「ベニスに死す」(1971)予告編
過去の名作がニュープリントで劇場公開されるのは、うれしい限りだ。
トーマス・マン原作・ルキノ・ヴィスコンティ監督の名作「ベニスに死す」(1971)が、製作40周年の今年、ニュープリントで劇場公開(東京・銀座テアトルシネマほか)で
10月1日から公開されることになった。
1971年の初公開時、劇場でリアルタイムで見た。いまでも映像は鮮明に覚えている。その後、ベニスを二度訪れたことがあり、「ベニスに死す」の舞台だったのは忘れたが、キャサリン・へプバーンの「旅情」の感慨に浸った(笑)。
トーマス・マンは、ドイツを代表する小説家(代表作「魔の山」でノーベル文学賞を受賞)。「ベニスに死す」も、映画の初公開当時、fpdは独文科の学生だったので、ゲーテ、シラー、レッシング、ブレヒトなどとともにテキスト(原書)でも使われていたし、読まされていたので関心を持って見た。
初老の作曲家ダーク・ボガードと、ビョルン・アンドルセンの美少年ぶりが話題となった。アンドルセンは、映画雑誌などを一時飾ったが、そのわずか数年後には見る影もないほど変貌を遂げたという(笑)。この一作だけで、ほかは見ないほうがいいかも知れない。
耽美的な作風と言われたルキノ・ヴィスコンティ監督の作品としては「山猫」「地獄に堕ちた勇者ども」と並ぶ代表作である。
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パウル・トーマス・マン(Paul Thomas Mann、1875年6月6日 - 1955年8月12日)はドイツの小説家。リューベックの富裕な商家に生まれ、当初は実科を学んだが処女小説「転落」が認められて文筆を志す。1901年に自身の一族の歴史をモデルとした長編『ブッデンブローク家の人々』で名声を得る。
1933年にナチスが政権を握ると亡命し、スイスやアメリカ合衆国で生活しながら、聖書の一節を膨大な長編小説に仕立てた『ヨセフとその兄弟』、ゲーテに範を求めた『ヴァイマルのロッテ』などを発表。終戦後もドイツに戻ることなく国外で過ごしたが、『ドイツとドイツ人』などの一連のエッセイや講演でドイツの文化に対する自問を続けた。(Gooより)