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<span itemprop="headline">「忍ぶ川」の熊井啓監督、逝く。</span>



                  ↑上:「サンダカン八番娼館・望郷」では、田中絹代
                    栗原小巻高橋洋子らが熱演  下:熊井監督

 熊井啓監督が死去。73歳。

 社会派映画の巨匠でしたね。
 昔は「キネマ旬報」で、写真をよく拝見していました。
 
 熊井監督といえば、
 
 忍ぶ川」と「サンダカン八番娼館・望郷」が印象に残ります。

 1970年代はじめ、「忍ぶ川」を発表し、大きな話題に。
 三浦哲郎原作で、映画は、その年高い評価を得ました。
 加藤剛栗原小巻のコンビで、静かながら、息遣いが伝わるような
 初々しさのある佳作でした。
 
 1964年に、「帝銀事件・死刑囚」(未見)で監督デビュー。
 1968年には、三船・石原両プロ提携の「黒部の太陽」を監督。
 黒四ダム建設をダイナミックに描き、1969年フリーに。
 
 1971年、1年半かけて三浦哲郎の「忍ぶ川」を映画化。
 作風を一転させた女性映画で、毎日映画コンクール日本映画大賞などを受賞。
 続いて、1974年「サンダカン八番娼館・望郷」を発表。
 これは、米アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。

 主な作品には、
 「天平の甍」
 「日本の熱い日々 謀殺・下山事件
 「海と毒薬」
 「千利休・夲覺坊遺文」
 「深い河」
 「日本の黒い夏 冤罪」
  これは、松本サリン事件を題材に、冤罪が生まれる過程をリアルに描いた。
 デビュー作以来、映画で社会を問い続ける姿勢が変わることはなかった。
 2002年には黒沢明監督が残した脚本を元にした「海は見ていた」を監督した。  
 病気などとも闘っていたようですが、寡作ですね。本数は少ないです。

 ご冥福を祈ります。