「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」をみた。シリーズ「1」「2」と日本映画史上で、アニメを除くと実写フイルム最大のヒット作ということだが、「3」は、「あれあれ」と盛り上がりもないままに終わり、期待はずれだった。メリハリがなく、”おとなしい”映画でした!(笑)。
ラストシーンで、青島係長(織田裕二)がつぶやくセリフ「生きるっていいな」は、自殺をする人間が多い昨今、生きていればなんとかなるという、生(せい)の貴さをうたったのかもしれないが、すべてのクレジットが終わって、青島が、急斜面を駆け上がって、新・湾岸署の建物を目指して走る姿は、映画に必要だったのか?
所轄の引っ越しの最中に事件が続くが、犯人と警察側との「交渉人 真下正義」のような緊張感・緊迫感がない。ただただ、大勢の人間が動いているだけ(笑)。
この映画では、終身刑を言い渡されている女教祖の役柄の小泉今日子の存在だけが目立った。小泉のこれまでの明るい陽気な性格のイメージはかけらもなく、ノーメイクで、幽霊のようなおぞましい顔も見せ、すごみすら感じさせた。
若手俳優で人気上昇中の小栗旬が、ゲスト出演のような、といっても重要な役で出演している。この小栗旬、今が“旬”なのか、映画監督にも進出しているのには驚く。俳優としては史上最年少(撮影時は26歳、現在27歳)。インドでは、9歳の映画監督がいるというが。
室井慎次役の柳葉敏郎は、いつものように苦渋の表情で、風格もでてきた(笑)。キレまくる木島(寺島進)、真下正義(ユースケ・サンタマリア)が、自らのスピンオフ映画をもじって「交渉人」という出演ビデオを所轄の女子署員にDVDをPRするところは、お遊びだが、なんのために、新・湾岸署内をうろついているのかが、最後にわかる仕掛け!
娯楽映画として、流れを追って見ている分には、そこそこだが、「それで?」と突っ込みが入りそうな映画だった。
DVDで十分 (★★)←珍しく辛いか。