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<span itemprop="headline">映画「赤ひげ」(1965)再見。</span>



赤ひげ」(1965)を1970年代にリバイバルで見て以来40年ぶりに再見した。
3時間5分(1時間50分で「休憩」が入る)という長さをまったく感じさせず、今見ても普遍的で色あせない人間讃歌のヒューマンドラマという印象。

山本周五郎原作の赤ひげ診療譚を基に、巨匠・黒澤明監督が三船敏郎加山雄三主演で映画化
 
主役は”赤ひげ”先生を演じている三船敏郎というよりも、”頭でっかち”でオランダ医学を学んで、意に反して養生所に派遣された青年医師を演じた加山雄三
 
映画は、青年医師が養生所に入る後ろ姿で始まり、養生所の門の前で終わる。
物語もこの青年の視点で描かれていて、赤ひげ医師の生き方を通して、青年が成長する物語となっている。赤ひげ医師のセリフは、医師の役割、限界、病気の原因など今でも通用するような普遍性のある味わいのあるセリフが多い。
 
一度目に見たときは、赤ひげのどっしりした存在感と、チンピラやくざを格闘技のように次々に倒すアクションが印象に残ったが、医者のあり方や、病気の根本要因が貧困と無知から起こることなどを、人情と人間味あふれる赤ひげを通して描いていることが伝わってきた。



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江戸時代の小石川養生所を舞台に、そこを訪れる庶民の人生模様と通称赤ひげと呼ばれる所長三船敏郎と青年医師・安本(加山雄三の心の交流を描く。長崎でオランダ医学を学んだ青年・保本登は、医師見習いとして小石川養生所に住み込むことになる。養生所の貧乏くささとひげを生やし無骨な所長・赤ひげに好感を持てない保本は養生所の禁を犯して破門されることさえ望んでいた。しかし、赤ひげの診断と医療技術の確かさを知り、また彼を頼る貧乏な人々の姿に次第に心を動かされていくのだった・・・(allcinema)。
 
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主人公の青年、保本登(加山雄三)が小石川養生所へ続く坂を上り、養生所の門をくぐっていく後姿の場面から映画が始まる。



保本は3年間の長崎への留学を終えて、幕府の御番医になる希望に燃えて江戸に戻って来た。オランダ医学を修め、戻れば父の友人である天野源伯が推薦し、幕府の医療機関への出仕と源伯の娘で許嫁(いいなづけ)のちぐさ(藤山陽子)と結婚するはずであった。

しかし、ちぐさは保本の遊学中に他の男と恋仲になり、子供まで生んでいた。
そして幕府の医療機関として配置されたのは小石川の施療所(養生所)であった。自分の知らない間に養生所の医師として働くように段取りがつけられていたのだ。 
                
納得できない保本だったが、幕府からの辞令であるため何もできず、小石川養生所の所長で通称・赤ひげと呼ばれている新出去定(にいで・きょじょう三船敏郎)に会うために養生所を訪れた。

江戸に帰れば御目見の席が与えられるはずであると思っていたが、しかしその門の前に来た時に、まさかこんなところへ自分が押し込められるはずがないと彼は思った。


初めて会った時に、赤ひげは鋭い眼つきでじっと見つめ、決めつけるように
安本に言った。「お前は今日から見習いとしてここに詰める」。

この日から医員見習いとして養生所に住み込んだ。保本は全く不服で、酒を飲み、御仕着も着ず、出世を閉ざされた怒りをぶちまけて赤ひげの手を焼かせるのであった。

保本は養生所内の薬草園の中の座敷牢に隔離されている美しく若い女狂女:香川京子)を見た。店子を三人も刺し殺したというがぞっとするほど美しい女った。


赤ひげが不在中の夜に、この女が
保本の部屋に忍び込んでくる。何人もの男を殺した娘と知りながら、たとえようもない美しさに惑わされ隙を見せた時に、知らない間にこの女が袖を回して気がつくと着物の袖で羽交い絞めにされて殺されかけたが、間一髪で赤ひげに救われた。

