fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「愛のむきだし」(2008)

 
愛のむきだし」とは、強烈なタイトルだが、昨年の日本映画の中で、さまざまな賞を獲得したり、映画ランキングで上位に食い込んでいたので、DVDで見てみた。
 
上下合わせて約4時間(237分)!中身は、かなり異色。
世間を騒がせたサリン事件の教団を思わせるようなカルト新興教団などにのめりこんだ人物の極端な行動をかなり細部にわたって描く。「洗脳」する側と、引き戻そうとする戦いも描かれる。
 
主人公は若者、ユウ。
幼い頃に母を亡くし、神父の父テツと二人暮し。
 
理想の女性“マリア”に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていたが、父親テツが妖艶な女サオリに溺れてから生活は一変。やがてサオリがテツのもとを去ると、テツはユウに毎日「懺悔」を強要するようになる。
 
父との繋がりを保つために盗撮という罪作りに没入していくユウ。そんな彼はある日、罰ゲームで女装している最中に、ついに理想の女性ヨーコと巡り合うが・・・。
 
かなり「ヘンタイ」(笑)がメインの映画となっている。
盗撮のテクニックとか、カルト新興宗教、暴力などの描写が多い。
タランティーノ監督並みの血しぶきもすさまじい。
 
「第1章」「2章」「3章」・・・と一人一人の背景を紹介してそれらが関連付けられていく。
 
鬼才といわれる園子温監督が撮り上げた渾身のエンターテイメントということで、敬虔なクリスチャン一家に育った少年ユウ(西島隆弘)が、運命の少女ヨーコとの出会い、謎の新興宗教団体と関わっていく姿を、盗撮、パンチラ、カルト教団、女装などキャラクターの変態性がでてくるが、それらは「純愛」を描くための素材であったようだ。
 
俳優はあまり知らない役者が多いが、満島ひかりの体当たり演技は迫力と凄味があった。新興宗教の「0(ゼロ)教会」の面々は、洗脳された信者のようなまったく、演技とは思えないようなリアルさがある。この映画では、西島隆弘のほか、安藤サクラなどが注目された。
 
暴力的描写が多い。「キル・ビル」のヒロインのようなアクションは、エンタテイメントとして楽しめたが、一般受けはしないだろうと思われる映画だ。
 
むきだしの愛を描こうとしたのかと思ったが、最後に「純愛」を見つけるまでの道のりを荒々しく描いている。
 

 
興味がある人は、ご覧ください。(やや辛口)