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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

1960年代(43)「明日なき十代」(1961)

1955年の「暴力教室」は、不良少年と教師の対立を描いていたが、この「明日なき十代」(1961)は、「暴力教室」の原作者エヴァン・ハンターの小説「信念の問題」を映画化したもの。(映画は、公開10年後くらいに見た。)
少年犯罪とそれにとり組む検事を主人公にしたドラマで、監督はTVドラマ出身のジョン・フランケンハイマーフランケンハイマーは、後にバートランカスター主演で、「五月の七日間」や「大列車作戦」など男の映画を残している。


「明日なき十代」の主演は、バート・ランカスターのほか、シェリー・ウィンタース、ダイナ・メリル、エドワード・アンドリュース、ヴィヴィアン・ネイザンなど。
1960年のニューヨークの無法地帯イーストハレム。
貧民街の舗道を3人のイタリア系移民のチンピラが肩で風を切って歩いていた。
愚連隊“雷鳥組"を作っていて、プエルトリコ系の“騎士組"との争いが絶えなかった。
アパートの前で1人の少年を見つけた彼らは、少年を襲い逃走した。少年はプエルトリコ系で、警察は3人を逮捕したが、彼らは正当防衛を主張した。

 

が、実は被害者が盲目であることがわかり、彼らの主張は蹴られた。
事件を担当したのはハンク・ベル検事補(バート・ランカスター)だった。
彼の妻カレン(ダイナ・メリル)は、社交界の人気者で、ベルの上役ダン・コール(エドワード・アンドリュース)は目下知事選挙に立候補中だった。

 

コールは選挙戦を有利にするため、世論の攻撃の中心である10代犯罪の根絶に懸命だった。
ベルの責任は重大だった。
というのも、彼は被告たちと同じイタリア系貧民の出身であったからだ。被告たちの環境には同情すべきものが多かった。調査が進むにつれ、最年少のダニーが、ベルの初恋の人マリー(シェリー・ウィンタース)の息子とわかる。

 

現場の目撃者アンジェラは、被害者の持っていた物がナイフでなくハーモニカだと言う。3人は、3人同時に刺したと言う。ベルはそれを信じなかった。ダニーは組でも穏健派で、かつてプエルトリコ系の少年を救ったこともあった。
マリーは、コールが選挙のために息子を死刑にしようとしているとベルに訴える。
被害者のエスカランテは、実は盲目を利用する“騎士組"の重要人物だった。“
雷鳥組"は、自分たちと同じ出身のベルが3人を死刑にしようとするのを怒り、カレンを脅迫する。ベルも何者かに襲われ負傷した。そして調査は終った。

 

3人のうちリアドンは懲役20年、アポストは精神病院に、ダニーには懲役1年の判決が下った。上役の利益に反したベルの政治的生命は終った。
しかし、ベルは真実を守った誇りを感じるのだった。(一部、Goo抜粋)
バート・ランカスターの、いつもながらの正義感あふれる役柄は、かっこいい
モノクロで、アメリカの人種のるつぼ、ハーレムを舞台に、プエルトリコ人など
移民に対する憎しみ、偏見の多かった時代に、その一端を浮き彫りにした。

 

「不良少年たちの一人ひとりのいやみたっぷりの演技はリアルだった。迫力がある。
ゆがめられた社会だ!」(当時のfpdの手帳より)
DVDでもう一度みてみようかな。