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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「駆込み女と駆出し男」(2015)</span>



昨年の今頃公開された映画「駆込み女と駆出し男」(2015)を見た。
原案は井上ひさしの時代小説「東慶寺花だより」で、「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」の原田眞人監督が初めて手がけた人情時代劇。

主演の大泉洋は、飄々とした役柄が多いが、キムラ緑子とのテンポのいい台詞回しや早口でコントのような会話がコミカルで、飽きさせない。「(話に)ついてきてください」「箱根まで」「シャレですか」や、「それは、ど真ん中」といった具合。全体的にスピード感のある時代劇になっている。

また、役人の手先たちが大勢で寺に押しかけてきた時には、”駆出し男”信次郎(大泉洋)の立て板に水で講談のようにまくし立て、相手方を言葉で打ち負かしてしまう。とくに「ここにいる女は、火あぶりの刑まであと45年」などというのだが、咄嗟に言われた女も調子を合わせていたのだが、あとで「さっきの話はすごい」というと、信次郎は、こともなげに「全部デタラメ」とあっけらかんとしたもの。

・・・
舞台は1841年、天保の改革の真っ只中の江戸時代の鎌倉。
幕府公認の駆込み寺・東慶寺には離縁を求める女たちがやってくるが、寺に駆け込む前に、御用宿・柏屋で聞き取り調査が行われるのだ。

柏屋の居候で戯作者に憧れる駆出しの医者でもある信次郎(大泉洋)は、柏屋の主・三代目柏屋源兵衛(樹木希林とともに、ワケあり女たちの人生の新たな出発を手助けをしていた。



”駆込み女”の一人、じょごに扮する戸田恵梨香大泉洋とともに主演で、準主演が商人の愛人・お吟役の満島ひかり。このほか堤真一山崎努、でんでん、中村嘉葎雄麿赤兒(まろあかじ)、樹木希林高畑淳子(あつこ)らが脇を固めている。



随所にセリフで笑わせる箇所がある。
駆け込み寺に住んでいるのは、尼さんか修業中の若い女など。駆け出しの医者見習いの進次郎が治療のため寺で治療をするときには、若い女たちの間では「若い男の匂いがする」「髪の毛ぼうぼうの男だす」といった声が聞こえてくる。尼寺では、男は「ひょっとこでも美男に見える」というのが笑わせる。

“鉄の女”じょご(戸田恵梨香)は傷だらけの顔が徐々に見習い医者兼戯作者希望の信次郎(大泉洋)の舶来のヨードチンキ治療で徐々に傷が取れていく。

じょごが寺にやってきた時には、最初はいじめに遭うが、出て行く時にはたくましくなっていた。尼の教育担当は、若い女たちに対して「じょごのように学問と武芸を学んでいるものを東慶寺に迎え入れられたのは天の恵み」と擁護するのだった。

日本橋の唐物問屋・堀切屋三郎衛門(堤真一)の情婦・お吟(満島ひかり)は結核を患っているらしいが、三郎衛門から逃れて、駆込み寺・東慶寺を目指した。能面のような表情だが芯は強そう。

おゆき (神野三鈴)が、体調を崩したというので、「はちみつ浣腸」を信次郎が行うことになったが、懐妊かもしれないということで、相手は信治郎ではないかと疑われる、というばっちりも受けることに。



上の尼に告げ口するものがいて「おゆきは口にできないことをして、口にできない身体になったといううわさがあります」というものだった。

この映画は、当時離婚といえば、男からのみ認められていた時代。
そんな中で、離婚相談所とも言える場所が縁切り寺と言われた東慶寺だった。



鉄工所で働く娘じょご(戸田恵梨香)、商人の愛人お吟(満島ひかり)、道場の娘ゆう(内山理名)の3人が、過去と決別し、新たに一歩踏み出す姿を描いているとも言える。満島ひかりは時代劇でも存在感を見せていた。

昨年度の日本アカデミー賞では、大泉洋は優秀主演男優賞、満島ひかりは優秀助演女優賞を受賞した。

クスリとさせる笑いを誘うシーンも多く、時代劇といっても肩肘張らずに見られるところがいい。

☆☆☆


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