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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「5月の7日間」(1963)バート・ランカスターなど重量級俳優出演。

 

5月の7日間」(原題:Seven Days in May, 1964)を見た。
好きな俳優を1人挙げろといわれれば、真っ先にバート・ランカスターを挙げる(この40数年変わらず)が、そのランカスターが「OK牧場の決闘」などでも共演し、好敵手でもあるカーク・ダグラスと共演した見ごたえのある政治サスペンスの傑作。監督は骨太作品で知られるジョン・フランケンハイマー
 
最近のテレビドラマで「敵は味方のフリをする」というセリフがあるが「5月の7日間」も仲間として信頼していた人間が実は○○だったという驚きがある。
 
 
出演陣では、バート・ランカスターカーク・ダグラスという2大俳優が主役だが、もう一人、この二人以上に存在感を見せているのが、米大統領を演じているフレデリック・マーチだ。マーチは1930年代、サイレント映画からトーキーに移行した時代に「トーキースター第1号」といわれた名優。「ジキル博士とハイド氏」(1931)「我等の生涯の最良の日」(1946)で二度のアカデミー賞を受賞している。日本でいえば、”新劇の神様”といわれた滝沢修のような重鎮ではないか。
 
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「5月の7日間」は、アメリカにおける軍部クーデターを描
いている。ジョーダン・レ
イマン大統領(フレデリック・マーチ写真)はソ連核兵器廃絶条約を結び、平和外交を打ち出すが、一部国民はソ連がその条約を守るはずがないと反対。それを受けて、空軍のスコット将軍(バート・ランカスター)はクーデターを決意するといったストーリー

海兵隊大佐のジグズ(カーク・ダグラス)からスコット将軍の動きを知らされたレイマン大統領は、レイ・クラーク上院議員エドモンド・オブライエン)と側近のポール・ジラード(マーティン・バルサム)らに調査を命じ
 
ジグズは親友のヘンダーソン中佐(アンドリュー・ダガン)が聞いたことのない基地(テキサス州エル・パソへ転任すると知り、この陰謀に気づく。そしてスコットと親密だったエリノアという女性(エヴァ・ガードナー)の元を訪れ、エリノアが保管していたスコット将軍からのラブレターを入手する。 果たしてこれがスキャンダルの切り札として利用されるのか・・・といった展開。
 
 
映画は、タイトルデザインから引き込まれる。かっこいい。
タイトルロールにかぶさる音楽はジェリー・ゴールドスミスアクションやサスペンスの緊迫感ある場面に効果的な音楽をつけることでは他の追従を許さないといわれるゴールドスミス。「脱獄」「逆転」などがあり、後には「猿の惑星」「パピヨン」なども担当している。
 
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ホワイトハウス前では、プラカードを持った大統領支持派と、反対派がデモ行進を行っていた。中にスコット将軍の写真を掲げる人間もいた。暴力沙汰の小競り合いがあり、多数の警察官が駆けつけ次々に警察の車に押し込む。
 
ジョーダン・レイマン米大統領フレドリック・マーチ)の核軍縮条約案をソ連が受諾、平和な国際情勢が続いていた。ギャロップ調査の大統領支持率は29%と低め。
 
その政策にも方々から反対の運動が起こりはじめた。スコット将軍(バート・ランカスター)もその1人だった。ケイシー大佐(カーク・ダグラス)は将軍と親交があったが、軍部のおかしな動きを知り、その真相を探ろうとスコットに会見を求めたが、そこで紙片を拾った。
 
 
それには40機のジェット輸送機を重要都市に派遣する暗号命令が書いてあった。
それに彼の同僚だった男が、Y基地に特殊部隊を率いて赴任したが、基地は陸軍省の記録にはないものだった。彼はホワイトハウスを訪れ、大統領に直接スコットへの疑問を伝えた。
 
 
大統領は信用のできる5人を集めて、早速調査に乗り出した。ケイシー大佐はスコットの愛人だったエリノア(エヴァ・ガードナー)を探ったが、情報は掴めなかった。
 
 
またせっかく資料を手に入れた1人も飛行機事故で死んだ。ほかの1人はY基地の大佐を説き、脱出してホワイトハウスに電話しているとき、大佐は兵士たちに捕まってしまった。証拠がない限り、スコットを責めることはできない。まして彼は民心を握っている。
 
スコットはケイシーの行動を知り、模擬非常動員計画の期日を早めた。
防空担当将軍がレーダーで空軍の行動をキャッチ、大統領に報告した。
大統領は全機に着陸を命じ、スコットを召喚して辞任を勧告したが、彼は承認しなかった。
 
レイマン大統領は新聞記者会見を開き、全国にテレビ中継で伝えるようにした。
そのとき、飛行機事故現場から告白書が発見された。大統領は記者達に向って意見の相違から将軍に辞任を求めたのだ、とだけ発表した。スコットは辞任する気にはなれなかった。しかし、すべては終わったのである(MovieWalker一部引用)
  
 
ドンパチなどの戦闘シーンは一切なく、重厚なドラマが織りなす政治的なサスペンスに引き込まれる。紅一点のエヴァ・ガードナーは、出演時、40代前半。ただ、その美貌と人気は1950年代がピークだったようだ。アメリカ映画協会(AFI)が1999年6月に選出したアメリカの「最も偉大なる女優50名」では第25位。その後「大地震」「カサンドラ・クロス」などに出演した。
 
大統領側近が持っていた黒いブリーフケースは、核攻撃の許可を出せる道具が入っているものとみられるが、時々アップでそれとなく映し出されていた。
 
大統領の演説では「(自ら辞任させたスコット将軍について)スコットは敵ではない。核こそが敵だ」と語っていた。「アメリカを強くする」という発言は、なにやら現在の大統領と同じ表現に聞こえる。今見ても、あるいは今だからこそ、わくわくさせられる色あせない映画だった。
 
 劇場予告編
 
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