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映画「女と男のいる舗道」(1962)を見る。アンナ・カリーナの魅力。

映画「女と男のいる舗道」(1962)を見る(なぜか見逃していた作品)。

女優を夢見ながらパリのレコード店で働いているナナ(アンナ・カリーナ)。ある日、舗道で出会った男に体を売ってしまう。そこから先はあっという間の転落人生。そんな様子が淡々と、まるでドキュメンタリーのように描かれる。「全体が12景(章でなく)からなる」という言葉がある。ジャン=リュック・ゴダール監督。84分、モノクロ。

女優アンナ・カリーナは、1960年、ジャン=リュック・ゴダール監督の作品「小さな兵隊」の主演に抜擢され、翌年ゴダールと結婚。同年「女は女である」で、ベルリン国際映画祭女優賞を受賞。「女と男のいる舗道」はゴダール作品の出演3作目。


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1960年代初頭のフランス、パリのとあるビストロ。ナナ・クランフランケンハイム(アンナ・カリーナ)は、別れた夫ポール(アンドレ・S・ラバルト)と、近況の報告をしあい、別れる。ナナは、女優を夢見て夫と別れ、パリに出てきたが、夢も希望もないまま、レコード屋の店員をつづけている。

 

ある日、舗道で男(ジル・ケアン)に誘われるままに抱かれ、その代償を得た。ナナは昔からの友人のイヴェット(ギレーヌ・シュランベルジェ)と会う。

イヴェットは売春の仲介をしてピンハネして生きている。ナナにはいつしか、娼婦となり、知り合った男のラウール(サディ・ルボット)というヒモがついていた。ナナは無表情な女になっていた。

バーでナナがダンスをしているとき、視界に入ってきたひとりの若い男(ペテ・カソヴィッツ)。ナナの心は動き、若い男を愛しはじめる。そのころラウールは、ナナを売春業者に売り渡していた。

ナナが業者に引き渡されるとき、業者がラウールに渡した金が不足していた。ラウールはナナを連れて帰ろうとするが、相手は拳銃を放つ。銃弾はナナに直撃した。ラウールは逃走、撃ったギャングも逃走する。ナナは舗道に倒れ、絶命した。

  

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ゴダール&カリーナのコラボの傑作映画とされる映画をようやく見ることができた。アンナ・カリーナという女優の美しさを、その内面とともに映し出している。劇中、カール・ドライヤー監督の「裁かるゝジャンヌ」を劇場で見ながら涙を流すシーンはすばらしい。


【主な登場人物】
■ナナ・クランフランケンハイム(アンナ・カリーナ
レコード店でバイトをする女。お金に困り、娼婦となる。舞台女優になりたいと言うが、これといって強い願望や夢を持っていない。ある青年に恋をするが、それに気づいたラウールにヤクザのもとへ連れて行かれる。そして、そこでヤクザに撃たれて死んでしまう。何事にも無感情なように見える。
■イヴェット(ギレーヌ・シュランベルゲル)
ナナの友人。娼婦で、ナナにラウールを紹介する。ナナと同じような境遇を経て、売春に手を出した女。
■ラウール(サディ・ルボット)
売春斡旋業を生業にする男。ナナのヒモになる。他の男に気持ちを持ち始めたナナを、ヤクザに売り払おうとする。悪党で性格も悪い。
■ポール(アンドレ・ラバルト
ナナの元夫。ナナと言い争いをする。舞台女優になりたいというナナの夢を真っ向から否定する。
■シェフ(ジェラール・オフマン)
エリザベート(モニク・メシーヌ)
■ジャーナリスト(ポール・パヴェル)
■ディミトリ(ディミトリ・ディネフ)
■若い男(ペテ・カソヴィッツ
■ルイジ(エリック・シュランベルジェ)
■哲学者(ブリス・パラン)
■アルチュール(アンリ・アタル)
■最初の客(ジル・ケアン)
■カフェのウェートレス(オディル・ジュフロワ)
■警官(マルセル・シャントン)
■映画館のなかの男(ジャック・フロランシー )

www.youtube.com


アンナ・カリーナは2019年12月14日、癌のためパリで死去(79歳没)。

※動画配信U‐NEXTで鑑賞。

 

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