邦題のライトだけでは、明かりなのか権利なのかわからないがRiteは宗教的な儀式のこと。実際起きた出来事の映画化であるといい、テーマは副題にあるようにエクソシスト(悪魔祓いの祈祷師)について描いている。
日本では馴染みのないテーマだが、バチカンでは、エクソシスト養成講座があること、映画の最後に説明が流れるが、アメリカにはエクソシストが14人いて、この映画の主人公、マイケルもその一人で、現在もシカゴ近郊に住んでいるという。マイケルがローマで出会うルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)も2,000回以上悪魔祓いを行って、現在もイタリア・フィレンツェ郊外で活動を続けているという。
このルーカス神父は極めて穏やかな”普通の”表情だが・・・。
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もともと葬儀屋の息子で、信仰を見失ったアメリカの神学生マイケル(コリン・オドナヒュー)は、大学の卒業を間近に控えたが、司祭になる道を捨てようとしていた。しかし、恩師に引き止められてローマに渡り、バチカンのエクソシスト養成講座を受け始める。
16歳の少女の儀式に立ち会ったマイケルは、悪魔の存在を疑う。マイケルが思ったのは、少女は悪魔にとりつかれているのではなく、精神を病んでいるのであり、精神科医に診てもらうべきだと考えた。
しかし、マイケルを待ち受けていたのは、そうした疑惑を完璧に打ち砕くような、数々の恐るべき出来事だった・・・。
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1973年の「エクソシスト」(原題:The Exorcist)は、少女に憑依〈ひょうい)した悪魔と神父の戦いを描いたオカルト映画の代表作だが、多分にこの映画の影響を受けているようだ。あるいはオマージュ的な表現も出ている。
少女に憑依した悪魔に対する苦しみかたなど「エクソシスト」を彷彿とさせる。「エクソシスト」では、少女〈リンダ・ブレア)の首が180度回転し、緑色の反吐〈へど)を吐くシーンがあるが「ザ・ライト」では、太い釘が口の中から何本も出てくる。
そこでルーカス神父がマイケルに言うセリフは「首が回り、緑の反吐が欲しいか」というものだった。
この映画の見所は、”ハンニバル・レクター博士”並みのアンソニー・ホプキンスの恐ろしい、迫力ある表情だ。悪魔祓いのつもりが悪魔に乗りうつられる姿が凄まじい。
アメリカ人のマイケルが、ローマで「マクドナルド」の「M」の看板を見てホッとした表情をすると、地元の悪魔祓いに関して取材中の女性記者が、「ローマにいるのにマック?イタリアン・コーヒーをどう」という何気ないセリフも面白い。
■キャスト・スタッフ
ルーカス:アンソニー・ホプキンス
マイケル:コリン・オドナヒュー
イシュトヴァン:ルトガー・ハウアー
アンジェリーナ:アリシー・ブラガ
ザビエル:キアラン・ハインズ
監督:ミカエル・ハフストローム
製作総指揮:リチャード・ブレナー、メリデス・フィン、ロバート・ベルナッキ
原作:マット・バグリオ
脚本:マイケル・ペトローニ
撮影:ベン・デイヴィス
アンソニー・ホプキンスの”ハンニバル”がお好きな人にはおすすめ。
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