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<span itemprop="headline">映画「沈黙は金」(1946、フランス):ルネ・クレール監督。</span>




沈黙は金」(原題:Le Silence est d'or、1946)は、フランスの名監督、ルネ・クレール作品。
主演のモーリス・シュヴァリエは、この映画でフランス映画界に戻って主演した、戦後復帰の第一回作品である。

簡単に言えば、ひとりの女性を巡るふたりの男の三角関係をユーモアとペーソスで描いている。

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パリの幸福撮影所長兼監督のエミール(モーリス・シュバリエ)は、遊園地の一隅の映画常設館で、自作の活動写真(無声映画)の反応をうかがっていた。男友達と来て途中で出て行く婦人の意見は、“私、悲劇は苦手なの”。

エミールが自宅に戻ると、エミールがかつて片思いをしていた女優セレスタンの娘マドレーヌ(マルセル・デリアン)が立ち尽くしていた。マドレーヌは、エミールを頼ってパリに出てきたのだった。実は自分も女優を目指していたのだった。

助監督ジャック(フランソワ・ペリエ)は恋に不器用な男。
どうしたらモテるかに悩むジャックにエミールはナンパの秘訣を教える。
早速、乗合馬車に乗ったジャックは、隣に座ったマドレーヌに、一度あったことがああるなどといってデートに誘う。


                      マドレーヌとジャック 

彼女は自分に親切心以上の感情で接してくれる年上の男性がいる、と告白。
しかし、それがジャックの撮影所長で監督のエミールであることなど知る由もない。

撮影所の女優となったマドレーヌとジャックは“共演”という形で再会。
マドレーヌとエミールの二人の間柄に気づいたジャックは身を引こうとしたが、
その頃にはマドレーヌの気持ちはすっかりジャックにあった。

一旦は年甲斐もない焼きもちに、ジャックをクビにしたエミールだったが、すぐに自分の愚かさに気づいて、二人の仲を取り持ってやるのだった。


                    エミールとマドレーヌ

そのきっかけになるのが、撮影を見学に来た某国王の作品が悲劇の映画に難くせをつけたことだった。エミールはヤケになって言うとおりに、悲劇をハッピー・エンドに変更。最初の常設館の同じご婦人の反応は「(映画は)ハッピーエンドがいいわ」だったことで、映画はFINとなる。

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映画の観客も作り手も、老若男女を問わず、ハッピーエンドがいい、というオチがついていた映画で、フランスらしいユーモアがある。

モーリス・シュバリエは、この映画の当時58歳。この映画の10年後の「昼下りの情事」ほどではないが、初老にさしかかっていたが独身。マドレーヌの父親替わりのつもりで接していたのだが、やがてそれ以上の感情も出てきていた。このあたりはシュバリエの名演技が絶妙。

ジャック役のフランソワ・ペリエは、お気に入り映画の「Z」(1969)では、検事総長役で堂々としていたが「沈黙は金」では、プレイボーイ気取りだがフラれてばかりの青年を好演。

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