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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「マルセイユ・コネクション」(2014)を見る(東京国際映画祭・上映作品)</span>

 

 
 

きょうは「東京国際映画祭」の会場のひとつとなっている東京・六本木ヒルズ
TOHOシネマズで、コンペティション出品作品の1本であるフランス=ベルギー合作映画「マルセイユ・コネクション」を見た。久しぶりに1970年代のフランスのギャング映画の匂いのする映画を見たっといった印象。音楽も良かった。
 
入場料(当日)は一律1,300円。
朝30分ほど並んだが、座席はわずかしか残っていなかったので、前列から4列目の左端で、大画面で、見にくかった。フランス語の映画のため、中央下に英語字幕、右側に日本語字幕が出ていた。
 
 
 
映画は、不屈の正義感を持つ判事が、巨悪な麻薬組織に立ち向かう息詰るようなアクション&サスペンスドラマ。
 
舞台となるのは、1970年代後半の南仏で実際に起きた攻防戦を再現し、陰謀と裏切りと背信がノンストップで展開するドラマで、このところ一時の輝きにのなかったフランスのフイルム・ノワール(犯罪映画)の復活の狼煙(のろし)のような映画だった。
 
原題はフランス語の”La French”で、これは南仏とアメリカを繋ぐ麻薬取引ルート
フレンチ・コネクション」の略。1971年のアカデミー賞5部門受賞の名作「フレンチ・コネクション」も、同ルートの存在を背景にして作られたもので、映画の中で、フレンチ・コネクションという言葉が何度も登場していた。
 
麻薬取引を独占して巨大な悪の王国を築いた顔役と、組織撲滅のために立ち上がる判事の対決は、これまでにも多くのドラマや小説の元となった。
 
その最新版となる本作では、1970年代の雰囲気の見事な再現や、スピーディーなドラマ展開など、これが長編2作目とは思えない成熟した手腕を監督が見せている。
 

 

「アーティスト」(2011)でアカデミー賞主演男優賞を獲得したジャン・デュジャルダンがスケールの大きな存在感を発揮し、「友よさらばと言おう」(2014)等で現代フレンチ・ノワールに欠かせない存在であるジル・ルルーシュがさすがの貫禄で対決を盛り上げている。
 
文芸ものからノワールまで幅広く活躍するブノワ・マジメルの怪優ぶりや、2010年代に入って出演作が激増しているセリーヌ・サレットなど、脇を固める俳優陣も見応えがあった。
 
実録をベースにしていて、主人公の判事が、最後に命を落とすが、フランス大統領は、フレンチ・コネクションの撲滅に、判事が多大な貢献をしたとたたえて映画は終わる。
 
・・・
 

 

               一番右がジメネス監督
 
映画上映の後、セドリック・ジメネス監督と出演俳優の一人、ジル・ルルーシュが、MC(司会者)と、通訳女性二人(フランス語、英語担当)が壇上に現れ、活発な質疑応答(Q&A) があった。
 
質疑応答では、セドリック・ジメネス監督ジル・ルルーシュも、日本の訪問は初めてといい、長年の来日の夢がかなったと語った。
 
ジメネス監督は、子供の頃から、60年代、70年代のフイルム・ノワールの巨匠アンリ・ベルヌイユ監督やジャン・ピエール・メルビル監督、俳優ではアラン・ドロン、ジャンポール・ベルモンドの映画などを見て育ってきたので、そういった映画の雰囲気を今回の映画でも醸し出しているという。
 
最近の監督では、マーティン・スコセッシ監督作品はよく研究しているという。
好きな作品として「グッドフェローズ」を上げていた。
 
出演俳優のジル・ルルーシュは、いろいろな役柄の経験から、悪役でも人間味のある役に惹かれるという。単純に善・悪でなく、悪人でも、家族についての描写があったり人間ドラマがあるので魅力を感じるという。マルセイユ・コネクション」では、非情な役どころではあるが、家族との一面も描かれている。
 
フランス語で語った監督、俳優の言葉が日本語に通訳されたあと、今度は日本語から英語の通訳があったが、専門通訳が素晴らしく、そちらにも感動した。
 
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映画の上映後、期せずして拍手が起こり、映画祭ならではの雰囲気だ漂っていた。
名作「フレンチ・コネクション」のフランス版といった印象だ。
 
 
 
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