ポール・バーホーベン監督の「ブラックブック」(2006)は、サスペンスとして実に面白く、はじめて見た主演のカリス・ファン・ハウテンがその”クラシックな”美貌で、魅力的だった。何度も書いている気がする(笑)。
スエズ動乱直前のイスラエルで教師をしている主人公エリス(カリス・ファン・ハウテン)は、オランダから観光に来ていた女性と再会して戦争時代のつらい思い出を振り返る。
オランダのドイツによる占領中、エリスは隠れ家でひっそりと暮らしていた。ある日、隠れ家が爆撃されたため、離れ離れになっていた家族とともにまだ占領されていない地域へ船で逃げたのだが、突然現れたドイツ兵に襲撃され家族を皆殺しにされる。
復讐を誓うエリスは助けてくれたレジスタンスに加わり、ユダヤ人である事を隠してドイツ軍に潜りこんでムンツェ大尉の秘書としてスパイ活動を始める。
エリスの名をラヘル・シュタインに変え、髪を金髪に染め、ドイツ人になりきったはずだが、大尉は疑り深く、果たして騙し通すことが出来るのか、スリリングだった。
「ユダヤ人ではないのか。俺の目はごまかせないぞ」という大尉に、下着を脱ぎ捨て、アンダーヘアも見せる潔さ!だった。
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「ロボコップ」「トータル・リコール」「氷の微笑」などのポール・バーホーベン監督が、祖国オランダに戻って撮った作品で、カリス・ファン・ハウテンは、バーホーベン監督のミューズ(女神)となった。
カリス・ファン・ハウテンは、この映画のあと、トム・クルーズ主演のブライアン・シンガー監督「ワルキューレ」(2008)などに出演した。