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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「それでも恋するバルセロナ」(2009)

 
昨年6月に公開されたそれでも恋するバルセロナ」。
 
「“それでも”地球は回っている」とか、「“それでも”ボクはやっていない」など、“それでも”には、ああだこうだといっても、といった意味が含まれているようだ。
 
イタリア、スペインなど南欧の男のイメージは「旅情」のロッサノ・ブラッツイの昔から、女性とみれば声をかけ、当然のように誘いをかけてくる・・・というイメージだが、この映画のファン・アントニオ(ハビエル・バルデム)も、さっそく旅行中のアメリカ人女性二人組に声を掛けてきた(笑)。
 
この映画の感想は、どこでもかなりよかったので、見たかった作品。
ようやく今日みた。2000年代のラブ・コメ映画では、ベスト5に入れたいほど、おもしろく、深い(笑)。監督のウッディ・アレンらしくなく?わかりやすい。かなりお気に入り作品となった!
 
まず俳優陣が魅力的だ。
ノーカントリー」の映画史上でも最も凶暴な役柄を演じたハビエル・バルデムが、まったく別の顔を見せているのが驚きだ。イケメンとはほど遠いが、ずけずけというもの言いが、アメリカ人には新鮮に映るのか。
 
人気上昇中で、いまやハリウッドのトップクラスの女優となったスカーレット・ヨハンソンが、自由気ままなアメリカ人女性を演じている。
 
しかし、ベネロペ・クルス(マリア)は、さらにすごい。
全盛期のソフィア・ローレンも真っ青の熱演ぶりスペイン語を話すときの“水を得た魚”のような、たて板に水の話し方と英語の時の落差。元・夫のファン・アントニオ(ハビエル・バルデム)に、(アメリカ人といる時には)「英語で話せ」と何回も繰り返し指摘されるが、つい興奮してスペイン語を話してしまうところがおかしい。
 
ベネロペは、トム・クルーズと共演した「バニラ・スカイ」あたりでは、目立たない色黒の女優だなという印象のレベルだったが、今にして思えば、クルーズが熱心だったほどの魅力的だったというわけか(爆)。
 
ストーリー: 
バカンスでバルセロナを訪れたヴィッキー(レベッカ・ホール)とクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)の恋愛観が正反対。ヴィッキーは、婚約者がいる身。一方のクリスティーナは、自由奔放。パーティーで出会った画家のフアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)が、二人を週末に一緒に過ごそうと、飛行機を駆って、別荘に誘うのだが・・・。
クリスティーナは、アントニオのストレートな誘いに興味を持ち、積極的だが、気乗りしないヴィッキーも同行することに。そこでは、ハプニングがあり、予想外の展開が待っていた・・・。
映画が始まって20分以上も経って、アントニオの元妻、マリア・エレーナ(ベネロペ・クルス)が登場。そのマリアが、嫉妬心をめらめらと・・・。
ウディ・アレン監督が、スペインのバルセロナを舞台に、“四角関係”の恋愛を描くロマンチック・コメディ。二人のアメリカ人女性、そしてスペイン人の画家と彼の元妻が、それぞれの個性や恋愛観をぶつけあいながら駆け引きを繰り広げる。
ペネロペは、この作品で、2009年度アカデミー賞助演女優賞を受賞。美しいバルセロナの街並、名所も見どころの一つ。
映画全体に流れる、スキャット調のテーマ・メロディも情感を漂わせ、映画をエキゾチックにしている。言葉のはしはしに漂う恋の駆け引きというのが、なかなかいい。
キャスト
フアン・アントニオ:ハビエル・バルデム
ヴィッキー:レベッカ・ホール
マリア・エレーナ:ペネロペ・クルス
ジュディ・ナッシュ:パトリシア・クラークソン
マーク・ナッシュ:ケヴィン・ダン
ナレーター:クリストファー・エヴァウェルチ
 
☆☆☆☆