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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「銀座の女」(吉村公三郎、日活、1955)を見る。音楽・伊福部昭。

 

映画「銀座の女」(1955、日活)を見る。監督は吉村公三郎、音楽は伊福部昭。出演は轟夕起子乙羽信子北原三枝、南寿美子、日高澄子、多々良純清水将夫殿山泰司など。
ともすると特別視されがちのこの社会に生きる芸者たちの生態を、ある時は悲しく、ある時には滑稽さなどを描いた作品となっている。
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銀座にほど近い芸者屋"しづもと"では、女将のいくよ(轟夕起子)は将来の面倒を見てもらうことを条件に、貧しいが優秀な青年・矢ノ口英作(長谷部健)に学資と生活面の援助をしている。

照葉(藤間紫)は子供を里子に出していて、当たれば100万円という宝くじを買い続けて、当ったら子供を生活できることを夢見ている。

人生の悲劇にささやかな抵抗を続ける芸者たちが、その日を送っている。

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当時の世相、風景などが見どころ。冒頭の昭和30年代のバスでは、バスガイド(バスガール)が乗っていて、バス停を通り過ぎたころ「降ります」と一人の老女(飯田蝶子)が声を上げると、バズガイドが「ストップ願います」。「なかなかいいにくい場所で」と老女が一言もらすなどユーモアもある。

バスを降りるとそこは養老院だった。

大勢の老人が子どもたちが学芸会の遊戯を行っていて、老人たちがこれを見ている。お返しに老女が三味線を弾いて謡うのだった。誰かが「おばあちゃんおいくつ?」と聞くと「63だ」と応えていた。(今の年齢の感覚で言えば、83歳くらいといった時代かもしれない。)

これは映画のシーンで、この場面を見たいくよ(轟夕起子)は、目が釘付けに。そのおばあさんこそ、自分が置屋にいたときの女将だったのだ。

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<主な登場人物>
■琴枝:乙羽信子…兄が税務署にいることで座敷で人気の芸者。兄の部署が異動すると客もつかなくなる。
■操(さすが):日高澄子…元しづもとにいたバーのマダム。英作の小説を応援する存在。
■ブンちゃん:北原三枝…自称“文学少女”で、女給として英作の創作を励ます。
■いくよ:轟夕起子…芸者屋「しづもと」の女将。矢ノ口英作に学費や生活費を与えている女性。
■照葉:藤間紫…子どもと一緒の暮らしを夢見る芸妓。宝くじを買い続ける。
■矢ノ口英作:長谷部健…工科大学を目指していたが、小説を書く青年。女将・いくよの養子格。小説が売れてから、今まで支援してもらったお金を細かく計算して返金しようとしたが、いくよは怒り狂い、お金を投げ返す。
■さと子:島田文子…まだ芸者らしさが出ていない薄幸な若い女性。
■長畑栄三:金子信雄
■ミサ子:南寿美子…年寄の浪曲師との関係に反発し、ジャズファンな一面も持つ。ルイ・アームストロングの写真を飾っている。
■辻:多々良純…記者。
■小唄の師匠:小笠原章二郎
■お篠:飯田蝶子…元・置屋の女将で、いまはおばあさん。
■高梨三郎:清水将夫…代議士。いくよのパトロン。家の者の気配がおかしいと手切れ金を用意している。
■高梨一彦:宍戸錠
■署長:殿山泰司
■松永:神田隆

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