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<span itemprop="headline">映画「アヒルと鴨のコインロッカー」(2007)</span>


アヒルと鴨のコインロッカー」は、最近「ゴールデン・スランバー」(2010)を見て、原作者が同じ伊坂幸太郎で、その前に話題になっていた映画ということで、見てみました。監督は、最近結構見ている中村義洋。中村監督は「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「ゴールデン・スランバー」とどれもサスペンスタッチで面白い。

「アヒル」と「鴨」の違いは・・・?
「コインロッカー」とのかかわりは、最後にわかる仕掛け。

原作者の伊坂という人は、まだ若い30代後半だが、「アヒル」では、ボブ・ディランの曲を頻繁に使い、「ゴールデン・スランバー」は、ビートルズの同名曲(意味は、”黄金のまどろみ”)を使うなど、有名なミュージシャン、アーティストを使いますね(笑)。

アヒルと鴨のコインロッカー」は、椎名(濱田岳)という大学生の現在の物語と琴美という女性の2年前の物語が同時並行で描かれ、それらが交差して、現在につながっていくというストーリー。

椎名は、引っ越し先の河崎という隣人(瑛太)から、「本屋に行って、”広辞苑”を盗もう」と誘われる。断る間もなく、椎名は本屋から広辞苑を奪う手伝いをさせられてしまう。その計画の後、河崎やペットショップの店長をしている麗子から2年前の話を聞かされることになる・・・。

2年前の物語は琴美、その恋人であるキンレィ・ドルジ(ブータン人)、河崎、麗子を中心に展開する。

世間で多発しているペット惨殺事件の犯人たちに出会ったことにより、琴美が目を付けられてしまう。琴美は何度も襲われるが、ドルジや河崎に助けられ、逆に犯人たちを捕まえようとする。

2年前の事件と現在の本屋襲撃が次第につながっていく・・・。


河崎は椎名にいう。「ペットショップの麗子という女には気をつけろ!」
麗子も椎名にいう。「河崎の言うことは信用するな」と。どちらが信用できるのか(爆)。

麗子に扮する大塚寧々がいい。
椎名が近づいて来た時に言うセリフ。「私が怒っているような表情をしていても気にしないで。
怒っているわけではないから」・・・なかなかグッとくる?(笑)。

濱田は「今度は愛妻家」ではじめて見たが、一途に他人の奥さん(薬師丸ひろ子)に手紙を送るかたぶつの青年役で、あまり目立たなかったが、「ゴールデン・スランバー」では、犯罪を犯す役で、全体の狂言回し的な役割で、意外性があった。そんな2作品の前に、「アヒル」では主演していた(当時20歳前)わけだ。

瑛太は、「ディア・ドクター」では、ニセ医者に仕えるインターンのような役どころだったが、このところ人気上昇中の若手の一人のようだ。

伊坂作品は、最初は謎解きのように、現実をポンと投げかけて、読者(観客)に興味を持たせて、その背景は、こうなんだよと、後で教えていくようなスタイルか。

伊坂X中村のコンビは目が離せない。


出演:
椎名:濱田岳
河崎:瑛太
ドルジ:田村圭
琴美:関めぐみ
謎の男:松田龍平
麗子:大塚寧々
椎名の母:キムラ緑子
椎名の父:なぎら健壱
関西弁の学生:藤島陸八
免許のない学生:岡田将生
ペット殺し・江尻:関暁夫ハローバイバイ
ペット殺し・男:杉山英一郎
ペット殺し・女:東真彌
バスの運転手:眞島秀和
犬がほしい女:野村恵里
仙台弁の書店員:平田薫
警官:寺十吾
警官:恩田括

監督・脚本:中村義洋
原作:伊坂幸太郎