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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「PLAN75」(2022)は「安楽死容認」などシリアスな高齢問題にメス。

PLAN 75」(2022)は気が滅入るようなテーマの他人事ではない高齢問題を扱った重たい映画。日本・フランス・フィリピン・カタール合作。映画の宣伝文句の「終活を考えるシニア必見」というのが厳しい現実を突きつける(笑)。

75歳以上の高齢者に対して自らの生死の権利を保障し、支援する制度「PLAN 75」の施行に伴う制度の対象者たちや市役所の職員、スタッフの苦悩を描いている

78歳の一人暮らしの高齢女性を演じる”大女優”倍賞千恵子(撮影時80歳)の「ワンマンショー」で、9年ぶりの映画主演。女優魂というべきか、しわくちゃで女優然といった印象はかけらもなく市井の老婦人を演じているのがすごい。

是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」(2018)の一篇である「PLAN 75」を再構築し、新キャストで長編映画化した作品とのこと。

監督は本作が長編映画初監督となる早川千絵第95回アカデミー賞外国語映画賞(現・国際長編映画賞)部門・日本代表作品

国際長編映画賞はアメリカ以外の映画で、外国語(英語以外の言語)の映画のための賞。アカデミー賞の他の賞とは違い、アメリカ国内で上映されている必要はないと定義されている。

・・・

角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳で生活のためホテルの客室清掃の仕事をしていたが、高齢を理由に解雇を言い渡される。

不動産業者を通して安アパートを借りるにも2年分前金の条件や無職ということがあって、どこも断られてしまう。

生活支援相談で生活保護を受けるのはどうかと提案されるが、生活保護にも抵抗があり「もう少し頑張ってみる」と断り、公園の「炊き出し」の場所に行く。

そこで、トン汁をいかがですかと差し出してきた青年・岡部ヒロム(磯村勇斗)により「PLAN75」の存在を知ることになる。 

そして、住む場所をも失いそうになったミチはついに「プラン 75」を申請することにする。

プラン 75」の流れの一環として、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前まで話し相手になるなどサポートするコールセンターがあり、そのスタッフの一人、瑶子(河合優)と会話を交わし親しみを感じていくミチ。

話し相手もいない孤独老人にとっては、コールセンターの担当者と話をするのは生きている実感が感じられ、1人当たりの会話制限時間の15分(15分経過するとお知らせの合図が鳴る)もすぐに過ぎてしまう。

ミチは親しくなった瑶子を呼び出してボーリングにも興じる。話し相手との個人的な接触は禁じられているようで瑶子は「内緒で」会っているのだという。

また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア(ステファニー・アリアン)は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の「プラン 75」関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に臨む日々を送っている。

クリスチャンの集会で、責任者がマリアのために参加者から「カンパ」を集めたり協力している。 

そんな中、プラン75のヒロムは、窓口で無料の「合同プラン」について穏やかに相談者に説明していた。他人とまとめて火葬・埋葬されれば、葬式や墓の費用の心配がないコースだという。

そんなヒロムの窓口に現れたのが、20年間も音沙汰のなかったヒロムの叔父だった。既に父親を亡くしており、叔父との交流を持とうとするヒロム。

だが、幸夫はプラン75を心待ちにしており、75歳の誕生日に申し込みを行っていた。多少の動揺を見せつつも、死に場所の施設に向かう幸夫。

死に場所の施設で診察台に横たわるミチ。酸素マスクからガスが流れれば、眠りに落ちて死亡するはずだった。その隣の台で静かに死んで行く幸夫。だが、手違いからミチのマスクにはガスが流れなかった。

幸夫を止めようと施設を訪れるヒロム。だが、幸夫は既に亡くなっていた。せめて火葬は合同ではなく身内として行おうと奔走するヒロム。

生き残ったミチは施設を抜け出し、太陽の光の中を歩き出した。わずかな光がどんどんと大きくなっていった。死ではなく「生きること」を選んでよかったと実感した瞬間だったのか…。

・・・
映画の中のセリフで「生まれるときは選べないが、死ぬ時ぐらいは自分で選びたいと思って(PLAN75を選ぶのに)迷いはなかったです」という高齢女性の声があった。安楽死、生死の選択権が認められた制度が「PLAN75」というわけ。

