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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">⑤「日本沈没」・・・リメイクだが、リアルさ増す。</span>


 しばらくぶりに劇場で映画を見てきた。東京・銀座の「有楽座」で。
 昔の有名な「有楽座」は、日比谷映画街にあって、すでに閉館となって久しいが、
 近くのニュー東京ビルに移転し、スクリーンは小さくなって、再スタートという
 ことらしい。
 
 1973年のリメイク「日本沈没」である。小松左京原作。

 33年前の映画では、地震津波などの異常気象により、日本が沈没しかねない
 状況が描かれていたと思うが、あくまでもフィクションとしてみていた。

 今回は、1995年の阪神大震災を経験して、見ているので、真実味が増した。
 実際に、レスキュー隊員に扮している柴崎コウは、阪神の震災で、両親を亡くした
 という設定で、本人がかろうじて、レスキュー隊に助けられたことがきっかけで、
 レスキュー隊員になったことが紹介されていた。

 この映画では、冒頭、米国の専門家が、日本の状況は、地下断層の陥没で
 間違いなく海に沈むと、論拠を示し、説明するところから始まる。
 そして、日本人は難民となり、世界の国々に、難民として受け入れてもらう
 ことになるというのである。こうした、仮説を、いったい否定できるだろうか
 と問いかけられているように思われた。日本人は何処へ行くのか。

 「自分ひとりだけの幸せは考えられない」という他人を救いたいと考える
 柴崎コウ

  柴崎コウは、実年齢の若さにかかわらず、本当にいつも真剣な
  演技で、すばらしいと思う。


 「着信アリ」の恐怖の受身の目の演技、「世界の中心で、愛をさけぶ」などが印象に残る。

  主人公の小野寺を演じた草なぎ剛は、予想通り、役不足?に思えた。
 
 のっぺらぼうの風貌からくるのか、表情のなさが目に付く。草なぎの ”いいこちゃんぶり”
 に内容(脚本)もあわせたのか。恋人になりつつある女性から、二度と会えないかもしれない
 状況を感じて(実際にそうなるのだが)「抱いて」といわれて、一歩下がって、女々しく泣き、
 理屈をこねて「それは、できない。」は、ちょっと・・・(爆)。

  豊川悦司の田所博士は、存在感があった。

 一番の主役ではないかと思うほど。大知真央は、さすが宝塚出身、声の張りがあって、
 いいと思った。小池大臣を意識した感じか。石坂浩二は、小泉よりも風格あり。なに、丹波哲郎は、
 写真だけの出演(見逃したか)。

 映画で、もっとも強く感じたのは、日本列島そのものの俯瞰映像で、それが、
 海に沈んでいく、というプロセス。確かに、われわれが知っている、
 
  日本列島が、形がなくなる・・・怖さ。  

 また、全土に広がる、火山爆発による焼け野原・・・。

 今、日本沈没の映画の製作の狙いはなんだったのか、改めて、考えさせられる
 映画である。力作は力作だ。
 
主な出演者:

小野寺俊夫:草剛(SMAP
阿部玲子柴咲コウ
田所雄介博士:豊川悦司
城達也及川光博
倉木美咲(避難民の少女):福田麻由子
結城志穂(結城の妻):佐藤江梨子
結城海斗(結城の息子):鏑木海智
山本尚之(内閣総理大臣):石坂浩二
野崎亨介(内閣官房長官):國村隼
鷹森沙織(危機管理担当大臣):大地真央
法務大臣北村和夫
外務大臣矢島健一
財務大臣大口広司
梅津誠吾(防衛庁長官):石田太郎
統合幕僚長並樹史朗
中田真一郎(防衛連絡調整官):遠藤憲一
篠原学(内閣参事官):松尾貴史
山城教授:加藤武
山城教授の娘:安野モヨコ
山城教授の女婿:庵野秀明
福原教授:柄本明
斎藤博士:池田成志
幸長信彦(福原の助手):村杉蝉之介
小野寺道子(小野寺の母):長山藍子
小野寺香織(小野寺の姉):和久井映見
田野倉珠江(玲子の叔母):吉田日出子
玲子の祖父:丹波哲郎
倉木佳美(美咲の母):木村多江
寺島浩(床屋):六平直政
安川翔太(区役所の男):手塚とおる
日沼達夫:大倉孝二
日沼静子(達夫の祖母):花原照子
坂本康平(玲子の上司/レスキュー隊長):津田寛治
自衛隊の隊長:ピエール瀧
吉住医師(佳美の担当医):山田辰夫
浅見看護師:前田愛
コックス博士:リヤカット・アリ
京都の高僧:富野由悠季
小野寺の実家の従業員(杜氏):福井晴敏
田所博士の部下:土佐信道明和電機