「ライムライト」(原題:Limelight、1952)を再見(Netflix)。TV で数十年前に見たきりだが、今見ても色あせない。チャールズ・チャップリン監督。上映時間137分。1953年、日本公開。1973年にリバイバル上映された。チャップリンが長編映画で初めて素顔を出した作品。ライバルのバスター・キートンとも本作で初めて共演。「テリーのテーマ(エタナリー)」は、第45回(1972年)アカデミー作曲賞受賞。
人生に絶望しているバレエダンサーの娘に「生きていれば、願望があり、楽しい」と人生を前向きに生きるメッセージをチャップリンが語る名作の1本。言い換えれば「人生は夢を実現するためにある」というチャップリンの名言の一つ。
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1914年のロンドン。かつてイギリス一と言われた道化師のカルヴェロ(チャップリン)。いまや中年を過ぎ、すっかり落ちぶれて酒浸りの日々を送っていた。
ある日カルヴェロは、自殺を企て意識不明で倒れていたテリー(クレア・ブルーム)という美しいバレエの踊り子を助ける。
テリーは姉が娼婦となって自分のレッスン代を払ってくれていたことを知ってから足がマヒしてしまった。すっかり失望して生きる気力を無くしていた彼女をカルヴェロは献身的に介抱し、もう一度バレエを踊らせる。
再び踊りはじめたテリーはダンサーの職を得て、作曲家のネヴィルにも気に入られ新作バレエの第一ダンサーに抜擢される。一方のカルヴェロはカムバックに失敗し、逆にテリーに励まされる始末だった。
テリーに惚れ込んだネヴィルは彼女に愛を告白する。しかし彼女の想いはカルヴェロにあった。テリーはカルヴェロに結婚しようと言い出す。カルヴェロは年齢差や自らの境遇とテリーの順風満帆の現在を比べ、結婚話をばかげていると一蹴してしまう・・・。
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主人公のカルヴェロは、かつて華やかな栄光を手にした人物だが、いまは落ちぶれて忘れられた存在になっているというところは、チャップリンの晩年を象徴している映画ともいわれている。クレア・ブルームの愁いを帯びた表情と、バレーを華麗に踊るシーンが印象的。少女時代のジュラルディン・チャップリンなどチャップリンの娘たちも出演している。