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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「復讐するは我にあり」(1977)(緒形拳の名演!)

復讐するは我にあり」は、第74回直木賞を受賞した佐木隆三の小説。
1977年に、今村昌平監督で映画化。同年のキネマ旬報ベストテンで1位
第22回ブルーリボン賞ならびに第3回日本アカデミー賞作品賞受賞作品でもある。
タイトルの由来は「悪に対して悪で報いてはならない。悪を行なった者に対する復讐は神がおこなう」(聖書の一節)によるという。

 

 
映画では、九州、浜松、東京で5人を殺し、詐欺と女性関係を繰り返した主人公の生いたちから死刑執行までを辿る。畜生のような、殺人鬼を演じた緒形拳の鬼気迫る演技が忘れがたい。
日豊本線「築橋駅」近くで専売公社のタバコ集金に回っていた柴田種次郎(殿山泰司)、馬場大八(垂水悟郎)の惨殺死体が発見され、現金41万円余が奪われていた。かつてタバコ配給に従事した運転手、榎津厳(緒形拳)が容疑者として浮かんだ・・・。

 

榎津は、駅裏のバー「麻里」のママ・千代子(絵沢萠子)を強姦、アパートに連れこんで関係を強要し続けるなど、捜査員の聞き込んだ評判も悪い。2ヵ月前までは、ヌードダンサー上りで「金比羅食堂」をやっていた吉里幸子(白川和子)と同棲し、母子家庭もガタガタにもした。

 

詐欺や殺人を繰り返し、絞首台に上がる直前、最後の面会に来た父親・鎮雄(三國連太郎)に榎津は「おやじ・・・加津子(根津の妻)を抱いてやれ・・・。人殺しをするならあんたを殺すべきだった」と毒づく。

 

死の床にある母(ミヤコ蝶々)は「私も女じゃけえ、お父さんを加津子に渡しとうなか」といい続けた。

 

父も地獄のような家を守ってきた嫁・加津子が心底かわいく、信仰とのはざまに悩みぬく。そんな義父を加津子は無性に好きだった。榎津の処刑後、別府湾を望む丘に、骨壷から、榎津の骨片を空に向って投げる、鎮雄と加津子の姿があった。

 

俳優陣が豪華で、小川真由美清川虹子加藤嘉殿山泰司フランキー堺などのベテランが脇を固めている。

 

緒形拳は今月、惜しくも亡くなったが、この映画は代表作の1本として、記憶されることになるでしょう。
キャスト(役名)
緒形拳 (榎津厳)
三國連太郎 (榎津鎮雄)
ミヤコ蝶々 (榎津かよ)
倍賞美津子 (榎津加津子)
小川真由美 (浅野ハル)
清川虹子 (浅野ひさ乃)
殿山泰司 (柴田種次郎)
垂水悟郎 (馬場大八)
絵沢萠子 (畑千代子)
白川和子 (吉里幸子)
浜田寅彦 (吉野警視)
フランキー堺 (河井警部)
北村和夫 (出池茂美)
火野正平 (吉武順一郎)
根岸とし江根岸季衣) (岡啓子)
佐木隆三 (「あさの」の客)
梅津栄 (ドジな警官)
河原崎長一郎 (質店主)
金内喜久夫国鉄助役)
加藤嘉 (河島共平)
小野進也 (主計中尉)
石堂淑朗 (裁判長)

 

機会があれば、再見したい映画の1本である。

 

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