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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「天地明察」(2012)</span>


 
2010年の本屋大賞第1位に輝いた冲方丁(うぶかた とう)のベストセラー小説を、岡田准一を主演に迎えて映画化した歴史ドラマ。一昨年あたり話題になっていたので遅ればせながら見た。”文部省推薦のような” 優等生映画で、単調で面白みにはかけるが、最後まで見た。
 
岡田准一が扮するのは、日本で初めての暦作りに挑戦した実在の人物・安井算哲で、算哲が挫折や失敗を繰り返しつつも、妻や仲間たちに支えられ、偉業に挑む姿を描いている。監督は「おくりびと」の滝田洋二郎。音楽は、「おくりびと」同様、久石譲(ひさいし じょう)。
 
「明察」は、現在でも使われる言葉だが、辞書によれば・・・。
(1)はっきりと真相や事態を見抜くこと。「実情を―する」。
(2)相手を敬って、その推察をいう語。「御―のとおりです」とある。
この映画のタイトルの「天地明察」とは、 これまで一般に使われていた暦の矛盾点(何年かの周期でズレる)を、解明しようとした男の物語で、それを証明した時に、発せられた言葉が、”天地明察!”だった。
 
ストーリー:
十七世紀半ばの江戸時代前期、徳川四代・家綱の時代。
将軍に囲碁を教える名家・安井家に生まれた算哲(岡田准一)は、出世欲のない不器用な男。星の観測と算術を解くことが好きで、熱中しすぎることもしばしば。
 
そして将軍の御前で棋譜通りの囲碁を打つ、形ばかりの勝負に次第に疑問を抱き、真剣勝負の場に身を置きたいという熱い思いを心に秘めていた。
 
そんな算哲の本心を知る会津藩主・保科正之松本幸四郎)は、暦の誤りを正す任に抜擢する。800年も使われてきた中国・唐の時代の暦がずれてきたため新しい暦を作るというこの計画は、星や太陽の観測をもとに膨大な計算を必要とした。
 
さらには本来なら朝廷の司る改暦に幕府が口を出すという、朝廷の聖域への介入という問題をはらんでいた。そしてこれは算哲の苦難の道の始まりでもあった。
 
・・・
 武士の時代をテーマにした話は、映画では「家計簿」や「献立」などがあるが、「」を扱っているのが「天地明察」である。正確な暦を作り、それまでの時間のズレを正して、正解にたどり着くまでを描いている。

朝廷の暦は絶対であり、それを一般の人々は信じて疑わず、新たな暦の存在を苦々しく思う朝廷の人間からは、証明できなければ切腹だと詰め寄られていたのだが・・・。
 
地球儀や碁なども登場するが、「地球が丸い」とは信じられない時代に、世界地図も徐々に現実に近づきつあったという背景なども歴史小説として興味深い。
 
・・・
豪華俳優陣が出演している。
のちの水戸黄門こと水戸光圀中井貴一。算哲(岡田准一)の妻となるえん役に宮崎あおい、えんの兄・村瀬義益に佐藤隆太、 数学者・関孝和を演じた市川猿之助そのほか岸部一徳笹野高史徳川家綱染谷翔太など。ナレーションは、真田広之が担当した。
 
歴史的な発見と同時に、算哲(岡田准一)とえん(宮崎あおい)との出会いから結婚までのラブストーリーも織り込まれている。算哲は、一年の予定で、全国の調査の旅に出るが、半年も遅れてしまった。戻ってみると、兄が言うには、1年間は縁談を頑として断っていたえんも、嫁いでしまったというのだ。(算哲はショック。)
 

 
しかしその後、「離縁された」といって、えんが戻っていた。
算哲が、またしてもしばらく待たせることを言うが、こんど約束を破ったら知りませんというえん。「私より早く死なないでください」というのも健気。さらに、えんが「ひとつお願いがあります。帯を解いてください」という言葉だけあり、さらりと描いているのが、想像させてなかなかいい。
 
歴史モノはこれまで苦手の部類だったが、戦争ものにしろ、歴史の一部を、読書とは別に、映画を通して垣間見ることができるのは、知的好奇心を満足させることがあり、いい。
 
映画的には、面白さ、起伏に富んだエンタメ性にはややかけるが・・・笑。
 
☆☆☆
 
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