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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

1980年代⑳「カリギュラ」(1980)

有名なフェデリコ・フェリーニ監督の「サテリコン」(1970)を彷彿とさせるような
古代ローマ時代の退廃政治ぶりを描いたのが「カリギュラ」(1980)だった。

カリギュラ」とそのタイトルを聞いただけで、ローマ帝国の暴君の恐ろしい横暴ぶりが蘇る。カリギュラを演じたのが、あの「時計仕掛けのオレンジ」で圧倒的な存在感を見せたマルコム・マクダウエルであったことも影響しているだろう。 

ローマ帝国の第3代目皇帝カリギュラの在位期間3年10カ月間の宮廷内の腐敗を描いた。

出演はマルコム・マクドウェルのほかに、ピーター・オトゥール、ヘレン・ミレ(「クイーン」でアカデミー賞主演女優賞受賞)など。ピーター・オトゥールは、カリギュラの叔父にあたり、カリギュラの前の皇帝だった。同じ一族でも、お互いに殺意を持っており、すさまじい
争いが展開されていく。

時は1世紀前半。

ローマ帝国の王室は、狂気にそまり腐敗しきっていた。
人々はひたすら快楽を求め生活に明け暮れていた。
貴族たちは、首切りショー、処刑ショーなどを見るのが楽しみだった(怖~)。
カリギュラの奇行、異常性はエスカレートするばかりだった。ティベリウス(ピーター・オトゥール)が、カプリ島での隠遁生活を終えて皇帝の座に戻る。

しかし、病魔に犯された肉体は、精神にまで異常を引きおこし、その生活は凶暴な振舞いに満ちていた。

遂には甥の子、ガイウス・カリギュラ(マルコム・マクドウェル)を秘かに毒殺しようとさえ考えていたのだった。元老院議員のネルバ(ジョン・ギールグッド)は、この政治の乱れを嘆き、自らの命を絶って抗議の意志を示した。

カリギュラは、ティベリウスから後継者に指名された。しかし、また皇帝の気がかわることを恐れたカリギュラは、忠実な部下、親衛隊長のマクロ(グイド・マンナリ)に病床のティベリウスの暗殺を命じたのだが・・・。

皇帝の位についたカリギュラは、狂ったように乱行を。巨大な芝刈り機での首刈り、
生きた女を地中に埋めたり、果てはマクロにまでティベリウス殺害の罪を着せ、
貴族たち全員を観客とした処刑ショーの餌食にした。

カリギュラの奇行はますますエスカレートしていった・・・。
宮殿の中に巨大な売春船を建造させ、ローマ市民を相手に元老院の夫人たちに売春を強要するなど、この上なく異様な光景が繰り広がる。映画は、公開時、その暴力、性描写、残虐性などから、R指定だった。あまり好んで見たいような映画ではなかった(爆)。