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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「フィクサー」(2008)ジョージ・クルーニー主演の社会派サスペンス。

フィクサー」(2007)は、法律事務所に勤める「フィクサー」(=“もみ消し屋”)をクローズアップして法曹界の醜い裏舞台を暴くとともに、大企業の腐敗を描いて、見ごたえ十分の社会派サスペンス映画だった。

映画の前半は、正直なところやや退屈で、(ちょっと眠気をもよおし=笑)人間関係をつかむのに戸惑ったが、後半、とくにラスト30分くらいからは、俄然面白くなっていき、目が離せなかった。

ジョージ・クルーニーが扮したマイケル・クレイトンは、元は有能な弁護士であったようだが、今は、ギャンブルなどがたたってか、お金にも困っているという”もみ消し屋”に成り下がっていた。

しかし、企業の不正が隠された機密文書を入手し、企業を追い詰めていくラストシーンでは、一気にその”フィクサー”の力を見せつけ、それまでの疲れきった表情がうそのように晴れ晴れとした表情になって、満足感を得ていた。そこには、笑いさえちらっと浮かべていた。なかなかうならせるラストだった。

ボーン・アイデンティティー」シリーズの脚本家による初監督作品。
巨額の薬害訴訟がテーマ。巨大農薬会社は全米有数の法律事務所に弁護を依頼。
しかし、担当弁護士はその企業の悪辣さに耐えかねて精神が壊れ、暴露を企てることに。

暴走する同僚の事後処理に乗り出すのが、もみ消し屋マイケルだ。
しかし、企業の利益を守ろうとする法務責任者の画策によって、弁護士は命をおびやかされ、真実を知ってしまったマイケルもまた消されかけるのだった・・・。  

俳優陣がいい。
特に企業側の有能な女性法務担当に扮したティルダ・スウィントンは、この映画で
アカデミー賞助演女優賞を獲得した。納得できるすばらしい演技だった。

勝ち誇った表情が一転して、崖っぷちにたたされた時の引きつった表情の演技(特に”口”の震えるような動き!=爆)がすごい。これでアカデミー賞を獲ったのか(笑)。

脚本がしっかりしているからか、重厚な映画となっていた。

☆☆☆(☆4つが最高)