   倍賞千恵子は歌手でもあるがうますぎてはいけない。

   「サインするだけよ。迷いはないでしょう。」

PLAN75」を肯定も否定もしていないが「PLAN75」の役所の窓口担当者や、「PLAN75」を勧めるコールセンターのスタッフなどは、疑問を持ち始めている姿も描かれる。

コールスタッフのメンバーに責任者から「(高齢者に対して)誘導するように」という営業トークのような言葉があったりして、言葉巧みにだますようなうさんくささも感じる。

ヒロムが「PLAN75」のポスターの看板を張りだそうとすると、何者かが果物を投げつける場面もあり、世間の風当たりの強さもある。

遺品処理を淡々と行うシーンも印象的。バッグの中身を箱に詰め込む作業。

作業する男が、遺品のメガネを取って、自分のメガネと取り換えて、自分のメガネを捨てたり、腕時計を「死人が使うわけじゃないから」と同じ遺品処理係のマリアに渡したり、マリアがバッグを開けると1万円札の束があり、逡巡する姿があったり…。

高齢者の増加を抑止しようという政府の決定による「PLAN75」だが、安楽死、人間の尊厳などを問いかける映画だった。

<主な登場人物>
■角谷ミチ:倍賞千恵子…78歳のホテルの客室清掃員。突然解雇を言い渡される。
■岡部ヒロム:磯村勇斗…市役所職員。「PLAN 75」の申請窓口を担当。
■岡部幸夫:たかお鷹…ヒロムの叔父。
■成宮瑶子:河合優…コールセンター職員。「PLAN 75」のサポート業務を担当。
■マリア:ステファニー・アリアン…「PLAN 75」関連施設「ランドフィル環境サービス」で働く女性。
■牧稲子:大方斐紗子…ミチの仲間のホテルの客室清掃員。
■藤丸釜足:串田和美…マリアが働く「PLAN 75」関連施設「ランドフィル環境サービス」の同僚。
■林田久江:矢野陽子…ミチの仲間のホテルの客室清掃員。
■三村早苗:中山マリ…ミチの仲間のホテルの客室清掃員。
■秋山:金井良信…市役所職員。岡部ヒロムの上司。
■大島:鈴木アメリハローワークの職員。

 

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【訃報】女優・山本陽子(「華麗なる一族」「八つ墓村」&「山本山」CM)死去。81歳。

      

映画「華麗なる一族」「八つ墓村」などに出演し、舞台、テレビで数々の作品に出演した女優の山本陽子が20日に急性心不全のため静岡・熱海市内の病院で死去したことが21日、分かった。81歳。

2月2日にはテレビ出演し、晩年も仕事への意欲を見せていたばかりだった。品のある凛とした美しさと妖艶な色香で多くのファンを魅了し、清楚な役悪女役もこなしたスター女優がひっそりと他界した。

複数の関係者によると、山本陽子は70歳を機に東京から熱海市に移住しており、双子のように仲の良かった実の姉が昨年春頃に死去。その後、気落ちすることも多かったが、仕事への意欲は衰えなかったという。

今月2日に放送されたテレビ朝日トーク番組「徹子の部屋」に映画会社、日活のスター同士だった俳優、高橋英樹と出演。昨年に芸能生活60周年を迎え「健康である限り、いろんな役に挑戦したい」と宣言。4月に舞台出演する予定もあった。

テレビで印象に残るのは、和服の似合う美人女優として知られたことで、山本海苔店のイメージモデルを半世紀以上も続けてお茶の間にも親しまれたこと。山本海苔店によると、2010年に「専属モデル契約年数最長」として、ギネス世界記録に認定されたという。

  ・・・
東京・中野区出身。國學院高を卒業後、野村證券に勤めたが、1963年に知人が日活に山本さんの応募書類を送り「面白そうね」と受験したところ合格。第7期日活ニューフェースとして芸能界入りした。

その頃、日活では浅丘ルリ子が人気絶頂。吉永小百合松原智恵子和泉雅子が「日活三人娘」として活躍し、山本さんは端役どまりだった。しかし、高橋の相手役として1964年の映画「抜き射ちの竜 拳銃の歌」で本格デビューし頭角を現した。

当時、映画からテレビに活躍の場を移すのは「格落ち」と言われたが、気にせずドラマ「七人の孫」「白い滑走路」に出演して注目の存在になった。嫁姑の確執を描いたドラマ「となりの芝生」で人気に火が付いた。

