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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「イングリッシュ・ペイシェント」(1996)(1997年日本公開)

 
 
 
2時間40分は、確かに長い。途中で、睡魔に襲われることも・・・。
しかし、さすがに第69回アカデミー賞(1996年度)で、作品賞、監督賞、助演女優賞、編集、撮影、音楽などの9部門を受賞した作品のこと、骨のある作品だった。

この1996年という年は、作品賞ノミネート5作品を見ると、地味な作品が多かったようだ。トム・クルーズ主演「ザ・エージェント」以外の4作品は、いわゆる低予算映画だった。他の候補作品は「ファーゴ」「秘密と嘘」「シャイン」
 
エビータ」で歌曲賞を受賞したアンドリュー・ロイド=ウェバーは「『イングリッシュ・ペイシェント』に歌がなくてよかった」とジョークを飛ばすほど、イングリッシュ・ペイシェント」がほぼ独占状態だった。主演のクリスティン・スコット・トーマス主演女優賞にノミネートされるほどの名演だが、当初はデミ・ムーアが企画されていたという。
 
 
長時間の映画だが、時には「アラビアのロレンス」のような砂漠の美しさや、人間ドラマが描かれていて見ごたえがあった。 
 
現在と回想が交互に描かれる展開もいい。
ことし第83回アカデミー賞で主演男優賞候補の筆頭と見られるコリン・ファースは、イングリッシュ・ペイシェント”となるアルマシーの親友の役、ジェフリーで出演。アルマシーとジェフリーの妻、キャサリンの不倫に気づくジェフリーの取った嫉妬の行動とは・・・。
 

あらすじ:
北アフリカの戦場で、撃墜された英国のの飛行機から火傷火を負った男が収容される。記憶を失っていたため男は仮に”イギリス人の患者”(English patient)(アルマシー:レイフ・ファインズ)として扱われ、カナダ人の看護婦ハナ(ジュリエット・ビノシュアカデミー賞助演女優賞受賞))が献身的な看護を続ける。 
 

 
やがて男は徐々に記憶を取り戻し、人妻との不倫関係が回想される。 親指のない男・デヴィッド・カラヴァッジョ(ウイレム・デフォー)が復讐心を持って近づくなど、サスペンス色も持っている。 

舞台は1944年、イタリア。
砂漠の飛行機事故で全身に火傷を負い、記憶の大半を失って生死をさまよう男が野戦病院に運び込まれた。戦争で恋人も親友も亡くして絶望にかられていた看護婦のハナ(ジュリエット・ビノシュ)は移動する部隊を離れて、爆撃で廃墟と化した修道院に患者を運び込み、献身的な看護を続ける。
 
男は断片的に甦る思い出をハナに聞かせる。彼の名はアルマシー(レイフ・ファインズ)。ハンガリーの伯爵の家柄に生まれた冒険家の彼は、英国地理学協会に加わり、アフリカはサハラ砂漠で地図作りに没頭していた。
 
1938年、協会のスポンサーとして夫ジェフリー(コリン・ファース)と共に参加していたキャサリン(クリスティン・スコット=トーマス)は、夫が英国情報部のカイロに戻った後も砂漠に居残った。
 
アルマシーはたちまち彼女に心奪われるのだった・・・。
 
2人の関係はやがてジェフリーに知れ、彼は嫉妬に狂った復讐の決意を胸に、小型機の助手席にキャサリンを乗せ、ジルフ・ケビールの“泳ぐ人の洞窟"近くでキャンプの引き上げ作業にあたるアルマシーの元へ向かった・・・。
 
レイフ・ファインズは、「ことの終わり」の名演が印象的だったが、「イングリッシュ・ペイシェント」では、事故で火傷を負い、看護を受けながら、記憶を呼び覚ましていく男を熱演している。

 
性格俳優のウイレム・デフォーは相変わらずインパクトがある。
 
戦争の傷跡というが、主人公のアルマシーの姿は痛ましい。「ジョニーは戦場へ行った」も彷彿とさせる。名作と思うが、どっと疲れも残る映画だった。
  
キャスト
アルマシー(Count Laszlo de Almasy):レイフ・ファインズ
キャサリン・クリフトン(Katharine Clifton):クリスティン・スコット・トーマス
デヴィッド・カラヴァッジョ(David Caravaggio):ウィレム・デフォー
ジェフリー・クリフトン(Geoffery Clifton):コリン・ファース
キップ(Kip):ナヴィーン・アンドリュース
ミューラー(Muller):ユルゲン・ブロホノフ
ハーディ(Hardy):ケヴィン・ウェイトリー
 
  予告編
 
☆☆☆