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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「三匹の侍」(1964)人気テレビシリーズの映画化。

三匹の侍」(1964)をようやく見た。1963年に始まったテレビドラマ「三匹の侍」の人気を受けて制作され、第1シリーズ放映終了後の1964年5月13日に公開。五社英雄の初監督映画。ストーリーはテレビドラマ版の第1シリーズ第1話「剣豪無宿」をベースにしている。

文政年間を舞台に、宿場から宿場へと、あてどのない流浪の旅を続ける三匹の凄腕浪人が、庶民を苦しめる権力や悪人と闘うというストーリー。

3匹のキャラが特徴的で面白い。豪放だがつかみ所のない主人公を演じる丹波哲郎クールな二枚目平幹二朗人懐っこくコミカル長門勇の個性が際立っている。

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浪人・柴左近(丹波哲郎)は、一人旅の途中に立ち寄ったある村で、折からの凶作と代官・松下宇左衛門(石黒達也)の圧政に苦しめられている百姓たちに出会う。


年貢の減免を代官に交渉しようと、甚兵衛(藤原釜足)、五作(今橋恒)ら三人の百姓が代官の娘の亜矢(桑野みゆき)を人質にして水車小屋に立てこもっていた。


最初は高みの見物を決めこんでいた左近だったが、騒動に巻き込まれる形となり、成り行きで百姓たちに加勢する。


代官は娘を取り返すため、用心棒の桔梗鋭之介(平幹二朗)らを水車小屋へ差し向けるが、左近から事情を聞かされた百姓出身の京十郎(長門勇)は寝返って百姓側につくことにする…。

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映画が公開されたのは、東京オリンピックを半年後に控えた1964年の春。世の中は、高度成長期の真っただ中で、イケイケの切った張ったのチャンバラの面白さ、カタルシスを求めていたのかもしれない。

やはり3人の中では、丹波哲郎のカッコよさが目立つ。

七人の侍」では百姓たちが侍を雇うが、百姓としては精いっぱいの握りめし(白い米の飯)を見返りに与えるというものだった。


三匹の侍」でも、百姓が、左近に茶碗一杯の米の飯を差し出すが、左近が「お前たちはいいのか」というと「オレたちは、粟になれている」というのだ。

 

人質にしている代官の娘は、百姓たちの現状を知らないので、娘に茶碗の飯を無理やり食べさせた。

残りの飯は、百姓たちが舐めるように食べていた。


百姓が、代官の娘を人質に取ったことで、立て籠っていた百姓3人を処罰しようとしたが、左近(丹波哲郎)は「娘は返す。すべての責任を自身でかぶるから3人を放免してくれ」と代官に対して申し出た。


「侍同士の約束だぞ」という左近に対して、娘を返してほしい手前、いったんは「わかった」と受け入れたが、娘が返ってくると豹変し、代官は手下によって左近に厳しい体罰を加えさせたうえで、牢獄の中の水牢に放り投げるのだった。

   「お前もバカだな」と悪態をつく用心棒・桔梗鋭之介(平幹二朗、左


当初は代官側にいた鋭之介(平幹二朗)も、百姓側に加わることになった。
左近はいう。「おぬしは損得に時間をかけすぎる」。すると、鋭之介は「おぬしは、計算しなさすぎる」というのだった。確かに、本来縁もゆかりもなり百姓のために、命を掛けたり、むち打ちで”痛い目”にあったりと割に合わない行動をとっている。


代官の娘が人質に取られたので、代官側は百姓の娘を人質に取り、人質の交換を要求してくるが、人質になった百姓の娘(香山美子)も、左近に対して、どうしてそこまでするのかを聞いていたが…。やむにやまれぬといったところなのか。

          人質となった百姓の娘(香山美子

派手なアクションとカメラの動きなどが見どころだった。壮絶な死闘の末、城主の行列を後に三人はまたいずこともない旅に出るというラストシーンもいい。どこという当てのない旅。かんざしを投げて、その方向に進むというもの。

 

三匹の侍」はテレビシリーズとして、第1シリーズ(1963年)から毎年1シリーズ、第6シリーズ(1968)まで放送された(シリーズにつき平均全26話)。

 

「DVD」にて鑑賞。

 

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