舞台は1971年に森光子主演の「放浪記」が初出演作。1980年の「花埋み」で初主演し、作家、故宇野千代さんの小説が原作の「おはん」なども代表作で、1994年に菊田一夫演劇賞を受賞した。

華麗なる一族」では香川京子京マチ子など豪華俳優と共演(右端が山本陽子

    八つ墓村」では小川真由美(左)らと共演

映画では「華麗なる一族」「八つ墓村」などで存在感を見せた。

 

主な出演映画>(一部抜粋)
光る海(日活、1963年12月25日)(端役:女子学生役)デビュー。
月曜日のユカ(日活、1964) 
抜き射ちの竜 拳銃の歌(日活、1964年4月4日)…本作が「映画におけるデビュー作」とする場合もある。
帝銀事件 死刑囚(日活、1964)
猟人日記(日活、1964) 
涙をありがとう(日活、1965)
明日は咲こう花咲こう(日活、1965) 
結婚相談(日活、1965) 
源氏物語(日活、1966)
賭場の牝猫 捨身の勝負(日活、1966)
哀愁の夜(日活、1966) 
涙になりたい(日活、1966)
夢は夜ひらく(日活、1967)
恋のハイウェイ(日活、1967) 
君は恋人(日活、1967) 
花の恋人たち(日活、1968) 
青春の鐘(日活、1969)
博徒百人(日活、1969)
日本残侠伝(日活、1969)
嵐の勇者たち(日活、1969) 
女の意地(日活、1971) 
華麗なる一族東宝、1974) 
八つ墓村(松竹、1977) 
無限の住人(2017年4月29日) 
ソローキンの見た桜(2019、遺作) 

ご冥福をお祈りいたします

 

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【映画賞】第77回英国アカデミー賞は2作品が主要部門独占「オッペンハイマー」7冠「哀れなるものたち」5部門。

      

第77回英国アカデミー賞(BAFTA)でも「オッペンハイマー」が7冠と圧勝した。BAFTA授賞式が2024年2月18日(現地時間)、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで開催され、原爆の父を描いたクリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」が作品賞をはじめ、監督賞キリアン・マーフィー の主演男優賞ロバート・ダウニー・Jr.の助演男優賞など最多7冠に輝いた。

本作はゴールデン・グローブ(GG)賞とクリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)でも作品賞を含む最多受賞を果たし、今年の賞レースを席巻中。

次いでヨルゴス・ランティモス監督の「哀れなるものたち」が、エマ・ストーン主演女優賞、衣装デザイン賞やメイクアップ&ヘア賞など5部門を制した。

助演女優賞は「The Holdovers(原題)」のダヴァイン・ジョイ・ランドルフに渡り、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」がアニメ映画賞を獲得したことでオスカー受賞への期待も高まっている。

なお「バービー」はすべての部門で受賞を逃した。

 

<第77回英国アカデミー賞(2024年)の主な受賞結果>
■作品賞:『オッペンハイマー
■監督賞:クリストファー・ノーランオッペンハイマー
■主演男優賞:キリアン・マーフィー 『オッペンハイマー
■主演女優賞:エマ・ストーン哀れなるものたち
助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr.『オッペンハイマー
助演女優賞:ダヴァイン・ジョイ・ランドルフThe Holdovers(原題)』
脚本賞:『落下の解剖学
■脚色賞:『アメリカン・フィクション
■非英語映画賞:『関心領域
■アニメ映画賞:『君たちはどう生きるか
■英国短編アニメーション賞:『Crab Day(原題)』
■ドキュメンタリー賞:『実録 マリウポリ20日

・・・
作品別の複数受賞は以下の通り。
【7部門】『オッペンハイマー
①作品賞②監督賞(クリストファー・ノーラン )③主演男優賞(キリアン・マーフィー)④助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr.)⑤撮影賞⑥音楽賞⑦編集賞
【5部門】『哀れなるものたち』
①主演女優賞(エマ・ストーン)②衣装デザイン賞③メイクアップ&ヘア賞④美術賞⑤視覚効果賞
【3部門】『関心領域』
①非英語作品賞②英国作品賞③音響賞
【2部門】『The Holdovers(原題)』
助演女優賞(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)②キャスティング賞

