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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ママが泣いた日」(2005)</span>



ママが泣いた日」(原題:The Upside of Anger, 2005、日本公開2006)を見た。
この邦題だと、映画館に足を運ぼうという気は起きないが、guchさんの勧めもあって見た。

夫の突然の失踪を期に情緒不安定となった母親、その4人の娘たち、隣人の元野球選手の男の姿をユーモラスに描く。女家族が織り成す、3年間のささやかな波乱の日々をつづった人間ドラマ。

原題の直訳は「怒りの上側」だが、映画の中では、あるきっかけで常に娘たちに怒ってばかりの母親だが、その”怒りの効用”とも言うべき、いい面が人間臭さになり、不安も消え去る、といったシーンがあった。

ケビン・コスナーは、かつては名作に主演で出演していたが、この十数年は、やや精彩がなかった印象。この映画では、中年役で、家族問題を解決しようと助けようとする脇役だが、そのユーモラスな好演が光っていた。



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ある秋の日、テリー(ジョアン・アレン)は夫が財布を持って家を出て行ってしまったことに気付いた。恐らくスエーデン人の秘書と駆け落ちしたのだろうとテリーは考えた。

それまで優しい母親だったテリーは、帰省中の大学生の長女ハドリー以下、エミリー、アンディ、ポパイの4人の娘たちにまで怒りをぶつけ、母子の関係はぎくしゃくし始める。

テリーは、とにかく酒好きで、家で酒を飲み憂さ晴らしをしていると、隣人のデニーケヴィン・コスナー)が裏の土地の開発の件で夫を訪ねてきた。テリーは追い帰そうとするが、事情を知ったデニーは同情し、飲み友達を買って出る。

地元デトロイトのラジオ局でDJをしているデニーは、元野球選手だが、野球の話をしたがらない変わり者。気ままな独り暮らしの彼は、四姉妹とも気さくに接し、その後もしばしば訪れては夕食をごちそうになる。


母につい皮肉を言ってしまうハドリーは、まもなく大学へ戻っていった。

放送業界を目指している三女アンディは、デニーの紹介でディレクターのシェプの助手に採用され大喜び。しかし、大学に進学させるつもりだったテリーは怒りに震える。

冬。末娘のポパイは片想いをしていた転校生ゴードンとちょっぴり進展する。「男は片親に弱い」というアンディのアドバイスのおかげだ。

次女エミリーはダンスの練習に打ち込むが、父への手紙をめぐって母と口論になる。ハドリーが大学の卒業式を迎え、娘の晴れ姿を誇らしく思うテリー。



ところがハドリーはテリーの知らぬ間に妊娠し、結婚まで決めていた。
憤慨し、両家の祝いの席で酔いつぶれたテリーは、酔いの醒めた後でさすがに後悔する。彼女は娘たちのために裏の土地を売る決心をするが・・・(MovieWalker)。

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デトロイトの郊外の自然が豊かな住宅地、移り変わっていく美しい季節を背景に、それぞれが交わりながら自分の道を手にしていく様子を描いた大人たちの成長、大人への成長の物語でもあるようだ。

ハートウォーミングの映画で、地味ではあるもののコメディタッチのヒューマン・ドラマだ。テリーは、デニーが自分に近づいてくるのは、下心があるに違いないと思い込み、電話をして10分後に自分から車でデニーの家に行くのだが、デニーは表に出て、居留守を使ったりするところがおかしい。電話でデニーは、「また今度、次にして欲しい」と言うと、テリーは「次?次はないわ。ハレー彗星と同じで、次は57年後になる」と言うのも笑わせる。

主人公のテリーを演じているジョアン・アレンは見たことがあると思ったら「きみに読む物語」の主人公の女性の母親役を演じている。

「ママが泣いた日」では、中年の母親役で、喜怒哀楽などを表情豊かに演じている。テリーは、娘たちが、母親の希望するような進路に行かないことに苛立ったり、文句を言うことが多かったが、それでも家族の絆を強める姿も描かれていく。

秘書と駆け落ちしたと思っていた夫が実はそうではなかったという事実を知ったとき、テリーは泣き崩れるので、娘たちから見れば、確かに”ママが泣いた日”があったことは確かだが、日本語のタイトルとしては、損をしていることは否定できない

全体のストーリーがややまとまりに欠けた印象があるのが残念。

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