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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ」(2009)</span>


ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」は、“一風変わった”映画だが、見ごたえはあった。

変わっているというのは、夫婦の会話が、傍からみると不自然ないかにも他人行儀ながら、不思議な雰囲気・・・文学調というのか。

作家大谷には才能はあるものの、朝から酒びたりで、外に愛人を作り、飲み屋や、家の引き出し
から現金を盗んだりと・・・はちゃめちゃな人物像として描かれます。太宰治生誕100周年で、
太宰そのものの人物と妻と太宰の愛人、さらには妻を取り巻く男たちを描いている。

そんな作家に尽くす妻が不憫に思えるが、こんなぐうたらな男に引き寄せられる
というのが理解に苦しむ(爆)。ただ、映画では、後に妻となる佐知(松)が
盗みの容疑で逮捕されたときに、自分を救ってくれたのが縁となっていた。

主演の松たか子は、TVのドラマ・シリーズで人気を得てきたが、「The有頂天
ホテル」などの“ワン・シーン・プレイヤー”として印象に残る台詞回しや演技が
あったが、「ヴィヨンの妻」では、松のための映画といえるほどすばらしい。
生き生きして、うまい。


他のコメントにもありましたが、鏡の前で座ったときのダイナミックな後姿(ご想像に
お任せします!)は、すごい(爆)。

広末涼子は、「おくりびと」では健気な新婚の奥さん役だったが、「ヴィヨン」では、
やや崩れた愛人役で、ベッドシーンにも挑戦していた(笑)。11月には「ゼロの
焦点」の公開も控えていて、ノリに乗っている女優の一人。

浅野忠信の映画はほとんど観ていなかったが、中国映画などでも活躍している。
この「ヴィヨン」では、不思議な世界、雰囲気を出している。まったく共感は出来ないが、
こういう生き方もありかと・・・。つねに「死にたい」と考えて、なかなか死ぬのが
むずかしいということですが・・・。共演は、光石研ほか。

この映画を午前中見て同じ日の夜に大作「沈まぬ太陽」を見たので、印象が相当打ち消されたようだ(笑)。

☆☆☆