3月のアカデミー賞の予想傾向も見えてきた。

 

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映画「弱くて強い女たち」(原題:孤味/Little Big Women、2020)を見る。台湾のヒューマンドラマ。

弱くて強い女たち」(原題:孤味/Little Big Women、2020)を見る。地味ながら味わいのある台湾家族のドラマだった。肝っ玉母さんを中心とした3人の娘たちの個性が光るドラマ。

台湾の家族モノの映画をじっくり見る機会は少ないが、兄弟、姉妹と言っても考え方は異なるが、家族という単位の結束の固さなどは感じさせられる。法事(葬儀)などでの作法なども興味深かった。

自分たちの知らない出奔(しゅっぽん:駆け落ち)した父の暮らしと死の現実に向き合うことになった台湾の家族の葛藤と機微を細やかに描いたヒューマンドラマ。グルメの都・台南が舞台で、料理がおいしそう。

東京国際映画祭で上映された台湾映画。監督は、これがデビュー作となる許承傑(シュー・チェンジエ)。2017年の同名短編映画を長編にした作品で、ビビアン・スーリャオ・チンソンと共にエグゼクティブ・プロデューサーをつとめている。

原題の「孤味」は、文字通りには孤独の味ということだが、台南の言葉で、一つの料理を精魂込めて作るといった意味があるという。それで、主人公で3人の娘を育てた母親である秀英(リン)が出奔した夫への長年の恨みを手放すというテーマと重ね合わせているのだという。

台湾の映画賞「金馬奨」では陳淑芳(チェン・シューファン)が主演女優賞を受賞。

・・・
3人の娘を育てた一家の大黒柱の母親リン(チェン・シューファン)が70才の誕生日パーティの日に夫チェン(ロン・シャオホア)の訃報がもたらされ、慌ただしく進める葬儀の準備の中、3人の娘たちとその家族、そして夫を看取った愛人たち。

家族を残してリンのもとから出奔(しゅっぽん)した父親の消息を10数年ぶりに知ったのは、病院で亡くなったという知らせだった。

そんな時に、家族や弟など周辺からは誕生日祝いパーティは控えたほうがいいのではと言われるがリンだったが、忽然と、夫の死は伏せて誕生会を開くという。

末娘は、父と愛人と姉妹の中では唯一連絡を取り合っていた。病床の父の見舞いにも行っていたのだ。そして、晩年の父と暮らしていたイーチョンのよき理解者でもある。

通夜には、夫の愛人イーチョンも友人の女性たちにまぎれて参加していたが、リンが「イーチョンさんは?」というので、女性たちは、帰りかける。

リンはイーチョンがいたことを確認するが、イーチョンや女性たちは去っていった。
夫が事業や家族のために父親の実印(印鑑)を持ち出したことになっていたが、実は夫がリンをかばっていたこと、リンが実印を持ち出したことを告白。

そして、後日、葬儀の場では、イーチョンに喪主の座を譲ることで借りを返すリン。
リンは車の中で、好みの曲をうたい、葬儀終了後に、一人葬儀会場に戻り、夫の遺影の前に立つのだった。

・・・
台湾の風景、食事の美味しさ、家族の関係などを丁寧に描いて静かながら染み入るものがある。日本では歌手・女優としてビビアン・スーが知られているが、映画の中で愛人役の丁寧(ディン・ニン)が凛として芯の強さを感じさせ、印象に残る。

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監督:許承傑(シュー・チェンジエ)
脚本:許承傑(シュー・チェンジエ)、黃怡玫(ホアン・イークイ)


<出演>
■陳淑芳(チェン・シューファン):リン…エビ屋台から出発し料理屋を経営。リン一家で3人(実は4人)の娘を育てた母70歳。魚市場の常連で仲買人たちからリンさんと親しまれている。歌うのが趣味。10数年音信不通の夫チェンの死の知らせを受け、許せない思いなど複雑な心境。自身の誕生会の実行を貫く。夫の背信に怒りを覚えながらもそれを乗り越え、愛人の女性の存在を受け入れていく。
■謝盈萱(シエ・インシュアン):ジョンシェン…長女。ダンサー。ヘビースモーカー。独身で自由奔放。
■徐若瑄(ビビアン・スー):ワンユー…次女。台北美容外科医。
■孫可芳(ソン・カーファン):ワンジア…三女。留学よりも母の店を継ぐことを決意した末娘。唯一父の愛人と連絡をとっている自己主張のはっきりした女性。
■丁寧(ディン・ニン):イーチョン…失踪した夫の愛人。雰囲気あるたたずまい、控えめで静かな強さを持つ。
■陳姸霏(チェン・イエンフェイ):ワンユーの娘。大学(医学部)進学を目指す。母ワンユーからは海外留学を勧められる。
■龍劭華(ロン・シャオホア):チェン:夫(現在)
■楊一展(ヤン・イージャン):チェン:夫(若いころ)
■張翰(チャン・ハン)

