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<span itemprop="headline">映画「ビッグ・アイズ」(2014)</span>



ビッグ・アイズ」(2014)は実話をベースにしたティム・バートン監督の映画。
1960年代のアメリカで実際に起こった絵画をめぐるゴースト・ライターならぬ”ゴースト・ペインター”のスキャンダルを描いた人間ドラマ。

画家マーガレット・キーンをエイミー・アダムス、その夫ウォルターをクリストフ・ヴァルツという当代きっての女優と俳優が演じているのが魅力。







2014年10月の東京国際映画祭で「2015年」の注目作品の一つとして紹介されていたがようやく見ることができた。ポスター写真からアニメの雰囲気だったが実写映画で、予想以上に面白かった

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1950年代から1960年代にかけて哀愁を漂わせる大きな瞳の子供を描いた「ビッグ・アイズ(BIG EYES)」シリーズは世界中で注目され、作者ウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)は美術界の寵児(ちょうじ)としてもてはやされる。

しかし、その絵画を描いていたのはウォルターの内気な妻マーガレット(エイミー・アダムス)だった。初めは夫の言うことに従っていたマーガレットだったが、自身の感情を投影した「BIG EYES」シリーズを守るために真実を公表する決意をし、ウォルターと法廷で争っていく。

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イングロリアス・バスターズ」で注目され「おとなのけんか」「007スペクター」などで存在感を見せるクルストフ・ヴァルツが、画家である妻が描いた絵を自作として売り込み、金儲けを企む自己中男が、妻が起こした裁判でこてんぱんにやられ決着がつくという展開が面白い。

裁判では、口八丁手八丁のウォルター(クリストフ・ヴァルツ)。
妻マーガレット(エイミー・アダムス)の訴え(自分が「ビッグ・アイズ」の真の作者という)は、言いがかりという。しかし、裁判長のひとことで全てが明らかになってしまう。

裁判長は「夫婦ゲンカなどは聞きたくない。自慢話を聞いているほどヒマではない。話を聞いていたら歳をとって死んでしまう。解決方法は一つだ」。

「どちらが本物の画家か、絵を描いてもらう。私は評論家でも何でもないから、どんな絵でもいいからひとつ描いてほしい。Court is yours(裁判所/コート(テニスコートなどに掛けて)はあなた方の手に移った→順番はそちらのものになった)。」と裁判長。

ウォルターはまったく筆が進まない。「閃(ひらめ)かない」というと、裁判長は、「58分以内に閃いて!」と催促。一方、マーガレットは、ビッグ・アイズの絵を慣れた手つきで描き上げていく。

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             妻を金儲けの手段としか考えない夫ウォルター。

1960年代のカリフォルニアの雰囲気がいい。実際に絵画に興味を示した実業家やセレブなどの名前が実名で出てくるところも面白い。イタリアのタイプライターの創始者オリベッティが5,000ドルで「ビッグ・アイズ」の絵をコレクションに加えたなど。このほか、ジョーン・クロフォード、タブ・ハンター、ビーチ・ボーイズといった名前のほか、テレビの人気番組「ペリー・メイスン」なども効果的に登場していた。

パリで修行したというウォルターだが、「ウォルター、パリに行ったことあるの?」とマーガレットに痛いところを突かれるのだ。

ウォルターが、マーガレットに出会ったばかりの頃、聞く「なぜ、目がバカでかい?」。
マーガレットは「人は、なんでも目を通して見るでしょう。目は心の窓」と答えるマーガレット。

1960年頃のアメリカは、女性は仕事がなければ離婚できなかった時代。
暴力夫から娘と逃げ出したマーガレットは、就職の面接などに行くが、なかなかシングルマザーでは受け入れる環境は整っていなかったようだ。そんな中で、家具の会社に入ったのは、家具のイスなどにアニメのイラストなどを描く仕事があったからだった。

テレンス・スタンプも、脇役で出演しており、貫禄を見せている。
エイミー・アダムス(「アメリカン・ハッスル」)「いいね!」(笑)。

  予告編


          エイミー・アダムス(右)と本物のマーガレット・キーン(87歳)。

【解説】本作は1960年代、世界に衝撃を与えたゴースト・ペインターの実話。ゴースト本人であったマーガレット・キーンは1927年、アメリカ、テネシー州ナッシュビルに生まれ、幼い頃から絵を描くのが好きで、1950年代半ばにはサンフランシスコのノースビーチ野外展示会で、大きな目をした子供たちの絵を展示。そこでウォルター・キーンと出会い、結婚。

ビッグ・アイズ」を気にいった客が「この絵を描いたのは誰?」だと問い、ウォルターが自分を作者だと偽ったことから始まったこの事件。マーガレットはウォルターに疑問を投げかけた時のことを振り返える。「帰宅すると彼は釈明しだしたわ。彼はこういったの、『僕らにはお金が必要だ。みんな、作品を描いた画家自身と実際に話していると思うと、その作品を一層買いたくなるものなんだ。みんな、僕が描けなくて、妻に描いてもらう必要があるとは思いたくないんだ。みんなすでに大きな目をする子供たちは僕が描いたと思っているし、それを急に描いたのは君だったなんて言ったら、訴訟だって起こりかねない』―彼はそういった状況を並べ立てたのよ」。

商売上手であったウォルターはビジネスパートナーを増やし、「ビッグ・アイズ」は世界的なブームに。しかし、マーガレットにとって、絵を描き続けることは、愛する娘、そして自分をも欺く事を意味していた。心の内のすべてを絵で表現してきたマーガレットは「このままでは自分を失ってしまう!」と告白を決意し、やがてウォルターと法廷バトルにもつれ込んだ。


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