見逃していた「日輪の遺産」(2011)を見た。
麻生久美子が出演していたものの、出番は少なかった。
ベストセラー作家・浅田次郎本人が映像化を熱望した原作を、主演に「武士の家計簿」の堺雅人、監督に「夕凪の街 桜の国」「半落ち」の佐々部清を迎えて実写化した。戦後60年以上を経た現在、自国の未来をいちずに思い憂いたかつての日本人のプライドが感動をよぶ。
それは現在の価値で約200兆円のマッカーサーの財宝を隠すというもので、真柴は極秘任務を遂行するが、やがて任務の終わりが見えたころ、勤労動員として駆り出された20名の少女たちに非情極まる命令が出された・・・。
軍部が、将来の日本の復興の資金にしようと、マニラからマッカーサーの財宝を持ち帰り、それをごく限られた人物で秘匿しようとするが、それらの財宝の運搬などに12歳の少女20人が任命される。
”お国のために”という無垢で純真な20人だったが、一人だけ、戦争はおかしい、という少女がいた。19人は、任務遂行の後、栄養剤という名目の青酸カリで毒死してしまう。財宝の周りを取り囲むように輪になって死んでいった少女たちの姿が、やがて白骨化したシーンに変わる場面は、壮絶だ。
後にマッカーサーもこの現場を目撃する。
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当時の軍部の関係者は、すでに自決したり、その後消息が不明になるが、この生き残った女性・庄造の妻(八千草薫)は60数年の歳月を経て、尚造も亡くなったことから、当時の状況を息子や孫たちに語っていく・・・。
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亡くなった19人の少女たちが、守ったのはなんだったのか、戦争に対して正面切って批判すると”非国民”といわれた時代に、勇気ある少女の正論が胸を打つ。
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