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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「サンセット大通り」(1950)再見。</span>


 
サンセット大通り」は、ビリー・ワイルダー監督作品で、アカデミー賞で11部門にノミネートされたが、対抗の「イヴの総て」相手に苦戦し、3部門(美術監督・装置賞、脚本賞、作曲賞)にとどまった。「イヴの総て」は6部門受賞。「イヴの総て」が相手では、闘う相手が悪かったとしか言いようがない。
 
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カリフォルニア州ロサンゼルス郊外の「サンセット大通り」にある豪邸を舞台に、サイレント映画時代の栄光を忘れられない往年の大女優の妄執と、それがもたらした悲劇を描いたフィルム・ノワールである。
 

 
最初にこの映画を見たのは、1970年にテレビで放送された時だった
。その時は、過去の栄光を引きずる元大女優(グロリア・スワンソン)の鬼気迫る演技のみが印象に残っていたが、見直してみると、一人の冴えない脚本家をめぐる三角関係を描いていることがわかる。
 
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サンセット大通りのとある大物の住む邸宅で一人の男が殺害される事件が起きる。警察が駆けつけると、プール死体が浮いており、背中銃弾を撃ち込まれていた。殺されたのは、B級映画脚本を2本ほど書いたしがない脚本家である。事件の発端は半年ほど前に遡る。
 
その殺された男のナレーションで物語は進行していく。
その男は、ハリウッドの狭いアパートに住んでいた脚本家のジョー・ギリス(イリアムホールデン)で、書き上げた脚本を映画会社に採用してもらえず、貧窮のどん底に苦しんでいた。家賃の滞納も3か月に及び、取り立て屋に追われて逃げ込んだのは幽霊屋敷のような寂れた大きな邸宅で、そこにはサイレント映画時代のスター女優であったノーマ・デズモンド(グロリア・スワンソン)が、召使のマックス(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)と共にひっそりと暮らしていた。
 
ジョーは銀幕への復帰を目論むノーマのために、彼女が書き上げた「サロメの脚本の手直しをするように要求される。ノーマはとうの昔に忘れ去られた存在だったが、ノーマを女神のようにあがめるマックスによってその事実を隠されていたため、今でも大スターであると思い込んでおり、いつでも一線に復帰できると考えていたのだ・・・。
 
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セシル・B・デミルが本人役で「パラマウント映画」の重鎮監督としてカメオ出演しているほか、召使役のエリッヒ・フォン・シュトロハイム1920年代に監督を務めていた大物監督・俳優である。
 

 
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20代~30代にかけて栄光をつかんだ女優ノーマ・デズモンドは、50歳になっていた。豪邸では、自身の若いころの写真で埋め尽くし、出演映画のハイライトシーンを繰り返し見るなど隠遁生活を送っていた。世間からは忘れられた存在になっていたが、自ら「サロメ」の脚本を書き上げ、復帰を果たそうとしていたところに、たまたま売れない脚本家ジョーが目の前に現れたのだ。
 

 
ジョーと過去の映像を見ながら、脚本について話し合っていたが「セリフなんかいらない。顔で語るのよ。今じゃあそんな女優はいないわ。ガルボは別だけど。プロデューサーも間抜けぞろいいだわ」とうそぶくノーマ。(ちなみに天下の美人女優で
”神聖ガルボ帝国”と呼ばれたグレタ・ガルボは、ノーマ役のオファーを最初にもらったというが、復帰に関心がなく、断ったとされている)。
 
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映画の中で、セシル・B・デミルが16歳のノーマ・デズモンドを見出し、デミル監督は、ノーマ・デズモンド主演の映画を12本も撮っていた。20年ぶりにパラマウント映画の撮影所のデミル監督の撮影現場を訪ねると、若い守衛などは、デズモンドを知る由もなく、門前払いにしようとする。
 
その時のノーマのセリフは「私あってのパラマウント・スタジオよ!」だった。
追い返そうとするスタッフに、デミル監督は「17歳のころの娘を知らんのだからな。
リンドバーグがパリに飛んだころだ」といった歴史的背景などもそれとなく触れているのが興味深い。
 
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アカデミー賞脚本賞に輝いただけあって、随所に気の利いたセリフや、会話のやり取りなどがあり、見ごたえがある。モノクロで、スタンダードサイズであるのが逆に新鮮に映る。文句なしの傑作だ。
 
4年以上前に一度記事にしている。Googleなどから、引用して書いているようだ。
 
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