「オペラ座の怪人」(1925、劇場予告編)
映画「オペラ座の怪人」は、これまでに、日本未公開2作品も含めて9回映画化されている。最も新しいところでは2004年版が、豪華絢爛ミュージカル映画として、印象に残る。ジェラルド・バトラー(ファントム)とエミー・ロッサム(クリスチーヌ)のコンビだった。
1925年(大正15年)版は、登場人物を必要最低限に減らした点と結末が異なる点以外は、原作に比較的忠実に映画化されているという。エリックが「音楽と奇術に明るい、脱獄した猟奇犯罪者」に設定となっている。
これまでの映画版では、1925年版以降は、いずれもエリックが火事や事故などで醜悪な人相になったなどと、その原因を様々にアレンジして描いているが、本作は原作通り生来の醜さで、性格俳優ロン・チェイニーが特殊メイクを施して「ドクロのような人相のおぞましい化物」という描写をほぼ忠実に再現している。
エリックがクリスティーヌに向ける愛も、やはり原作通り身勝手でストーカーまがいの狂気じみたものであり、ミュージカル版で顕著になった三角関係という解釈はまだなく、純粋な怪奇映画の体裁を持っている。
この映画のオペラ座のセットは、1943年版のほか、多くの映画でも使用され、今もユニバーサルスタジオに残る、世界最古の現役映画セットであるという。
アメリカではパートカラー版(仮面舞踏会のみ)とモノクロ版のDVDが販売されているが、日本ではモノクロ版のDVDが販売されている。日本ではモノクロ版のみ公開された。
DVDはデジタル処理をしていないので、昔のフィルムの雨のような個所もある。字幕は大きいが、バックとの兼ね合いで見にくいシーンもある。
クリスチーヌを演じているメアリー・フィルビンは、今見ても、美人でキュートだが、それもそのはず、ユニバーサルの美人コンテストで選ばれ、ハリウッド映画に1921年から出演している。ただ1930年代前半に引退しているので、映画界には10年ほどしかいなかったことになる。1903年7月16日生まれで、1993年5月17日に亡くなっているので、90歳まで生きた。
映画の中で、クリスチーヌ(メアリー・フィルビン)がエリック(怪人)が、ピアノを弾いている後ろから近づき、仮面をさっとはがしてしまうシーンは、ゾクゾクというショッキングなシーンだった。(「犬神家の一族」か?笑)。
ミュージカル仕立ての「オペラ座の怪人」(2004年版)と比べると、豪華さ、迫力に欠けるのは仕方がないが、ストーリー展開などシンプルで、わかりやすかったのがいい。
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