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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「バチカンで逢いましょう」(2012、日本公開2014)</span>



バチカンで逢いましょう」(原題:Omamamia、2014) は、イタリアのローマとバチカンを舞台にローマの休日」(1953)をはじめ、様々な名作の舞台となったその街で繰り広げられる、愛と感動、涙と笑いのハートウォーミングな物語。タイトルだけは知っていたが、予想以上に面白かった。言語は、ドイツ語。

主演は、パーシー・アドロン監督の「バグダッド・カフェ」(1987)で映画ファンを虜にした女優マリアンネ・ゼーゲブレヒト。マリアンネが、さらに元気に、驚くほど魅力的なおばあちゃんになってスクリーンに帰ってきた。

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カナダ・オンタリオ。夫・ロイズルを亡くしたマルガレーテ(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は、娘たちとの同居も老人ホームへ行くのも拒否し、ローマ法王教皇)に会うためにたった一人でバチカンに向かう。

その目的は、法王に面会して、40年間でただ一度だけ過ちを犯したことの重荷を取り除き、法王から赦しを得ることだった。勇んでバチカンに到着したものの、「一般謁見(えっけん)」として大勢で同時に謁見は可能だが「個別謁見」は、不可能といわれる。

個別で謁見できるのは有力な政治家や、スターといわれる一握りだけの人たちだというのだ。 果たして、マルガレーテは、ベネディクト法王に個人的に謁見できるのか・・・?

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はじめてのローマ。マルガレーテはそこでイタリア人の恋人と同棲中の孫娘マルティナ(ミリアム・シュタイン)の部屋に転がり込む。バチカンに向かったマルガレーテはイタリア人の老詐欺師ロレンツォ(ジャンカルロ・ジャンニー二)と出会う。



ロレンツォも他人には明かせない人生の秘密を持っていた。
マルガレーテは持ち前のバイタリティでローマの廃業寸前のドイツ料理店のシェフとなって店を復活させる。その評判は法王庁にも届き、やがて法王のためにドイツ菓子カイザーシュマーレン作りを依頼されるまでになる・・・。

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映画の中でマリアンネ演じるマルガレーテは、親しみを込めて“オマ”と呼ばれている。これはドイツ語で「おばあちゃん」の意味。マルガレーテが作る“シュニッツェル(カツレツ)”や庶民的なパンケーキである“カイザーシュマーレン”など、見るからに美味しそうなドイツのバイエルン料理は見どころ。

マルガレーテと不思議な運命の出会いをするイタリア人男性ロレンツォには、ルキノ・ヴィスコンティ監督の遺作「イノセント」(1975)などのイタリア屈指の名優ジャンカルロ・ジャンニーニ



マルガレーテの娘マリーには、ドイツの映画、テレビで活躍する人気女優アネット・フィラー、孫のマルティナには「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~」(2010)でヒロインを演じたミリアム・シュタイン

マルティナのイタリア人の恋人シルヴィオには、エルマンノ・オルミ監督の「ポー川のひかり」(2006)に主演したラズ・デガン

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ドイツ南部の代表的なデザートがカイザーシュマーレン(Kaiserschmarrn)。
料理内容は簡単で、卵は卵黄と卵白にわけ、卵白はメレンゲにし、粉と砂糖、牛乳、卵黄などを混ぜあわせ最後にさっくりメレンゲを混ぜ、溶かしたバターのフライパンでパンケーキを焼く。焼きあがったものを一口サイズに崩して、好みによりレーズンや、アーモンドなどを入れ、バニラ・シュガーをかけまわしカラメリゼさせて、中はしっとり外はカリッと仕上がり、皿に盛って粉糖をかけて出来上がり。

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監督は、トミー・ヴィガントで、ローランド・エメリッヒ監督の初期作品を支え、その後監督として「飛ぶ教室」(2003) などのヒット作を手掛けている。音楽は「素粒子」(2006)「デザート・フラワー」(2009)のマルティン・トドシャローヴ。本作は、ドイツ映画界の一流スタッフの確かな技術によってささえられた一級のエンタテインメント映画となっている。

いろいろなエピソードがコミカルで面白い。
いかにもドイツ人のおばさんというような、太っちょのオマ・おばあさんが、ベネディクト法王は同じドイツ・バイエルンの出身だから会ってくれるはずと軽く考えているところもおかしいが、イタリアのドイツ料理店の雇われ店主は、「ドイツ料理なんて犬も食わない!」と暴言を吐くようなまるでやる気のないシェフ。

オマの出番というわけ。得意のバイエルン料理を作り店はたちまち大繁盛。
その料理の評判は、バチカンにも届くことに。

ローマの休日」の王女と新聞記者の再会のようなシーンは感動的。
あることで、法王が、オマの行動で、誤って危険にさらされたことがあったのだが、法王は覚えていて「あの時の・・・」だった。そして、「今回のカイザー・シュマーレンの料理は”ペッパー味”ではなかった!」という一言が効いている。これは初めて会った時のペッパースプレイを誤って法王にかけてしまったことへの法王のユーモアのある言葉だったのだ。

   予告編

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