「ミッション:インポッシブル(M:i)」シリーズのトム・クルーズをマット・デイモンに置き換えたような超が付くスケールのミステリー・アクション映画。
”アクションに次ぐアクション”で、数十台の車が次々に横転、吹き飛ばされる迫力。
マット・デイモンが最強の暗殺者、ジェイソン・ボーンを演じたシリーズ前3作の流れを継ぐサスペンスアクション。すべての記憶を取り戻したはずのボーンが、自身の家族を巡る謎や、新たな敵に挑む姿を描く。トミー・リー・ジョーンズらが新たに加わり、シリーズ2作を手がけたポール・グリーングラスが監督を務める。
SWAT(Special Weapons And Tactics=特殊火器戦術部隊)の重装備トラックとダッチ・チャージャーの追跡シーンは、かの「ブリット」や「フレンチ・コネクション」のカーチェイスをもしのぐ迫力だった。何十台の車を破壊、ポンコツにしたのか。ダッチ・チャージャーはスティーブ・マックイーンが主演した1968年の映画「ブリット」に登場して、マックイーンが運転するマスタングGT390とカーチェイスを演じて一躍有名になった車。
ハイテクを駆使した頭脳戦、心理戦といった趣もあり、元CIAのボーンが、かつて父親が殺されたのがテロのせいだとされてきたが、実はCIA関係者の誰かに殺されたことを突き止め、真相を探ろうとする話。”ボーン”シリーズは、これまで2-3本見たが「ミッション:インポッシブル」ほど魅力を感じなかったシリーズ。主人公のボーンが記憶を失って、という謎が多い映画で、あまりストーリーがよくわからなかったが、今回の映画で、謎が明かされた。
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CIAの極秘プログラム“トレッドストーン計画”(※)によって生み出された暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)。記憶を取り戻した彼が消息を絶ち何年もの歳月が経過したある日、世間から姿を消して生活していたボーンの元にCIAの元同僚であるニッキ―(ジュリア・スタイルズ)が現れる。ニッキーは、CIAが世界中の情報を監視・操作する事を目的とした極秘プログラムが始動したという情報を告げ、さらにボーンの過去にまつわる衝撃的な真実を明かす。
それはボーンにとって新たな戦いの始まりを意味していた。ボーンは再び姿を現し、追跡を任されたCIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)は、彼が最も求めているものを提供すれば、再度CIA側に取り込めるのではないかと考え始める。しかし“史上最も危険な兵器”であるボーンは、追跡者が想像すらできないある目的を持って動いていた・・・(MovieWalker)。
※「トレッドストーン計画」がなにかを理解していないとわかりにくい。
「アルティメイタム」の終盤では回想シーンとして、長時間無睡眠状態にさせられたボーンが、拘束されている男を命令に従って拳銃で撃ち殺し、これをもってこれまでのウェッブとはもはや別人の工作員になったと認められる場面がある。ジェイソン・ボーンという名前はウェッブに与えられた偽名の一つであり、それ以外にも作戦に応じて多数の偽名を持っている。
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CIAの旧弊を改革しようとする若いCIAエージェントのヘザー・リーを演じるスエ―デン出身の女優・アリシア・ヴィキャンデルは、見たことがあると思ったら、「コードネーム U.N.C.L.E.(アンクル)」(原題: The Man from U.N.C.L.E.)に出演していた。
ナタリー・ポートマン似で、CIAの中では、現在の長官(トミー・リー・ジョーンズ)の部下だが、古い体質の元凶ともいえる現長官には、心底では従えないと思っていて、情報長官を次期長官に押して、「もし信頼できる部下が必要なら指名してほしい」という。「もし断れば、私の持つ情報を他の機関で生かすこともできる」というところなどしたたかだった。
映画のテーマになっているのは、個人情報の保護とは真逆のCIAによるすべての人間の行動を監視するシステムを構築するというもの。追尾システムで、どこにいても監視されるという、怖い話でもある。また、CIAは国家の安全という建前で、何百人も殺人を犯してきたという事実もさらっと描かれている。
舞台はベルリン、中近東、ロンドン、ラスベガスと目まぐるしく変わるが、ラスベガスを舞台にしたカーチェイスは最大の見どころで、道路を逆走して、対向車を次々に破壊していく重装備トラックの迫力たるや。Bally'sホテルに最終的には突っ込んでしまうのだが・・・。
車のハンドルさばきは、F1レーサー並み。
トミー・リー・ジョーンズは「BOSS」缶コーヒーのCMだけでなく、ときどきスリラー、サスペンス映画に出て、今回のようなCIA長官や、警察署長、組織のトップなどを演じて渋さを見せている。
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