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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">&#039;00(23)「パフューム ある人殺しの物語」(2006)</span>




 「パフューム ある人殺しの物語」(2006)。
 映画を見る前は、香水と殺人が結びつかなくて、どんな映画かと思っていましたが・・・。
 予告編では「究極の香水の前に世界がひれ伏す・・・」と言われても、理解できず(笑)。

 見るしかない!(体験するしかない!)それで、見てきました。
 
 18世紀のパリ。
 フランスなのに、言葉が「英語」というのが、引っかかったのですが、ちんぷんかんぷんより、
 まあいいか・・・と見ることに。前半は、人々の貧しい生活ぶり(極貧の域を超えている!)、
 後半は、金持ちの貴族的な暮らしと好対照。そうした中で、ジャン=パティスト・グルヌイユ
 (ベン・ウィショー=鮮烈デビューというところでしょう)という名の一人の赤ん坊が産み落とされ、 母親は、子供を置き去りにしたことで死刑。過酷な労働、人身売買で、売り買いされながらも、ある一 つの才能があることに自らも気付き・・・。
 
 それは、あらゆるものを嗅ぎ分ける驚異的な嗅覚。やがて、調香師のマスター(ダスティン・ホフマン
 は、映画での出演時間はそれほど長くはないが、すごい!)に押しかけ弟子入りし、香水作りに没頭
 してゆくが、だんだんと狂気の世界に。

 衝撃的な「あのシーン」は、度肝を抜く内容で、解説などによると、原作そのものが、哲学、犯罪学
 などにも大きな影響を与えたと言います。監督は、ドイツが誇るトム・ティクバと言う奇才監督。
 音楽も壮大なベルリンフィルと華やか。

 冒頭の市場のシーンでは、死んだ魚や、産み落とされた、生々しい子供などをいっしょくたにして、
 血なまぐさい、また、なまなましさがリアル。無名の新人俳優(ベン・ウィショー)が主役を演じ
 たが、生い立ちが不遇であったことから、人間的な温かみを経験していない分、考えられない狂気の
 世界に入っていってしまう。「悪魔と天才は紙一重」と言うけれど(そういう話ではないか=笑)。

 「原作と映画」ということでは、昨年、「ダ・ヴィンチ・コード」が、話題になりましたが、
 原作で詳しく内面を描いている、などといわれると、読んだほうがいいのか。映画の前半は、正直な
 ところ、平坦で、少し居眠りをしたような(爆)。それでも、ラストシーンは、なんと言うか、言葉
 が出ません。
 
 好みで言えば、あまり好きなタイプの映画ではありませんが、ミーハーとしては、話題作は見ておく
 というポリシーで、見たのでした。点数は★★。(最高は☆☆☆☆)

 アラン・リックマンは、「ダイ・ハード」のテロリスト・リーダーで、堂々とした
 強い印象を残し(デビュー作だったんですね)、「ラブ・アクチュアリー」がまたまた、印象に
 残って、「パフューム」も存在感がありました。原作を読んだ人は、良くぞ忠実に再現したと
 皆絶賛していますが・・・。