シャロン・ストーン主演の「悪魔のような女」(原題:DIABOLIQUE, 1996)を見た。
1955年に作られたオリジナル版「悪魔のような女」(1955)は、GH字幕さん提供の
DVDで以前見たが、リメイクのアメリカ版は初めて見た。原題のDIABOLIQUEは英語のEvil(悪)のこと。
ストーリーはわかっていたが、2転3転どころか、5転6転くらいするが、女優の二人(シャロン・ストーンとイザベル・アジャーニ)が、表情があまり変わらず、オリジナルと比較すると、面白さに欠けたのが残念。
映画のオープニングでは、大粒の雨が降り注ぎ、不安を煽るような音楽に被さって、引き込まれたが・・・。途中、探偵として登場するキャシー・ベイツは、すでに「ミザリー」(1990)でアカデミー賞主演女優賞を獲得した演技派女優だが、小太りの勘の鋭いような役で存在感があった。
ストーリー:
全寮制の聖アンセルム男子校。
野心家の理事長ガイ・ブラン(チャズ・パルミンテリ)は、生まれつき心臓の弱い学校長の妻ミア(イザベル・アジャーニ)と結婚したおかげでその地位と財産を手に入れた男。そのうえ教師の一人、ニコル(シャロン・ストーン)と、公然の愛人関係にあった。
ニコルはガイとのセックスに溺れる一方で、ガイの酷い仕打ちからミアを常に庇っていた。ある嵐の夜、浴室で心臓発作を起こして倒れたミアをガイは冷たく置き去りにした。
翌日、全校生徒のいる食堂で侮辱されたミアが泣いて逃げると、ガイは後を追ってセックスを強要。次の朝、ミアの前に現れたニコルも、ガイに殴られた跡をサングラスで隠していた。
ニコルはガイに姿を見られないようにし、隣家の夫婦の家で過ごしてアリバイを作った。そして睡眠薬入りの酒を飲んで昏睡状態のガイを、2人でバスタブに沈める。
一度は息を吹き返したたものの、激しい格闘の末についにガイの息の根も止まる。翌日の夜中、彼女たちは死体を学校のプールに沈める。ニコルの計画では、酔ったガイが足を滑らしプールで溺死した、との青写真だった。
彼女は生徒たちの見ている前でわざと鍵束をプールに落とし、水を抜いて探すように仕向ける。ところが、死体はなかった。予想外の展開に慌てるニコルとミア。
数日後、30km離れた街で身元不明の溺死体が発見された記事を新聞で読んだミアは、その街の警察署に赴く。だが、死体はガイではなかった。彼女はその署の元刑事で、今は私立探偵をしている中年の女シャーリー(キャシー・ベイツ)と知り合う。
協力を申し出たシャーリーは、ガイの行方を調べると約束した。やがて、ニコルとミアに、殺人現場を目撃したと仄めかす謎の人物からの脅迫が続く。
焦燥感を覚える彼女たちの前に、ガイの子を妊娠したと言う女が現れ、堕胎費用を請求した。愛人はニコルだけではなかったのだ。
そんなある夜、ミアの目の前で、例のバスタブからガイが現れた。彼女は恐怖のあまり心臓発作を起こして倒れる。ガイは生きていた。だが全ては最初から、ミアを精神的に追い詰めて死に至らしめようとする、ガイとニコルの計画だった。
ガイはミアがまだ死んでいないと知るや、とどめを刺そうと迫る。その時、変心したニコルはミアを逃がそうとして、逆にプールでガイに殺されそうになる。そこへミアがニコルに加勢し、ガイはプールに沈められて今度こそ溺死した。その時シャーリーが現れて、ミアの顔を殴りつける。全ての事情を知った彼女は、ミアの正当防衛にしようとする心づもりだった。そしてニコルはミアの前から去った。(MovieWalker)。
・・・
今は退職している元婦人警官ボーカル(キャシー・ベイツ)は、存在感があった。ダイレクトに質問してくる。ミアには、夫の愛人がいることで殺害したのだろうと迫ってきた。ミアとニコルは、このボーガルの動きが気が気ではなく、ハラハラするところは見所。
プールで、ニコルとミアがガイをプールに沈めようとしていた。
そしてついに沈んだままガイは浮かび上がらなかった。一部始終を見ていたボーガルは、ミアの頬を殴りつける。「こうでもしないと、正当防衛にはならないからね」というボーガル。タバコに火をつけて、意味ありげにほくそ笑むボーガル。ボーガル自身も過去に暴力夫で苦しめられたのか、共感する部分があったのか・・・。
・・・
「浴室で死にかけている妻を黙って見ていた夫よ」とミアをそそのかすニコル(シャロン・ストーン)が、悪魔のような女ということか。確かに、ミアを共犯者にして殺人を実行するが、全体的に無表情で、クールビューティすぎてピンと来ないところがある。もっと徹底した悪女ぶりを発揮して欲しかった。
★★
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