すでに一部で公開されていて、14日から全国一斉に公開される「キャタピラー」が注目されている。「寺島」の読みは、てらしまではなく、てらじまが正しい。ちなみに、母親の富司純子は「ふじ・すみこ」(旧・藤純子:ふじ・じゅんこ)と読む。
映画はまだ見ていないが、TVで、寺島しのぶがインタビューを受けている番組があった。
インタビューは、興味深かった。
寺島が、最初に脚本を渡された時、これは自分がやるしかないと思ったという。
大きな衝撃を受け、戦争について、自分自身、またこの映画の主人公の女性の立場でさまざま考えたという。戦時中に、確かにこのような夫婦がいたということをのこしたかった、と強く語っていた。
寺島は、自分のイメージは「すぐ脱ぐ女、強い女、情念の女といったふうにカテゴライズされているが、それを打ち破りたかった」と語っている。 さすが! おそらく現在の日本映画界の女優では、演技派のトップクラスにランクされるのでは。
寺島は言う。「監督は、メイク係もなし、お金もなし」と言いたかったと思うと語り、みずから、ノーメイクで撮影に臨んだという寺島。「当時の生活を考えれば、メイクなどしていないはず」と言い切り「スッピンで行く」と決めた。
若松監督は「(寺島という女優は)考えている以上の芝居をする。(メイクなどして)嘘っぽくなったら、負け」と語っていた。存在感のある女優だと高く評価していた。
寺島のおもいっきりのよさといったら、ジュリアン・ムーア(「ことの終わり」の大胆な全裸シーン)並みだ(笑)。
監督が描きたかったことは何か。
「キャタピラー」は前作の「実録・連合赤軍」から2年。赤軍の若者たちが立ち上がった背後には、親世代の戦争責任を問い、再び戦争に荷担しようとする国家への怒りがあったはずだと若松孝二は言う。戦争とは何なのか。国家のために、人が人を殺すとは、何なのか。「正義の戦争が、どこにあるのか」映画の全編に貫かれているのは、若松の叫びだ。戦争の20世紀を経て、今もまだ同じ過ちを繰り返すこの世界に若松はこぶしを振り上げ、叫び続ける(一部、HPより)。
寺島しのぶは、舞台、テレビ、CMでも活躍中。
主な映画出演作品:
DRUG(2001年)- 柳川恵子役