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映画「ラストナイト・イン・ソーホー」(原題:Last Night In Soho、2021)を見る。

   

ラストナイト・イン・ソーホー」(原題:Last Night In Soho、2021)を見る。予備知識なしで見たら、前半と後半でがらりと変わり、後半は完全にホラーだった。しかも、最近よくある「タイムリープ」サイコホラーだ。

 

タイトルから連想すると、ウディ・アレンの映画のようなタイトルだが、監督・制作・脚本は「ベイビー・ドライバー」(2017)のエドガー・ライト


それでか1960年代などの名曲や懐かしい曲が流れて、郷愁をそそる作品になっている。シラ・ブラックの「You're My World(Il Mio Mondo)」や、ウォーカー・ブラザーズの「Land Of 1000 Dances」など、数々の名曲が流れている。


単なるホラーだったら、見て損したとなるところだが、60年代のヒット曲などがたくさん流れるので、一見の価値があった。

サイコ」(1960)のバスルームシーンなどでナイフの”ギ・ギ・ギ♪”という音があったが、その擬音がかぶさるような音楽は、これぞ60年代というような響きでかなりいい。

とくに、曲がLPレコードから流れるというのがレトロ感満載でいいのだ。「ベイビー・ドライバー」同様、かなりスタイリッシュ!。

本作は、ニコラス・ローグ監督の「赤い影」(1973)やロマン・ポランスキー監督の「反撥」(1965)など、他のイギリスのホラー映画からインスピレーションを受けていると言われており「反撥」をリアルにそのままにさらに激しくしたようなシーンが見られた。

「サイコ」「キャリー」「反撥」「ブルーベルベット」「レベッカ」を足して5で割ったような作品だった(個人の感想。笑)。

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イギリスの田舎町から出てきたファッション学校生エロイーズ・ターナー(愛称エリー:トーマシン・マッケンジー)は、ロンドンにあるファッション関連の大学に合格。

祖母ペギーから「ロンドンは、ヘンな男たちも多いから気を付けて」と送り出される。

ソーホーで、老婦人ミス・コリンズ(ダイアナ・リグ)が営む下宿屋の一室を借り、新生活を始める。

夜な夜な60年代のロンドンにタイムスリップし、そこでクラブ歌手志望のサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)と一体化するような体験をしては目が覚めるという日々が始まる。

エリーが憧れるスゥインギング・ロンドンの華やかさそのものに見えたサンディは、次第に恋人のジャック(マット・スミス)の指示でストリップまがいのショーの踊り子や売春を強いられていく。

エリーは夜ごとにサンディーの苦悩を目撃し、夢と現実の間で混乱していく。ある夜、サンディが自分の部屋でジャックに殺される場面を体験し、エリーはアルバイト先のバーの常連客の銀髪の老人(テレンス・スタンプ)がジャックの成れの果てではないかと疑い、警察に行くが精神錯乱を疑われる。

過去に自分の部屋で実際に殺人事件があったのではないかと考えたエリーは、図書館で60年代のソーホーでの殺人事件を調べ始めるが幻覚に襲われ、耐えきれずソーホーの部屋を出る決心をし、荷物をまとめに戻ったところでついに真相を知るに至る。

・・・
主演を演じるのは「ジョジョ・ラビット」「ロストガールズ」などのニュージーランド出身女優トーマシン・マッケンジーと、テレビドラマ「クイーンズ・ギャンビット」 で強烈な印象を残した女優アニャ・テイラー=ジョイ

 

       

       女王陛下の007」のダイアナ・リグ(右)

老女役が「女王陛下の007」のダイアナ・リグとは気が付かなかった。映画が公開される前年の2020年にがんで亡くなり(享年82歳)、本作が遺作となった。映画は2020年に公開予定だったが、コロナ渦で再三延期となり2021年に公開された。

 

       「コレクター」のテレンス・スタンプ(右)

テレンス・スタンプは60年前の「コレクター」(1965)で有名になり、現在も80代で映画出演している。


主人公のエリーの姿が、鏡に映ると60年代のサンディーの姿で、サンデイーが実は…というのも驚きだった。

主人公のデザイナー志望の女学生エロイーズの部屋には「ティファニーで朝食を」(1961)のポスターが貼ってあり、街の映画館では「007サンダーボール作戦」(1965)が上映されていた。映画ファンにはうれしいところ。


