ネットフリックスの日本発信映画として最大規模のヒット作品「全裸監督」(シーズン2、全8話、2021)を見終わった。驚かされるのは1990年前後の背景のリアルな再現。
渋谷スクランブル交差点のシーンの撮影は、ゲリラ撮影を行ったわけでもなく、そっくりのセット(栃木県)が使用された。その再現性のすごさには驚かされる。もっとも、今の渋谷は再開発が進んでいて、30年、40年前の昔の面影がなくなってきている。
使用されたセット・スタジオは、もともとは2019年、妻夫木聡出演の映画「唐人街探偵3」の撮影のために建設された。同じネットフリックス・オリジナル作品「今際の国のアリス」にも登場したほか、2020年公開の映画「サイレント・トーキョー」の撮影にも使われた。
撮影後にスタジオは解体される予定だったが、利用を希望する声も多く存続が決定したという。栃木スタジオシティプランニング(伊勢町)が運営し、2020年6月30日、使用が始まった。
スタジオは1.5ヘクタール(1万5000平方メートル)の敷地にスクランブル交差点を再現し、改札や公共看板、道路脇の落書きまで精巧に表現している。そして、今回「全裸監督 シーズン2」の撮影にも使われた。
↑これすべてセット撮影。
栃木県足利市にあるセット風景。
シーズン2第1話の冒頭に登場する、村西が渋谷のスクランブル交差点の交番前で演説するシーンも、当初は新宿都庁前でのロケ―ション撮影を敢行する予定だったが、コロナの影響もあってイメージする規模での群衆シーンを撮影するにはロケーションを変更するしかなかったという。
社会党党首(当時)土井たか子(そっくりさん)が選挙演説をする光景が出てきたリ、「埼玉銀行」の看板が出てきたリ(現・埼玉りそな銀行)、80年代、90年代のファッション、巨大な衛星受信アンテナなどが登場する。
地下鉄の地下道などもごみごみした雰囲気が出ている。当時ロードショー公開されていた映画(「羊たちの沈黙」など)のポスターも見える。
シーズン1では、村西監督の栄光、シーズン2では、挫折と凋落ぶりが描かれ、前作とは全く異なったテイストの映画だが、最後にかすかな未来も垣間見せている。
出演者の俳優の本気度が半端なく伝わってくる。特に女優陣が目立っている。
海岸に転がっている石ころでも巧みなセールステクニックで売りこみを見せる村西。
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「全裸監督2のお知らせ」と題して、村西とおる(山田孝之)が政見放送に模したしゃべりで「シーズン2」を見るべきとPR動画で訴えている。その隣では、黒木香役の森田望智(みさと)がただくねくねしている(笑)。
*1:ここに脚注を書きます