※「Netflix」(2月5日~配信)で見る。

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【コーヒーブレイク】中国で「百円の恋」リメイクが日本映画リメイクの最高興収を記録。

中国映画産業の最高監督機関である国電影管理局の統計によると、春節旧正月、Lunar New Year)の中国では、国内映画史上最高の興行収入を記録した。

春節(2月10日から17日まで)の連休期間中、1億6300万枚のチケット販売で80億2000万元(約1674億3675万円)の興行収入を記録し、前年同期比でそれぞれ18.47パーセント、26.36パーセント急増した。

安藤サクラ主演の映画「百円の恋」の中国リメイク版(英題「YOLO」=You only live once./日本公開未定)が2月17日、中国での興収が27.24億元(約544.8億円)を突破する大ヒットを記録したという。

中国でリメイクされた日本映画の最高興行収入記録を達成した。公開8日目で早くも塗り替えた。

これまでの最大ヒット作は「ザ・マジックアワー」(リメイク作品の邦題「トゥ・クール・トゥ・キル 殺せない殺し屋」)で興行収入26.27億元(約533.8億円)だった。

百円の恋」(2014)は、年末の12月20日に公開され、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など国内外合わせ通算21冠の映画賞を受賞し、異例のロングランヒットとなった。

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YOLO」は、東映および東映ビデオが中国サイドよりオファーを受け、実現した作品。作品には、オリジナル作品の脚本家・足立紳、監督・武正晴、プロデューサー・佐藤現が監修を行い、中国を代表するコメディエンヌである女優ジャー・リンが主演・監督を務めた。

    

    こちら主演・監督を務めた女優ジャー・リン

ジャー・リンは、同じく主演・監督を務めた前作「こんにちは、私のお母さん」(2021年公開)が興収54億1300万元(約900億円)の大ヒットを記録。

この数字は中国映画市場における興収歴代3位となっており、ジャー・リン自らが熱望した企画である“中国リメイク版「百円の恋」”は公開前から注目が集まっていた。

脚本の足立氏は「『百円の恋』の公開から10年、外国でリメイクされるなど当たり前ですが1ミリも思っていませんでした。しかもそれが大ヒットなんて夢のようです」と喜びのコメントを寄せた。

武監督も「大ヒットおめでとうございます。我が事のように嬉しいです。公開10年後のうれしいニュースに、観ていただいた中国のお客様に感謝です。中国スタッフ、キャストの皆様に深謝です。特にジャー・リンさんの勇気と情熱に拍手です」と祝福した。

 

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【コーヒーブレイク】2023年はトイレ清掃2作品が話題。テイラー・スウィフトの日本についての発言で中・韓が反発し炎上?。

2023年は偶然にもトイレ清掃などに関する2作品(「パーフェクトデイズ」「せかいのおきく」)が賞レースで話題になった。

「せかいのおきく」は、レンタルで見つからず未見のままだが、(かわや、寺所有の公衆便所)のひさしの下で、雨宿りをしていた紙屑拾いの中次と、下肥買いの矢亮と出会い、貧乏長屋で質素な生活を送るおきくと、古紙や糞尿を売り買いする最下層の仕事につく中次と矢亮の話。

