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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「愛しき人生のつくりかた」(2015)を見る。埼玉映画ネットワーク/彩の国シネマスタジオ上映会。

映画「愛しき人生のつくりかた」(2015)を浦和・埼玉会館・小ホールで見た。監督・脚本は「エディット・ピアフ 愛の讃歌」「ターニング・タイド 希望の海」などで俳優としても活躍するジャン=ポール・ルーブ

夫の死後家族に行方を告げず姿を消した祖母を捜す旅に出た孫が、祖母の知られざる過去や秘めた夢に触れていくハートウォーミングな人間ドラマ。

パリの下町とクロード・モネの絵画で知られるノルマンディーの海沿いの町エトルタを舞台に、母と息子、そして孫の3世代が織りなす愛しいエピソードを積み重ねた物語を描く。

出演は、お茶目で心優しき母であり祖母であるマドレーヌ役は、国民的歌手のアニー・コルディが演じている。アニーはルネ・クレマン監督「雨の訪問者」(1970、ヒロイン・マルレーヌ・ジョベールの母役)やアラン・レネ監督「風にそよぐ」(2009)等にも出演している。頼りない息子ミシェル役は「仕立て屋の恋人」(1989)のミシェル・ブランがコミカルな演技を見せている。

この作品は、巨匠フランソワ・トリュフォー監督にささげたオマージュでもある。トリフォー監督の「夜霧の恋人たち」でも馴染みのあるシャルル・トレネの名曲「残された恋には」を主題歌として採用している。

また「夜霧の恋人たち」で、ジャン・ピエール・レオが演じたアントワーヌが働いていたホテルと同じ名前と建物をホテルに設定している。

・・・

  マドレーヌは息子3人が老人ホームに入れたがっているのが気に入らない。

        マドレーヌと一番気が合う孫のロマン

       ナタリーは夫ミシェルに離婚を切り出すが…。

        ロマンは意中の人にめぐり逢い…。

   ロマンと母ナタリーは妻を亡くし喪失した孤独な画家に希望を与える。

  ロマンと友達は祖母を探しながらも恋人ができたかと互いに報告しあう。

85歳と高齢の母マドレーヌ(アニー・コルディ)を老人ホームに入れたいと考えているミシェル(ミシェル・ブラン)など還暦前後の3人の中年の息子たち。

息子の一人ミシェルと、最近隙間風が吹いている妻ナタリー(シャンタル・ロビー)との関係。その息子で大学生のロマン(マチュー・スピノ)が思いを寄せるガールフレンドの行く末。これらのストーリーが同時に描かれていく。

3人の息子たちは、母マドレーヌを老人ホームに連れていき、ホームの責任者から説明を受け、マドレーヌはホームで何日か暮らすが突然、姿が見えなくなってしまう。

マドレーヌにとっては、自分のことで、まわりからこうしろああしろと言われるのは不本意なのだ。もっと自由でいたいのだ。

ミシェルが警察に母親の捜索願いのために訪れると、警察官は「そのお母さんは成人ですか?」と聞くのだった。ミシェルは「私の母ですよ」とあきれたように言う。

ここでいう成人というのは、年齢的なことではなく、老人ホームなんかには行きたくないし、心配もいらない、老いたって、私の事は私が決めるという成人(大人)の考え、尊厳を見せているのだ。

24歳の時から40年間務めていた会社を定年で退職することになったミシェル。ミシェルは、妻との関係が最近ぎくしゃくしてきていて、引退を機に会社からチュニジア旅行券をもらったことから、旅行で修復を考えている。

ところが妻ナタリーからは「離婚を考えている。若い人で好きな人ができた」とつきつけられる。ミシェルは、ガーンと内心、打ちのめされるが、自分が妻に紹介した「ヨガ教室」のインストラクターだなと決めつけて、ヨガ教室に乗り込む。そこで、いきなり、この盗人めとインストラクターにとびかかる

(ナタリーは、そのことを人づてに聞き「冗談よ。離婚はしないわ」と語っていた)

一方、ミシェルは、ロマンから聞いて、占いやアドバイスが当たるという、ある店の店主に、離婚を迫られているが、どうしたらいいかと聞くと「現在のことではなく、過去の(楽しかった)ことを思い出させること」と言われ、妻が女性仲間2,3人と話しているところに割り込み(初めてであったころのように)「マドモアゼル(お嬢さん)!」と声掛けし、ナタリーは、昔がよみがえり笑顔になって腕を組んで歩き出すのだった。)

マドレーヌの孫ロマンは、喫茶店にいるマドレーヌを探しあてる。マドレーヌはロマンが現れるのを待っていたようで、自分が小学校を過ごした学校に行ってみたいという。

ロマンが小学校に行くと、そこで教師をしていたのが、マドレーヌの夫が亡くなった時に葬儀で見かけてロマンに微笑みを返していた女性で、ロマンが探していた女性であった。

小学生たちの質問にマドレーヌが応えるという機会が設けられた。子供たちの質問は「DSってあった?」。ぴんと来ないマドレーヌ。「(任天堂の)ゲーム機ですよ」と耳打ちする先生。「電気はあった?」「電気はありましたよ」「世の中はモノクロだった?」というのが笑わせる。昔の映画はモノクロが中心だったからだ(笑)。

フランスの古い映画も話題になった。先生が「ジャン・ギャバン(「望郷」)、ルイ・ジューベ(「舞踏会の手帖」)、アルレッティ(「天井桟敷の人々」)などもみましょう」と語っていた。

様々な人間模様が、ユーモアを交えて描かれていて、後味のいいエンディングとなっていた。

<ストーリー>
パリの小さなアパルトマンに暮らし、3人の息子を育て上げ、最愛の夫と一緒にささやかだが幸せな人生を送っていたマドレーヌ。小さなホテルで夜勤のアルバイトをしている夢見がちな学生の孫ロマンは、祖母をよく理解し、2人は親友のように仲が良かった。
ある年のクリスマスの目前、夫に先立たれた彼女は、一人暮らしの母を心配する息子により、老人ホームに入れられてしまう。そこでふと自らの人生を振り返ることに。
そんなある日、マドレーヌが突然パリから姿を消した。

マドレーヌが生まれ故郷のノルマンディーに戻っていることを知った息子や小説家志望の孫は、母であり祖母であるマドレーヌの知られざる過去を知ることに…。

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ストーリーはやや誇張していえばフランス版「東京物語」のような印象(笑)。

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【蛇足】映画上映前に「上映中はおしゃべり禁止」「食べ物禁止」「撮影禁止」などNG行為の案内があるが…。

埼玉ネットワーク上映では「よくできた漫才だとしても上映中はおしゃべり禁止」とあった。

 

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