「昼顔」
フランスの俳優ミシェル・ピッコリが死去した。94歳だった。遺族が18日、明らかにした。ミシェル・ピコッリは、過去半世紀で最も個性的であり多才な役者の一人とされ、アート系作品などの伝説的存在で、生涯で150本の映画に出演した。
スペイン生まれの巨匠、ルイス・ブニュエル監督の作品では「昼顔」「ブルジョワジーの秘かな愉(たの)しみ」など6作品に出演。
紳士的な風貌によりフランス版ケイリー・グラントとも称された。広い額と太い眉、いたずらっぽい笑みで、女性を誘惑する男性から警察官、ギャング、ローマ法王まで容易に演じ分けた。
フランス版アカデミー賞と呼ばれる映画賞「セザール賞」では、ルイ・マル監督作品「五月のミル」や、ジャック・リヴェット監督作品「美しき諍い女(いさかいめ)」などで4度ノミネートされた。1980年のカンヌ映画祭では、マルコ・ベロッキオ監督作品「虚空への跳躍」で男優賞に輝いている。
「軽蔑」(1963)でブリジット・バルドーと共演したほか「獲物の分け前」(1966」ではジェーン・フォンダと共演。「昼顔」(1967)と「ひきしお」(1972)ではカトリーヌ・ドヌーブと「すぎ去りし日の…」ではロミー・シュナイダーといった女優と共演した。
1925年12月27日生まれで、同じフランス俳優のアラン・ドロン(1935年11月8日生まれ)よりもちょうど10歳年上ということになる。
ご冥福を祈ります。