赤ひげは「この女は、カマキリ娘だ。交尾した後オスを食べてしまう。店のものを3人殺した。カンザシでグサッと。生まれつきの色情狂だ」。

怪我を負った保本を赤ひげは叱らず「お前は酒に酔っていたんだ。それに男は、きれいな女に弱い。恥じることはないが、懲りるだけは懲りろ」と治療に専念する。


そして女人の手術に立ち会い、まだ麻酔が無い時代での開腹手術で手足を固定されて、泣き叫び、血が飛び、腸が出てくる余りの凄まじさに
安本は失神してしまう。

危篤状態の蒔絵師の六助(藤原釜足)の病状を診て、病歴から胃癌であると安本が言うとオランダ医学の専門用語「大機里爾」という言葉を使って赤ひげは「違うぞ。この用語はお前の筆記にもちゃんと使っているぞ」と言われて、安本はぐうの音も言えず、自分の不甲斐なさを知る。

赤ひげは「医術といってもあらゆる病気を治すことはできない。その医術の不足を補うのは貧困と無知に対する闘いであると諭し、そして「病気の影には、いつも人間の恐ろしい不幸が隠れている」と語る。

六助が死んで、娘おくに(根岸明美)から六助の不幸な過去を聞いて安本は、改めてその死に顔を見ながら不幸を黙々と耐え抜いた人間の尊さを知り、醜いと感じた自分を恥じた。むじな長屋で死んだ車大工の佐八(山崎努)とおなか(桑野みゆき)の悲しい恋の物語を佐八の死の床で聞いて胸に迫るものを感じていた。

安本は、御仕着を着るようになり、そして赤ひげの往診に同行するようになった。
やがて松平壱岐守(千葉信男)から五十両、両替屋の和泉屋徳兵衛(志村喬)から三十両と実力者から法外な治療代を受け取る赤ひげに驚くが、裏長屋にすむ最下層の人間たちの治療費に充てる赤ひげは、社会が貧困や無知といった矛盾を生み、人間の命や幸福を奪っていく現実に怒り、貧困と無知さえ何とか出来れば病気の大半は起こらずにすむと語った。


赤ひげは、用心棒たちから12歳のおとよ(二木てるみ)を救い出し、おとよは身も心も病んでいるからお前の最初の患者として癒してみろ、とおとよ安本に預ける。おとよは恐ろしく疑い深く、高慢で他人を寄せ付けない娘だった・・・(Wikiより一部抜粋)。

・・・
安本は、赤ひげの言葉とふるまいを見て、「先生は名医だ。世の中にはああいう人もいるんだ」と、もはやかつての不平不満ばかりを並べる人間ではなくなっていくところがみどころ。今自分を裏切ったちぐさでさえ快く許せるまでに成長していた。



そしてちぐさの妹であるまさえ(内藤洋子)と夫婦になることとなり、その内祝言の席で、天野源白の推薦で幕府のお目見得医に決まっていたが、小石川養生所で勤務を続けたいとまさえに言い、彼女の気持ちを確かめるのだった

安本赤ひげと小石川養生所へ続く坂を上りながら、自身の決意を伝える。
赤ひげは自分が決して尊敬されるべき人物でなく、無力な医師でしかないと語り、安本の養生所に掛ける情熱に対して反対するが、安本が諦めないので、最後に赤ひげは安本に「後悔するぞ。もう一度言う。お前は必ず後悔する」と何度も語り、忠告する。



安本は「試してみましょう」と答える。赤ひげは安本に背を向けて小石川養生所の門をくぐっていく。安本はその後を追っかけて行く。その上の大きな門はちょうど、二人の人間がしっかりと手をつないでいるかのようにも見えて未来を暗示してい

最初に来た時はこんなところへ押し込められるのかと思った安本だったが、この時には素晴らしい門だと思うのだった



ベテラン俳優・女優のほか、二木てるみ頭師佳孝(ずしよしたか)など子役たちがすばらしい。安本(加山雄三)の両親に田中絹代笠智衆が扮しているほか、志村喬杉村春子東野英治郎土屋嘉男香川京子、団玲子、藤原釜足山崎努桑野みゆき、根岸明美左卜全渡辺篤菅井きん、内藤洋子、千葉信男、西村晃、風見章子などが脇を固めている。

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