映画の冒頭でエリーが踊るシーンがあり、部屋のドアには「カーナビ―・ストリート」とあった。「カーナビ―・ストリート」は、いってみれば歓楽街のメインストリートで、新宿歌舞伎町通りのようなものか。


■【ロンドンのソーホー(Soho)
イギリス・ロンドンのシティ・オブ・ウェストミンスターにある一地区で、ウエスト・エンドの一角をなす。

20世紀中のソーホーは性風俗店や映画産業施設が並ぶ歓楽街として栄えた長い歴史をもつ。1960年代の「スウィンギング・シックスティーズ」 (Swinging Sixties) または「スウィンギング・ロンドン」 (Swinging London) 時代、カーナビー・ストリート (Carnaby Street) 界隈がファッション及びサイケデリックな色彩を帯びたストリート・カルチャーの発信地として国内外から注目を浴びた。

1980年代初頭以降、当地区は高級レストランやメディア関連企業が立ち並ぶ洗練された街へ大きく変貌し、性産業の店舗はそのほとんどがソーホーから姿を消した。今日ではお洒落な店舗が密集し、ゲイバーやレズビアンバーが連なる賑やかなゲイエリアとしても有名である(Wiki)。

ニューヨークのソーホーは、1970年ごろからマンハッタンの一角に登場し、芸術家の街として知られ、ロンドンのソーホーを意識したものと言われる。

主な登場人物:
■エロイーズ・ターナートーマシン・マッケンジー
愛称はエリー。1960年代のポップカルチャー好き。シングルマザーだった母は7歳の時に自殺して以来祖母の手で育った。ロンドン・ソーホー地区のロンドン・カレッジ・オブ・ファッションに入学したファッションデザイナー志望の女性。奇妙な第六感を持ち、母は亡くなっているが、霊感により、時々母の姿を見ることがある。夢の中でサンディとして1960年代のロンドンへ行ってしまう。


■ペギー・ターナーリタ・トゥシンハム
エリーの祖母。不思議な力を持つエリーを、いつも心配している。
■サンディ:アニャ・テイラー=ジョイ
歌手志望の女性。夢の中でエロイーズが憧れている1960年代の歌手。サンディは愛称で、本名はアレクサンドラ。
■ジャック:マット・スミス
1960年代のナイトクラブで女性歌手のまとめ役を務める男性。エロイーズ/サンディと恋に落ちる。だが実際はサンディを色恋営業で支配して売春させていた悪党であり、この映画の元凶。
■ミス・コリンズ:ダイアナ・リグ
エロイーズの下宿先のオーナー。ダイアナ・リグは「女王陛下の007」で1960年代のボンドガールを演じたことで有名。実はサンディ本人。
■銀髪の男:テレンス・スタンプ
エロイーズの前に度々現れる謎の壮年男性。エロイーズがサンディの髪型を真似て以降、彼女を気に掛けている。
■クラブの客 #5:サム・クラフリン
1960年代のクラブの客。サンディに「君はロンドンのナイトクラブの世界にいるべきではない」と提言する。
■ジョン:マイケル・アジャオ
エロイーズと同期の男性。
■ジョカスタ:シノヴェ・カールセン
学生寮でのエロイーズのルームメイトで遊び人。田舎出身のエロイーズを見下していて、60年代ファッションも馬鹿にしている。
■セイジ・バーメイド:マーガレット・ノーラン
エロイーズが働くパブ「The Toucan」のオーナー。ノーランはダイアナ・リグと同様に1960年代の「007 ゴールドフィンガー」に出演経験があった。
■女性刑事:リサ・マクグリリス

登場する60年代のポップス
ピーター&ゴードン「愛なき世界」
ダスティ・スプリングフィールド「ウィッシン・アンド・ホーピン」
ザ・サーチャーズ「Don’t Throw Your Love Away」
The John Barry Orchestra「狂っちゃいねえぜ」(Beat Girl)
ザ・キンクス「Starstruck
シラ・ブラック「私のすべて」(YOU'RE MY WORLD)
The Graham Bond Organisation「Wade In the Water」
ジェームス・レイ「セット・オン・ユー」
ザ・フー「ヒート・ウェイヴ」
サンディー・ショウ「Puppet On a String」
ウォーカー・ブラザーズ 「ダンス天国」
R. Dean Taylor「There’s a Ghost In My House」
スージー・アンド・ザ・バンシーズ「ハッピー・ハウス」
サンディー・ショウ「(There’s) Always Something There To Remind Me」
恋のダウンタウン

www.youtube.com

※「Netflix」で鑑賞。

 

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