この映画のもともとのタイトルは「江戸のうんこ」だったと映画製作プロデューサーが18日に開催された「キネマ旬報」表彰式で語っていた。

厠(かわや)の糞尿の話で、小学生などにとっては「うんこ」は格好のネタで「うんこドリル」などという問題集もあったような気がする。

話し変わって、奇しくも、先日、日本公演を行ったシンガーソングライター、テイラー・スウィフトの帰国後の「日本の臭い」に関する発言が炎上しているという。

テイラーがインタビュアーの「アジアで印象に残った国はありますか」という質問に対して「日本以外にあり得ない」と即座に答えたのだ。

その際、テイラーがアジアのツアーで「韓国や中国を訪れたときに、韓国ではキムチの臭いのきつさ、中国では、トイレなどの不衛生さに辟易した」といい、アジアは、日本もそうだろうと来日したが、全く違っていたと発言したのだ。日本の清潔さはすごいと語ったのだが、これに対して、中国や韓国が一斉に反発して炎上騒ぎになったのだという。

おいおいだが…。

自分たちの不衛生さを棚に上げて、いちゃもんかよ…(文句を言う前に、まわりから丸見えトイレを清潔にしてくれ)。

テイラー・スウィフトは日本のゴミひとつないクリーンさや清潔さに驚いたという。日本では、子どもたちが小学生の時から、教室内を掃除してきれいにするという習慣が身についていると知らされて、カルチャーショックを受けたというのだ。

日本で「臭い」がしなかったのは「私の鼻がおかしいのか」と思ったというテイラー。
この話を聞いて、日本に生まれてよかったと思った(笑)。

ただ、60年以上前の日本だって、衛生面でどうかと言われれば、大きいことは言えない。実家の便所(トイレなどというしゃれた言葉はなかった)は、家の外にあり、水洗などなく汲み取り式だった。ハエはまわりに飛ぶし、臭いし、不衛生だった。

    

      60年以上前には、田舎ではこんな光景が見られた。

それをどうしたかというと、畑の肥やしにするため、肥溜めをくみ上げて畑の隅のほうに運んでいた親を見た(笑)。下水道が完備して、トイレが水洗になったのはしばらくしてからだった。

 

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【東京ぶらぶら歩き】②「渋谷編」…渋谷周辺の激変ぶりは「東京人」でも迷路で迷う。

         渋谷駅前ハチ公口は身動きできないほど

   スクランブル交差点は、人がよくぶつからないものと感心する(笑)

渋谷駅周辺の再開発100年に1度」の大規模な再開発と言われる。渋谷駅周辺エリアは、訪れるたびに新しい発見を提供してくれる。

渋谷界隈の最終的な形が完成するのは、20年先か30年先の2050年くらいになりそう。人生100年と言われ、生きていれば見られるが、それは「ミッション・インポッシブル」(笑)。

地下鉄などの鉄道分野や、周辺の東急本店の閉鎖や跡地の再開発やら、商業ビルの建設などで、工事はつづくよいつまでも…。

2012年に完成した「渋谷ヒカリエ」は、渋谷の商業施設ビルでは、新しい名所の一つになったが、その長い開発の中間地点で大きな話題となっているのが「渋谷スクランブルスクエア 」。まだ第一期の完成のようだ。

 大谷翔平のCM動画が映し出されている「渋谷スクランブルスクエア 」

渋谷周辺の巨大な電子公告も目立つ。

新宿駅東口の立体3D猫に対抗してか?、渋谷は「ハチ公」の街ということで、時間帯によって、立体のワンコも登場。

この場所の電子ディスプレイでは、様々なスポット・バージョンがある。

渋谷センター街は相変わらず大賑わいだった。

近くには「ディズニーショップ」があった。 

飲み屋街を発見(笑)。宮下公園が「渋谷横丁」という居酒屋街になっていた。

地下鉄の入り口に「しぶちか」という言葉があり、地下街は迷路のようにショッピング街になっていた。

目についたのが「渋谷の歴史」紹介コーナー。わずか1坪程度のスペースだが、渋谷の変遷を紹介するスポットが2か所あった。

 

 

5時ごろ「センター街」のマックで「ビッグマック」セットを食べて、5時30分に開場となるキネマ旬報」表彰式のあるオーチャード・ホールに向かい徳さんと合流した。

キネマ旬報表彰式が8時20分ごろ終了したので、徳さんとともに渋谷から埼京線に乗り帰路についた。大宮駅で徳さんと別れた後、9時過ぎに大宮駅で「吉野家」の「ハヤシ牛丼」を初めて食べた。

 

和田誠」展示会見学、激変する「渋谷」ぶらぶら歩きと「キネマ旬報」表彰式など、駆け足の1日(実質半日)だった。

 

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