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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ノア 約束の舟」(2014)</span>



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ラッセル・クロウ主演の大作映画「ノア 約束の舟」を見た。監督が、前作のサイコ・スリラー映画「ブラック・スワン」で、ナタリー・ポートマンが精神を壊していく演技により、アカデミー賞主演女優賞をもたらしたダーレン・アロノフスキー
 
ノアの方舟(はこぶね;箱舟)」「カインの末裔(まつえい)」「アダムとイブ」といった言葉を断片的に知っている程度だが、監督が作り出したノアの人物像は、強烈だった。
 
夢の中で、神から受けた預言。それは、堕落し、悪がはびこる世界が、大洪水で洗い流される光景を夢に見たノアに、神が人類の運命を託したものだった。
 
「方舟(はこぶね)を造って罪のないものを救え」という啓示を受けたノアが、動物たちを守るために、家族とともに、巨大な方舟を造り始めたのだが・・・。
 

 
 
ノアの方舟」伝説を描いているので、原題がNoahだから「ノアの方舟」で通りがいいと思うが、「Hachi 約束の犬」のように「ノア 約束の舟」とひねったつもりなのか、あまり感心しないタイトルだ。映画そのものも好みが分かれそうだ。
 

 
ラッセル・クロウは、いつも悲壮感漂う役柄が多い。
森進一のように、世の中の苦しみを一手に引き受けていますという顔をしている。
というのは冗談としても、この映画では、創造主(神)に選ばれた人間として、言われたことを忠実に守るだけだという信念で、自分の娘・イラ(エマ・ワトソン)(実子でなく育てた子供)が懐妊したのだが、女の子供だったら、即刻殺して、子孫が続かないように絶滅させると固く決めるという非情さ、異常さにしか思われないが、それこそが正義と信じているのだ。妻(ジェニファー・コネリー)との葛藤が最大のハイライトシーンとなっていた・・・。果たして運命・結末は、いかに・・・・。
 

 

監督によると「旧約聖書の記述を守りつつ、人間の感情をリアルに描きたかった。救世主としてではなく、一人の人間であるノアと家族との葛藤や、生き残る側の罪の意識も見つめた」という。
 
イラのキャラクターは、人間の善の部分、あるいは希望を象徴しているようだ。 イラがいなかったら、まったく救いようのない映画になっていたかもしれない。
 

 
内容の深刻さなどは別にして、驚異の映像を見る映画と思えば、見ごたえがある。

気の弱い人は目をそむけるだろう。何しろ、気持ちの悪い赤と青色の交じった大蛇が登場し、しかも何千匹もの大蛇の群れが画面いっぱいに映し出されるのだから。
 
また、ヒッチコックの「鳥」がかわいく見えるほど、画面に鳥の群れが登場したり、巨大なロボットのような生き物が地面から湧き上がって登場したり、ビジュアル技術を駆使して、家族や宿敵との葛藤をスペクタクルに描いた、ということだろう。
 
日本では、2Dの公開。
ニュースで知ったが、中国では未公開になりそうな気配だという。
中国はハリウッド映画の3D版が人気があり、中国向けに3D版も用意していたというのだ。配給のパラマウントにとっても、ダーレン・アロノフスキー監督にとっても、予測しなかったニュースだ。
 
中国政府によるセンサーシップ(検閲)のためと言われているが、中国では1年に公開される外国映画の枠数が限られているため、それが理由だったという説もある。
 
中国市場を意識して、海外用に3Dバージョンを作ったほどで、急成長中の中国で未公開となれば、非常にがっかりな結果となるという。
 
「ノア 約束の舟」は3月に北米公開され、これまでに北米で1億ドル弱、北米外で2億4000万ドル弱を売り上げている。
 
このところ「ノア」にしても「ポンペイ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」にしても、これから公開の「GODZILLA」にしてもVFX(特殊効果)技術に頼った映画しか作られないかと思うとやや残念な気もする。
 
しっかりしたドラマ、サスペンスなどが見たいのだが。
 
☆☆☆
 
 
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