Netflixオリジナル韓国ドラマ「イカゲーム」が、注目を集めている。第1話〜4話(続けて最終9話まで)を見た。アメリカの視聴ランキングでは、韓国作品として初の1位を獲得したほか、世界中でランキング1位を記録。1.4億視聴を越えたという。これは、Netflix配信の作品では過去最高の記録だという。
「イカゲーム」は、借金などで生活に困窮した数百もの人々が、賞金456億ウォン(約43億円)を賭けて命懸けのデスゲームに挑むという作品。この設定は藤原竜也主演で映画化もされた、人気漫画「カイジ」などでお馴染み。
【ストーリー】
定職もなく、借金だらけの47歳のソン・ギフン(イ・ジョンジェ)。妻とも別れ、娘とも会うことはままならない。娘の誕生日のプレゼントを買うために、年老いた母親のお金に手を出すが、結局はギャンブルにつぎ込み、そのお金も盗まれてしまう。何をやってもうまくいかない。
そんなとき、地下鉄のホームでスーツ姿の謎の男から名刺を渡される。新興宗教かなにかの勧誘だろうと断ると、勝てば大金が入るという「イカゲーム」への勧誘だったのだ。疑心暗鬼ながらも借金だらけのギフンはそのゲームに参加することになる。
目隠しをされ、どこに連れてこられたのかもわからぬまま緑のジャージに着替えさせられた参加者は456名。老若男女の参加者の中には、ソウル大学出のエリート証券マンの幼なじみ、チョ・サンウ(パク・ヘス)もいた。
そして、第一のゲーム「だるまさんが転んだ」が突然開始された・・・。参加者が動けるのは「だるまさんが転んだ」という言葉が発せられている間だけ。そのあとに動きがあると、銃で射殺されるという凄まじさ。
ゲームは昔懐かしい子ども時代の遊びをモチーフにしていて、全部で6つある。すべてクリアすれば456億ウォン(約43億円)を入手できる。
しかし、それは「最後まで残る人が勝者となること」を意味していた・・・。
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「イカゲーム」には、韓国の子供たちが遊ぶゲームが登場する。日本でも共通の「めんこ」「ビー玉」「だるまさんがころんだ」(韓国では「ムクゲの花が咲きました:ムグンファコチピオッスムニダ」)などだ。
タイトルのイカゲームは、丸(○)と三角(△)と四角(□)を組み合わせたイカのような図形を地面に描き、相手の陣地に攻め込んで行くゲーム。エリアによって両足が使えるところと片足しか使えないところがあり、敵味方に分かれて手で押したり引いたりといった攻防をしながら戦う。
韓国では駄菓子として知られる「ダルゴナ」という、砂糖を熱して溶かし、重曹でふくらましてから潰して固めたものが登場する。日本の「かるめ焼き」だ。単純な模様が型押しされていて「イカゲーム」ではその形を崩さぬように型抜きをするゲームのシーンがある。 ダルゴナといえば韓国の「ダルゴナコーヒー」が日本でも話題になった。
団体戦の「綱引きゲーム」などは、負けると数十メートルも下に落下して死ぬという凄まじいゲーム。
綱引きに負けると、数十メートル下に落ちて即死が待っている。
10人のグループ分けで対戦するが、主人公たちのグループは、老人と女性が複数いて、力では負けることが目に見えていたが、老人が若い時に綱引きで連戦連勝を記録してきた経験からある戦略を皆に告げる。参加者の中には、そんな無茶なという悲鳴声もあったが、リスクを伴うその戦略を実行してみると・・・。
ドラマに登場するのは、ソウル大学卒のエリートだったが先物取引の失敗で莫大な借金を背負ってしまったギフンの幼馴染みのチョ・サンウや、脱北者のカン・セビョクなどがいた。韓国では、脱北者に対して最低限の社会保障はあるものの、それだけで過酷な競争社会を生き抜いていくのは難しいという。
脱北者は、何か理由があって南に来たのではとスパイ行為を疑われ、四六時中監視されているという。カン・セビョクも一緒に脱北した幼い弟と暮らすために、大金を得ようとゲームに参加していた。
「イカゲーム」は、お金に窮した人間と、お金があり余って退屈している人間がデスゲームをする話。これは「資本主義社会の縮図」という見方もできる。「パラサイト 半地下の家族」と同様だ。
今の韓国社会は、学歴社会で大卒というだけではいい仕事に就けない人もいるほどで、学歴もない脱北者の生活は厳しいようだ。
凄まじい殺人ゲームが描かれ、心臓が弱い人は要注意。心臓バクバクというのは「ミッドナイト・エクスプレス」以来かも知れない(笑)。
追加:シーズン1(全9話)見る。参加者は1番〜456番までいるが、第1番を演じた老人オ・イルナム(オ・ヨンス)の演技には泣かされた(第6話)。が、この人物、あとに大どんでん返しがあった。
「続編」があることを匂わせたエンディングだった。