「善き人に悪魔は訪れる」(原題:No Good Deed、2014)を見る。タイトルに興味を引かれ見た。
二重人格、多重人格のサイコスリラー映画としては、
この数年の映画ではもっともスリリングで面白かった。
ハラハラさせられる。
ネットフリックスに加入していて、みるかもしれないという人は「おもしろそうだ」と思うだけで、以下はスルーしてください(笑)。まぁ、細かいところは省略はしていますが。
監督はサム・ミラー。出演は「パシフィック・リム」のイドリス・エルバ、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたタラジ・P・ヘンソン。
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コリン・エバンス(イドリス・エルバ)は数人に対する過失致死罪で懲役15年を言い渡されているが、5年おきに「仮釈放聴聞会」が開かれ、その都度、減刑&釈放が決められることになっている。
仮釈放聴聞会で、エバンスは5人の人物の前で反省の念を述べ、謙虚に振る舞う姿には、知性さえ感じさせられた。
このまま仮釈放になるかと思われたとき、委員の一人が「彼は、口先だけで真に反省はしていません。釈放されたくて謙虚に振る舞っているだけだ」と指摘。「エバンスは嘘が上手い。昔から暴力沙汰を起こすことが多く、ナルシストでプライドが高い。彼の凶暴性は消えておらず、自制心も養えていない」と減刑も仮釈放も見送られることになった。
結局、聴聞会は、また5年待たなければならなくなった。帰りの移送車でエバンスは、鼻血が出たと言って見張りのリードを接近させ、倒して銃を奪うと、運転手とリードを殺して逃亡しまうのだった。
2人の子と夫を持つ専業主婦・テリー(タラジ・P・ヘンソン)の家に、嵐の夜、スリップ事故を起こした男性の訪問者があった。最初は警戒していたテリーだが、相手が礼儀正しく紳士的であったため、警戒を緩めて家の中に招き入れる。
しかしそれは仮釈放が叶わず護送車を襲って脱走した、殺人犯コリン・エバンスだった。エバンスは礼儀正しく振る舞うことでテリーの信用を得たが、テリーの女友達・メグ(レスリー・ビブ)が来たことでバランスが崩れる。
怪しまれたエバンスはメグを殺し、子どもたちを人質に取るとテリーに運転させ、車で移動した。移動先はエバンスの元婚約者・アレクシス(ケイト・デル・カスティーリョ)宅。
アレクシスはテリーの夫・ジェフリー(ヘンリー・シモンズ)と浮気しており、エバンスはそれをテリーに見せたかった。エバンスはテリーの返り討ちに遭い、死んでしまう。テリーはジェフリーと離婚して第二の人生を歩み始めた。
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凶悪殺人犯人が脱走してある屋敷に、電話を借りたいという口実で立ち寄り、人のいい居住者が携帯電話を貸し、嵐だったことと、顔に傷を追っていたこともあって、家の中にいれる。いつ凶悪人物が、その本性をあらわにするのか、見ている側は、ハラハラのし通し(笑)。
そこからの展開は、だんだんと緊迫していく状態に変化していく展開がおもしろい。凶悪犯は、電話で「事故救援車」を呼んだそぶりを見せていたが、ついに裏の顔を現して・・・。
ラストの20分は、宣伝文句ではないが手に汗握る結末へ。
専業主婦・テリーは、実は結婚する前は、殺人事件などを担当していた敏腕弁護士だった。凶悪人物に対する不審感を募らせ、赤ん坊と、幼子の二人の子供をいかに守り抜くかに集中していく。このあたりの格闘は見ごたえ十分。
テリーの夫も弁護士だが、凶悪人物の元カノと浮気をしていたことが発覚。テリーの夫の言い訳が「愛しているのはお前だけだ。カノジョとは体の関係だけだ」というのには、さすがのテリーも逆切れし平手打ち!
テリーは、ダメ夫を捨てて、子供二人とお引っ越し、新生活をスタートする。
☆☆☆(ネットフリックスのお勧め作品!)