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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「断崖」(1941、日本公開1947)ヒッチコック監督。

 
アルフレッド・ヒッチコックの「断崖」(原題:Suspicion=疑惑、1941年)を見る。
戦時中のため日本公開は1947年。この映画で、ジョーン・フォンテーンは、アカデミー賞主演女優賞を受賞している。
 
ケーリー・グラントヒッチコック作品に初めて出演した映画
お調子者という役柄のせいか、のちの作品のような洗練されたカッコよさがそれほど感じられない。原作と違って、ケーリー・グラントを悪役にしてはならないという取り決めがあったようで、ラストも中途半端な終わり方だったのが残念
 
この映画でのグラントは、口は達者だが、胡散臭い人物で、お金持ちの娘に目を付け、まんまと結婚するが、その素性は、無類の競馬好きで無一文。おまけに借金も抱えていることが、明るみに出てくる。口八丁手八丁という典型。
 
友人と共同事業を始めるというが、怪しい・・・といったストーリー。

映画のオープニングは真っ暗闇の中。
ヨーロッパの列車のコンパートメント(個室席)の中だった。
暗闇で、乗客が一人いて、ぶつかりそうになり「失礼」と入ってきた男ジョニー(ケーリー・グラント)が、向かいに座っているメガネの女性に目が行く。
 
その女性・リナ(ジョーン・フォンテーン)は本を読んでいたが、リナは、将軍の娘だった。喫煙席は嫌だからと、普通席から勝手に一等席に乗り込んできて、調子のいいことを言うジョニー。乗務員が一等席の追加料金を請求すると、切符代が足りないからと、向かいの女性に立て替えてもらう始末。
 
場面は一転して、乗馬会。そこでは、メガネなしの颯爽としたリナがいた。ジョニーは、自分の女友達とともに、自分をリナに紹介するようにと、リナの家に押しかけ訪問する。
 
女性たちと教会に行こうと誘って、家を出るが、ジョニーとリナだけは、協会に行かずに、散歩に行ってしまう。そこから、ジョニーはリナを強引に口説き始める。
 
「猿顔さん(モンキーフェイス)」と何回も使う。
リナが帰宅すると、両親の会話が聴こえてくる。母は、オールドミスになると心配するが、父親は、オールドミスでもいいじゃないかと口論している。この話を聞いたのがきっかけでリナは勢いで、ジョニーにキスをして、家に飛び込む。
次に舞踏会のパーティとなる。

このパーティに行きたくなかったリナだったが、ジョニーから「パーティで会おう」という電報が届いて、リナはウキウキして、出かけることに。ジョニーはパーティに招待すらされていなかったが、リナと知り合いだということで、強引に参加して、すぐにリナとドライブに出かけてしまう。トントン拍子で、ジョニーとリナは結婚するが、ジョニーの本性がだんだん分かってくる・・・
 
・・・
ヒッチコックの映画にしては、それほどサスペンスの要素はないが、このジョニーという人物が、リナの財産目当てではないかという疑惑がでてくる。そんな時、ジョニーの知人ビーキー(ナイジェル・ブルース)が訪ねてくる。

 
ビーキーが、ジョニーは競馬通いをしているということをつい口を滑らして言ってしまう。「余計なことを言ってしまった」とビーキーだが、ビーキーの言葉から、いろいろとリナが知らないジョニーの断面が見えてくる。リナの父親から、お祝いに送ってもらった骨董品の椅子二つがなくなっていた。
 
リナから文句が出そうになるとこでジョニーが豪勢な買物をして帰ってくる。なんと、
椅子を売ったお金を元手に、競馬で大穴を当てたというのだ。そして、最後のプレゼントの椅子のセットを買い戻していたのだった。
 
・・・
一体ジョニーは、信用できるのか、何か企んでいるのか・・・?
 
パリでビーキーが死んだという知らせが飛び込んでくる。
当然ジョニーが怪しいということになり、警察も訪ねてくる。
リナもジョニーが怪しいと思い始める・・・。

まして、ジョニーはビーキーが死んだ手口と同じブランデー殺人の資料を借りていたということを知るリナ。
 

ジョーン・フォンテーン
は、メガネで登場したときは冴えない印象だったが、外すと美人だった。メガネを外すと美人というのは、古今東西、変わらないようだ。
 
ジョニーも、まんざら悪人というのではないが、リナとドライブしている時に「車の中でキスをしたことがあるか」とダイレクトに聞くジョニー。「一度もない」と答えるリナ。「じゃあ」ということで、キスをするが「あなたは、今までに何人もでしょう」とリナ。
 
「ああ、眠れない時に、羊の数のように数えることがあるが、73くらいまで数えてやめている」とジョニー。「私には正直なのね」とリナはますますジョニーに首ったけ。このあたりの会話は面白かった。
 
キャスト
ジョーン・フォンテーン:将軍の娘リナ
ケイリー・グラント:ロクデナシのジョニー
ナイジェル・ブルース:ジョニーの知人ビーキー
サー・セドリック・ハードウィック:リナの父 マクレドロー将軍
ディム・メイ・ウィッティ:リナの母
ヘザー・エンジェル:メイドのエセル
レオ・G・キャロル:不動産屋のメルベック大尉
レムスデン・ヘアー:ホドソン警部
バーノン・ドーニング:若いベンソン
 
 
☆☆☆
 
 
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