応する。夜、表のにぎやかな風景などを見るうちに、ついに滞在先の宮殿から抜け出しに成功する。
 
宮殿に来ていたピザか何かの三輪トラックの荷台に乗って、街中まで・・・。(この辺は出来すぎ・・という突っ込みは別にして)。
 
事前に医師に打たれた睡眠薬のため道端で眠り込んでしまうアン。そこへ偶然通りかかったアメリカ人新聞記者ジョー・ブラッドレ-(グレゴリー・ペック)は、おかしな成りゆきで「酔っぱらいの不良娘を自分のアパートに抱え込んでしまうはめになってしまった」と勝手に考える。
 
しかし、翌日通信社でアンの驚くべき素性を知ったジョ-は「世紀のゴシップ記事」のアイディアを思い付く・・・(HPより)。
 
今見なおすと、この「アメリカン・ニュース・サービス」の記者の肩書を持つジョーだが、フリーの記者のようで、人は悪くないが「しがない」貧乏記者なのだ。2枚目ペックの印象が強いため、美化されているが、稼いだお金も、ポーカーなどギャンブルに使ってしまい、仲間にまきあげられたりする。特ダネ記事などを、1本いくらで売っている様子で、記事の売り込みに行った時も、値段交渉を活発に行う。
 
ジョーの私生活を見ると、独身で、安アパート暮らし。家主には、家賃を2カ月滞納しているといわれる始末。その家主に、明日倍にして返すから、少しお金を貸してくれないかという。結局断られて「明日、損をしたということになるよ」という、決して、見た目とは違ってかっこいい状況ではないのだ。
 
のちに、王女とわかって、街中に連れ出しても、所持金がなく、仲間のカメラマンのアーヴィング(エディ・アルバート)から融通してもらっている。
 
そんなジョーだが、最初は、「スクープ」で儲かると思ったが、アンを案内しているうちに、次第にひかれていき、記事は没にすることを決意する。
 
一緒に記事の写真で関わってきたアーヴィングに、記事はなかったことにすると意思表示し、ラストシーンで、アーヴィングが、ローマでの王女の記念写真をプレゼントするシーンにつながっていく。このあたりもいいシーンだ。
 
セリフがスマートなところも魅力的だった。
 
床屋で髪をショートにカットするシーン。
床屋が、どの辺まで髪を切っていいか、アンニャ(アン王女)に聞く。せっかくの長い髪なので、遠慮がちに「この辺まで?」に「もっと」、「ここまで?」「もっと」…と(笑)という問答が続く。
 
ここまで?は、英語では「Off!」と何回も繰り返し、やややけくそで「ほんとにいいのか?」(Are you sure?) と念を押して、「Off!!」といいながらバッサリ・・・! ここに、ヘップバーン・カットといわれるショートカットのヘアスタイルが誕生床屋も、「クールだ」(Cool!)といい、アンもPerfect!」となる。
 
しかし、イタリア男だ。あまりにも美しくなったアンに、早速、パーティが夜あるから、来ないか?とデートに誘ってくる。「皆の中で、一番きれいだ。自慢できる」と。
 
夜、パーティには、ジョー、アーヴィングとアン。
カウンターには、例の床屋も。床屋は、約束通り、アンと踊る。
 
この踊りのシーンをカメラで撮影するアーヴィング。
これで紙面の見出しは「Burber's Cuts in」(床屋のカットと、割り込むを掛けた)で決まりだと喜ぶアーヴィングたち。
 
床屋は、踊っている間にも、アンのヘアスタイルが気になり、櫛を取り出して、前髪を左右に揃え、ついでに自分の髪も整えるといった、商売が染みついていることをうかがわせて、にやりとさせられるシーンだ。
 
ラストの王女の会見シーン。
スピーチが終わった後、「記者の何人かとあいさつをしたい」と周りをハラハラとさせるが、新聞社の代表と一人一人とあいさつしていく。
 
ヒッチコック」新聞のXXです、はご愛敬。
フィガロ」「ABC」などなど、各国を代表する新聞、報道関係がズラリ。
アーヴィングは、写真の束を手渡し、記念ですという。
「ちらり」と写真に目を落とすアン王女。
映っている写真は「ギターを振り上げて、男たちの頭に!」。
 
いよいよジョーの前へ。このあたりは、言葉は少ないが、二人の目の動き、まなざしが語る演技がすばらしい。
 
オードリーの演技は、アカデミー賞主演女優賞に輝いた。
あらたな時代の「妖精」の誕生だった。
 
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