「ダンシング・トライブ」(原題:La Tribu(英:Trive「部族」)、2018)を見る。スペイン映画。大失態動画がネットに出回り、職を失い、恋人や家族から見放された元エリート。車にぶつかり、記憶まで失くした彼は、生みの母とそのダンス仲間に助けられ、新たな人生を歩み出す。
舞台となってるのは、バルセロナの北にあるバダロナという海辺の町。
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フィデル(パコ・レオン)は、大手企業のエリート人事部長だったが、300人もの社員の首切りを実行。ところが、フィデルの失態動画がネットに拡散されて、自身も会社を辞めざるを得なくなる。
フィデルがコーヒーショップにいると、店の店員がフィデルの顔に気づいて、頭に水をかけてきた。その店員は、フィデルによって会社を解雇された一人だった。
フィデルを16歳で生んで以来、30数年間、母親バージニア(カルメン・マチ)は、ずっとフィデルと離れ離れに暮らしていたが、フィデルの消息を知って訪ねてきた。
フィデルは、いまさら用はないと拒絶するが、フィデルの母親は機嫌を取ろうとするが、そんな折、フィデルが母親の目の前で車にぶつかって一時意識不明になり、記憶喪失になってしまったのだ。病院で目覚めると、自分の名前も忘れ、言葉もはっきりと話せなくなり、意思疎通が難しくなってしまった。
バージニアは、フィデルを自宅に連れていき、いい年をしているが1年間も無職の二人の息子たちと部屋をシェアして同居するように、勧める。無職で遊び惚けている二人の息子は猛反対するのだが…。
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母親バージニアは、清掃会社に勤めているが、趣味として女性ばかりのダンス教室に通っていて、気晴らしにフィデルをダンスの見学に誘う。
バージニアはフィデルにダンスを勧めるが、関心はなかったが、フィデルは一人の女性に目が行く。その女性を気に入ったようで、母親に「あの女性は参加しているのか」と聞くとその女性は、ダンスのコーチだったので、参加しているというと、自分もやってみるという。
バージニアの息子たちの紹介で、テレビ局のカメラがダンス風景を撮影のためやってきた。
いざ、ダンス・コンテストに出陣(下写真)。
ママさんたちの女性ばかりのダンスだったので、男性の参加は大いに歓迎される。
実は、フィデルは、かつてダンスの経験があり、うまく踊れるので、周りは驚いてしまい、テレビ放映されるダンスのグループの対抗試合にでることになる。
あの醜態をさらした自分がテレビに映ることに抵抗はあったが、母親から「現実から逃げないで!」という言葉があり、参加することにした。そして、フィデルのグループは優勝してしまう。
会社を首になった元社員たちもテレビを見守る中で、フィデルのスピーチは、これまでの自分のやってきたこと、強硬な人員削減などを強く反省していることなどを率直に語り、会場の来場者や、テレビ視聴者に感動を与えることに。
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ダンス・シーンがカッコいいのが見どころ。フィデルの母親バージニア役の女優がぽっちゃりした女優で、なかなかいい。日本の歌手カルメン・マキの名前に似たカルメン・マチという女優だ。90分という長さがちょうどいい、気楽に見られる映画だった。
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